NEWS新着情報

H1N1亜型インフルエンザで生後11カ月の男児死亡―中国・広東省

2012/11/19

中国・広東省衛生庁は15日、10月の法定伝染病の状況報告を発表し、同省で10月にH1N1亜型インフルエンザの感染が1例報告され、同患者は死亡したことを明らかにした。
広東省疾病予防・管理センターの主任専門家で、伝染病予防・管理所の所長である何剣峰氏によると、死亡したのは生後11カ月の茂名市の男児。10月2日に発病し、8日に入院後、病状が悪化し、重度の肺炎の合併症がみられた。広東省疾病予防・管理センターの専門家が9日、H1N1亜型インフルエンザであると診断を下した。男児は10日に死亡した。

何剣峰所長は、「H1N1亜型インフルエンザはコントール可能な範囲内にあり、死亡例は個別の案件だ。男児に接した人を隔離して検査したが、感染はみられず、隔離措置を解除した。先週に確認されたインフルエンザの病例は外来診療患者の2.68%にとどまり、今年に入って最も低い比率だった」と説明した。

【毎日中国経済】

習李体制に「2つのわな」 中国共産党の新指導

2012/11/16

習近平国家副主席(59)を総書記とする中国共産党の新指導部が15日発足したが、党内序列2位で、来年3月に首相に就任する李克強副首相(57)が中心となる経済政策に不透明感が漂っている。

 李氏は経済政策実務で経験不足が指摘されているほか、党内権力闘争の結果、新指導部にはマクロ経済や金融政策などで、李氏を支える顔ぶれが少なくなった。消費拡大など経済政策の「質の転換」が急務となる中で、習李体制で李氏が孤立する事態ともなれば、中国に成長失速の懸念も生まれる。

 7人に減員された最高指導部、政治局常務委員の顔ぶれの中で、最も経済政策通とされ、太子党(高級幹部の子弟)に色分けされる王岐山副首相(64)は中央規律検査委員会書記となった。胡錦濤前総書記と同じ共産主義青年団(共青団)出身の李氏との路線の違いから、経済運営の一線から外されたもよう。

 常務委員には兪正声上海市党委書記(67)や張高麗天津市党委書記(66)、政治局委員には汪洋広東省党委書記(57)など経済実績を上げたメンバーに連ねたが、いずれも地方をインフラ建設や輸出振興などで繁栄させた、いわば旧来型の発展政策に重きをおく姿勢がめだつ。

 しかし1978年からの改革開放策で、成長率という「量の拡大」にばかり注力してきた中国経済は今後、質的に政策を転換しなければ陥るとされる「2つのわな」が待っている。

 輸出や公共投資から、消費など内需に成長の軸足を移さなければ、先進国型の安定成長が得られずに経済不振に陥る「中所得国のわな」。そして、計画経済時代から引きずる国有企業中心の「国家資本主義」を脱却し、民間中心の市場経済の本格導入に踏み切れるかどうかの「体制移行のわな」だ。

 この「2つのわな」は、いずれも大衆への抜本的な所得再配分への経済政策転換や汚職問題の解決、党幹部や地方政府などがもつ既得権益を排除して民間の活力を生かすことが不可欠。だが、その切り崩しには李氏が政治改革を含む強い手腕をふるう必要があり、既得権益で手を握る太子党と江沢民派はカベになる。

 当面は2013年の経済政策を決定するため、近く開かれる党中央政治局会議や中央経済工作会議での論議が焦点だ。党大会で採択された政治報告に盛られた20年までの国民総生産(GDP)と所得の倍増計画実現には、消費主導による年率7%成長が必要とみられる。世界経済の牽引(けんいん)役でもある中国で新たな「習李体制」がどのように機能するか。発足当初から経済政策で山積する課題への取り組み姿勢が問われている。

【産経】

中国以外から5割確保 レアアースの国内需要分 枝野経産相が見通し

2012/11/12

 枝野幸男経済産業相は12日の衆院予算委員会で、ハイテク機器に欠かせないレアアース(希土類)は「来年半ば以降、国内需要量の5割程度を中国以外から確保できる」との見通しを示した。
 経産省によると、2011年に日本はレアアースの約9割を中国から輸入している。日中関係の悪化などで輸出が制限されるリスクがあるため、日本の大手商社などが世界各地で開発プロジェクトを進め、調達先の多様化に取り組んでいる。
 来年以降はオーストラリアやカザフスタン、インドなどからのレアアースの輸入が増える見込みだという。
[MSN産経ニュース]

米国防省、トヨタと連携 レアアース供給で中国依存から脱却

2012/11/12

中国のレアアース(希土類)の埋蔵量は世界全体の30%程度に過ぎないが、世界の95%のレアアース商品を中国は長年安い価格で供給してきた。中国財政部がレアアース商品の輸出関税を引き上げると発表したのを受け、本来レアアースの輸出入に対する合理的かつ規範的な貿易政策および市場措置が、西側世論の敏感な神経を刺激し、「資源ナショナリズム」のレッテルを貼られることになった。米メディアは、中国のレアアース政策に振り回されないため、米国防省はアジア最大の自動車生産メーカーであるトヨタ自動車と連携して中国によるレアアースの供給「独占」を打破しようとしていると伝えた。
 米ブルームバーグは7日、米国とトヨタ自動車はカナダの鉱山会社ユーコア・レアメタルズと採掘会社マタメックと共に取り組みを進め、中国による供給の独占を打破しようとしていると報道。ユーコアとマタメックは北米で鉱山を開発しており、重希土類の供給拡大につながる可能性がある。重希土類は風力タービンのほか自動車や武器の高性能磁石に利用されるが、希土類のうちでも供給が少ない。
[中国網]

レアアース 受注減少深刻 生産稼働率は30~50%へ-中国

2012/11/12

【中証網】江蘇稀土(レアアース)協会の関係者は6日、「現在は主に川下の実需を見ている。これをてこ入れすれば、市場は好転するはずだ」と語った。休業によりレアアース市場の安定を守ろうとする業界関係者は、川下需要の激減を前に無策だ。第一財経日報が伝えた。
 江西省のネオジム磁石メーカー関係者は、「レアアース産業は川下需要が不振だ。ネオジム・鉄・硼素産業では企業の稼働率は平均30%-50%にとどまっている。取引先が価格を受け入れないというわけではないが、需要がないのが現状だ」と語った。
 ネオジム・鉄・硼素はレアアース産業の重要な製品として、風力発電や自動車、家電などの分野で多用されている。だが現在は自動車の生産販売が再び悪化し、機械や家電、造船などの産業が低迷を続けている。
 前出の江蘇稀土協会関係者は、「2011年と比べれば、レアアース企業の利幅は急減し、受注は以前よりはるかに減少している」と語った。
 主に携帯電話タッチスパネルやITO導電ガラスに利用するポリッシングパウダーは、同様にレアアース産業の川下分野に属する。ポリッシングパウダー産業でも、関連企業が同様に生産能力の問題に困っている。ポリッシングパウダー事業を数年間てがける関係者は記者に対し、「最終需要以外に、深刻な生産能力の過剰が産業に支障をきたしている。以前は3人が料理を作り、2人がそれを食べる状態だったが、今は5人が料理を作り、1人がそれを食べている状態だ。一定規模以上の規模をもつポリッシングパウダー企業は40社を超え、2011年だけで10社が新設された」と指摘した。現在の生産能力は5500トンを超えているのに対し、需要は1800トンに満たず、過剰分は4000トン前後に上るという。
 関係者は「レアアース供給は需要を上回っているが、レアアース産業チェーンは比較的完全なものだ。国の関連政策がどこまで徹底されるかを見守る必要がある」と述べた。
[Yahoo!ニュース]

共産党大会が開幕=政治改革が焦点―習近平体制の方向提示・中国

2012/11/08

中国共産党の第18回大会が8日午前、北京の人民大会堂で開幕した。胡錦濤党総書記(国家主席)が中央委員会報告(政治報告)を読み上げる。中国では近年、党・政府主導で経済政策をけん引する「国家資本主義」が進行し、権力と資本が結び付いた「既得権益集団」が膨張。その結果、幹部の腐敗や格差の拡大などが深刻化し、民衆の不満が高まっている。政治報告で権力を監視・チェックする政治体制改革にどこまで踏み込むかが焦点だ。
 5年に1回開かれる党大会では今回、10年ぶりに最高指導者が交代し、党大会閉幕翌日の15日に開かれる第18期中央委員会第1回総会(1中総会)で、総書記が胡錦濤国家主席から習近平国家副主席に引き継がれる。政治報告は習近平体制が今後5年間に進むべき目標・任務を提示することになる。

【時事通信】

SARSに似た新型ウイルス、サウジ首都で3例目の感染

2012/11/06

国営サウジ通信は4日、サウジアラビアの首都リヤドで、同国人1人がSARS(重症急性呼吸器症候群)ウイルスに似た新型ウイルスに感染したと報じた。容体は既に回復しているという。
この新種のコロナウイルスをめぐっては、サウジで60歳の男性が今年死亡したほか、同国を訪問したカタール人男性も感染が確認されており、今回のケースが3例目。

サウジアラビア保健省は、患者について「適切な治療を受け、回復した」と説明。また、この患者がこれまでリヤドから離れたことがないとも明らかにした。

世界保健機関(WHO)は9月、新型ウイルスについての国際的な警戒を呼び掛けたが、その後、ヒトからヒトには容易に感染しないとの見方を示した。

【REUTERS】

中国1月~9月レアアース輸出量前年比11.5%下落、年間輸出配分量の33%にも満たない。

2012/10/26

中国税関の調べによると1~9月のレアアース鉱石、金属及び化合物の輸出量は年間輸出配分量30966トンの3分の一に満たないそうだ。原因は世界的にレアアース需要が減っているからだ。確かに中国は世界のレアアース供給において主導的立ち位置に置かれているが、需要より供給が大きい状況から過去1年あまりレアアース価格は大幅に下落している。
中国税関統計問い合わせサービスセンターは10月25日、9月のレアアース鉱石、金属及び化合物輸出量1637トン、8月より14.8%減、1~9月レアアース鉱石、金属及び化合物の輸出量9967トン、前年比11.5%減と発表した。1~9月輸出額は前年比61.5%、7.023億ドル。今年の年間レアアース輸出量は10000トン前後を予測しており、過去10年間で最低水準になりそうだ。


中国包鋼稀土、レアアースの一部生産を1カ月間停止へ

2012/10/24

レアアース(希土類)価格が急落するなか、中国最大のレアアース生産企業である包鋼稀土高科技<600111.SS>は23日、価格を安定させるため一部生産を1カ月間停止することを明らかにした。

上海証券取引所に提出した文書で「景気減速に伴い年後半にレアアース需要が減退しており、持続的な価格下落を引き起こしている」とした上で「市場の安定と需給バランスに向け、10月23日から一定部門における製錬・分離作業を停止する」と述べた。

世界的な需要減退を背景に、主要レアアース17品目の中国国内価格は年初以降50%程度急落。包鋼稀土の第3・四半期決算は純利益が約9割落ち込んだ。

【REUTERS】

運転手の不審死で1万人暴動=警察車両燃やされる―中国四川省

2012/10/18

中国四川省瀘州市で17日夜、トラック運転手の不審死をめぐり住民約1万人が警察に抗議し、暴動に発展した。中国メディアによると、同市幹部は18日記者会見を開き、7台の警察車両がひっくり返され、燃やされた車両もあったが、死者はいなかったと発表。警察当局は20人を連行したとしている。
 市当局によれば、トラック運転手が駐停車禁止場所に車を止めたため、交通渋滞が発生した。警官が車を動かすよう要求したが、運転手が抵抗し、もみ合いになった。その後運転手が突然、体の不調を訴え、「車に薬がある」と言ったため、薬を飲ませたが、死亡した。 

【時事通信】

<中国>成長7.4%、減速続く…7~9月、目標下回る

2012/10/18

中国国家統計局が18日発表した12年7~9月期の国内総生産(GDP)の実質成長率(速報値)は、前年同期比7.4%と、7四半期連続で鈍化した。中国政府が雇用確保のために必要としていた8%を2四半期連続で割り込み、3月に下方修正した政府目標の7.5%にも届かなかった。欧州債務危機による輸出の減速や国内消費の低迷が響いた。中国の成長鈍化が長引けば、世界経済の先行きに大きな影響を与えることになる。
 これまで成長の原動力となってきた輸出は9月、9.9%増と単月では過去最高を記録したものの、最大の貿易相手である欧州連合(EU)向けが10.7%減となった。1~9月の輸出の伸び率は7.4%増と今年の政府目標(10%増)を大きく下回っている。

 内需も力強さを欠いている。9月の新車販売台数は1.8%減と今年1月以来、8カ月ぶりに減少。1月の落ち込みは、旧正月の連休が前年の2月から移ってきたためで、その影響を除けば、昨年11月以来の前年実績割れとなる。

 中国政府は実質GDP成長率の目標を11年まで7年連続で8%に設定。実際には、9~14%台と目標を大きく上回る成長を達成していた。12年の目標は今年3月、7・5%に引き下げられたが、成長率の実績は4~6月期(7.6%)からさらに鈍化。リーマン・ショック後の09年以来の低水準で、12年の成長率が目標ぎりぎりまで落ち込む可能性も出てきた。

 景気減速を受け、中国政府は9月、鉄道や港湾整備、高速道路など、総額1兆元(約13兆円)規模の公共事業計画を認めたと発表した。08年のリーマン・ショック後に行われた4兆元(約52兆円)の経済対策以来の大型投資で、景気を下支えする姿勢をアピールするのが狙いだが、内需の刺激効果が出るまでには時間がかかりそうだ。

 ◇解説…輸出低迷、景気対策遅れ

 中国の景気減速が長引いている。輸出の低迷と景気対策の遅れによる内需冷え込みが要因だ。沖縄県・尖閣諸島問題に伴う経済関係の悪化も景気を下押ししかねず、経済大国・中国を取り巻く環境は厳しさを増している。

 市場ではもともと「政府が積極的に景気刺激に取り組み、4~6月期を底に成長率を回復させる」(アナリスト)との見方が多かった。だが、総額1兆元の公共投資を認可する方針の表明は9月で、効果は未知数。中国人民銀行(中央銀行)も7月に追加利下げを行って以降、金融緩和に踏み切っていない。

 背景には、08年のリーマン・ショック後に行った4兆元の景気対策が不動産バブルを招いたことへの反省がある。温家宝首相は今月12~15日に開かれた経済座談会で「経済成長は基本的に安定に向かっている」と指摘。「予算の範囲を超えて景気刺激策を講じたことはない」と、大がかりな追加景気対策への期待をけん制した。

 一方、輸出が回復する兆しは見えず、大手製鉄会社が減産を始めるなど国内の生産に影響は波及。日本製品不買の動きを受けた日本車の販売不振は、自動車市場全体の足を引っ張っている。トヨタ自動車など日系メーカーが中国国内で減産を決め、反日機運が消費や生産を脅かそうとしている。11月の共産党大会で発足する新指導部は景気の下支えとバブル警戒の両立という難しいかじ取りを迫られることになる。

【毎日新聞】

中国フォックスコン工場でスト、「iPhone5」生産停止=権利団体

2012/10/06

中国河南省鄭州市で5日、台湾の精密機器メーカー鴻海精密工業傘下の富士康科技集団(フォックスコン・テクロノジー・グループ)の工場従業員が、大規模なストライキに突入した。権利団体のチャイナ・レーバー・ウォッチが明らかにした。

同団体によると、ストには3000─4000人が参加し、米アップル<AAPL.O>の「iPhone5」の生産ラインがまひしている状態だという。スト参加者らは、過度の品質管理に加え、大型連休中も労働を要求されることに対して反発している。

ストの状況は確認できておらず、現在も生産が中断しているかどうかも不明。アップルはコメントを差し控えており、フォックスコンの広報担当者は事実関係を調査中とした。

【Reuters】

レアアース「もっと調達して」中国業者懇願 2年前と状況変化

2012/10/05

リスク対処 「やればできる」日本企業
 中国の“世論”が日本に対する経済制裁措置としてレアアース(希土類)の輸出規制に乗り出すよう政府に迫っている。中国メディアは、2010年9月の中国漁船衝突事件後の輸出規制で日本の産業界が右往左往した経緯を挙げ、あおっている。 だが、ことレアアースに関して輸出規制に踏み出せるかどうか微妙な情勢だ。状況が2年前とは一変しているからだ。
 安価な中国産レアアースに頼り切っていた日本の産業界だったが、2年前のチャイナリスクへの反省から足腰を鍛えた。対中依存度を引き下げようと日本企業は、レアアースを使わない製品やレアアースのリサイクル技術を続々と開発した。この結果、中国の対日レアアース輸出量は11年に前年比34%減となり、今年も大幅な減少傾向にある。日本企業も「やればできる」ことを証明した。しかもオーストラリアなどからの供給が本格化し、中国産の需要はますます減っている。
 国際社会の監視も厳しい。世界貿易機関(WTO)は、中国のレアアース輸出制限措置をめぐる日米欧の提訴を受け、8月に調査の開始を決定。直後に訪中したメルケル独首相に温家宝首相は、レアアースの輸出抑制は行わないと言明している。
 中国は今年のレアアース輸出枠を昨年比横ばいの3万966トンに設定したが、業界関係者は「輸出量は枠に達しない可能性もある」とみる。欧州債務危機を背景に欧米への輸出が振るわず、中国の今年上期のレアアース輸出総量は43%も減少した。中国のレアアース業界は軒並み大幅に減益している。輸出不振に加え、国内での過剰生産と在庫増大によるレアアースの価格下落も、中国にとっては大きな“誤算”だった。
 新華社電によると、レアアースの主要産地の一つである江西省では9月、省エネ車の高性能モーターなどの製造に欠かせない酸化ジスプロシウムの価格が1トン当たり300万元(約3720万円)と、昨年のピーク時に比べて3分の1に急落。強力磁石の原料となる酸化ネオジムも今年3月につけた1トン=58万元をピークに、9月は36万元まで38%近く下落している。
 中国国内の業者は在庫を解消しようと、減産や生産停止に追い込まれている。山西省の大手ネオジム磁石メーカーの場合、工場の稼働率はピーク時の6割減という。業界関係者によると、中国の業者は「日本企業にもっとレアアースを調達してもらいたい」などと取引拡大を懇願してきているという。
 こうした状況下で中国政府が対日経済制裁として輸出規制に踏み切れば、日本を有力な輸出先とする中国企業が逆に打撃を被る。WTOによる調査も進む中で、「対抗措置の手段にレアアースを利用すれば中国は再び国際的な非難を浴びる」(日中関係筋)のは確実だ。中国がチラつかせる“切り札”にどう対処すべきか。日本はレアアース問題で、いい経験も積んだ。
[msn.産経ニュース]

<レアアース>中国規制せず…日本の調達先分散で効果薄れ

2012/10/05

家電製品やエコカーなどの素材として重要な資源である「レアアース」。日本への最大の供給元の中国は、10年の沖縄県・尖閣諸島沖漁船衝突事件で、対抗措置として対日輸出を規制したが、今回はレアアースというカードを切っていない。中国は00年代に世界の供給量の大半を握っていたが、大口需要家の日本企業などが代替品の開発や調達先の分散を進めた結果、需給バランスが変化し、輸出が減少したことが背景にある。今後の中国の対応が注目される。
日本はレアアースの調達先の多様化を進めた結果、中国への依存度は確実に低下している。輸入に占める中国産の割合は10年に8割超だったが、今年1~6月は5割を切った。代替品の活用などで全体の輸入量も減っており、今年1~6月は一昨年の半分以下。中国の輸出規制で昨年夏に急騰した価格も、今年夏にはピークから7割程度低下した。

 日本の残る課題はレアアースの中でも希少性が高い「重希土類」と呼ばれる分野の確保だ。なかでもハイブリッド車(HV)などに使われる「ジスプロシウム」は今も圧倒的に生産量の多い中国産に9割超を頼る。ジスプロシウムについても住友商事がカザフスタンでウラン採掘の残存物から回収する事業に着手したほか、三菱マテリアルがHVの廃車からの回収を始める方針だが、本格的な調達には時間がかかりそうだ。

 一方、中国政府は8月22日、レアアースの輸出枠を前年比約2・7%増やすと発表した。しかし中国メディアによると、11年の輸出実績は輸出枠の6割程度にとどまる。今年1~6月も前年同期比で約4割減少しており、実際には輸出枠に余裕がある。日米と欧州連合(EU)が今年6月、中国がレアアースに輸出枠を設定するのは世界貿易機関(WTO)協定に違反しているとして、中国をWTOに提訴しており、輸出枠拡大はこれらの国際的な批判をかわす狙いがあると見られている。

 さらに中国政府はレアアース業界の管理強化を進めている。今年4月に業界団体を設立したほか、8月6日には採掘・精錬事業への参入規制を発表。資本規模などをクリアできない約3分の1の採掘企業と、約半分の精錬企業が整理される見込みだ。また、9月13日には、レアアースの試掘権・採掘権リストを公表。採掘権の発行数を113件から67件に大幅に減らした。採掘・精錬を大手企業に集約することで政府が生産量を調整し、戦略物資としてレアアースをコントロールする考えのようだ。

 流通量が少ないレアメタル(希少金属)の一種で、ジスプロシウムやネオジムなど性質の近い17種類の金属元素の総称。日本企業が技術的優位性を持つハイテク製品に多用している。世界の広範囲に分布する「軽希土類」と偏在性の高い「重希土類」に大別される。軽希土類は研磨剤や触媒、蛍光体などに使われ、各地で開発が進めば供給源の多様化につながるとされる。だがハイブリッド車のモーターなどの高性能磁石に使用する重希土類は偏在性が高く、現時点で十分に生産できる量が確認されているのは中国だけ。日本政府は中国の輸出規制を懸念し、代替素材開発を進める企業などに補助金を交付するなど使用量削減に向けた動きを加速させている。

【毎日新聞】

新型ウイルス感染で男性重体=SARSに似た症状―英

2012/09/25

世界保健機関(WHO)は24日、カタール人の男性(49)が新型肺炎(SARS)に似た症状を発症して重体に陥り、ロンドンの病院で治療を受けていると発表した。
 WHOによると、男性は急性呼吸器感染症と腎不全の症状を訴えているが、SARSとは別のコロナウイルス系の新型ウイルスによる感染と確認された。

【時事通信】

中国レアアース業界の淘汰も本格化

2012/09/24

SHANGHAI(MRB.ne.jp)2012-09-10,中国政府がレアアースを採掘・製錬企業に対し9月30日までに提出させるよう要求している書類であるが、業界淘汰のための工業情報化部がこれを元に査定するためのものであるという。業界内では、江西、内蒙古、四川などは30-40%の採掘生産能力がこの基準に満たず、全国でも3割以上がそうであろうとみている。
現状では、中国国内に23の鉱山企業と99の製練企業があり、レアアース年間生産能力は32万㌧、世界需要の12万㌧よりかなり大きいため国際市場の価格決定権が弱い。国外バイヤーのルートを絞り込むことでメーカー間の過当競争を避け市況の乱高下を防ぐことが願われているようだ。
[Metal Research Bureau]

<中国>国交正常化40周年式典「中止」 日本に伝達

2012/09/24

中国の対日友好団体「中日友好協会」(会長・唐家?前国務委員)などは23日、日中国交正常化40周年(今月29日)を記念して北京の人民大会堂で27日に開催する予定だった式典を中止する方針を日本側に伝えた。日本政府による沖縄県・尖閣諸島(中国名・釣魚島)国有化に対する中国側の対抗措置。重要な節目の式典が開催されなくなったことで、日中の関係悪化の長期化は避けられない事態となった。10年ごとに行われている記念式典の中止は、国交正常化以降初めて。

 国営新華社通信(英語版)は23日、式典について「適切な時期に開催することで調整する」と伝える一方、「島の不法な購入が中日関係に損害を与えた」との担当者の発言も報じた。今回の措置は、国有化を巡る日本側の対応に変化が見られないことへの中国側の強い不満が背景にあるとみられる。

 中国では国有化に対する大規模抗議デモが各地で発生。当局は抑え込みを図りつつ、日本への弱腰批判を避けるために強硬姿勢も維持する必要がある。

 日中関係筋によると、23日の昼間に、中国当局から式典の関係団体に中止の意向が伝えられた。別の関係者によると、東京の中国大使館からも同日午前、日本の友好団体に「27日は取りやめとなった」と連絡が来た。ただ、日本の友好団体幹部が訪中した際には、中日友好協会の唐会長が会談に応じるとした。日本の交流団体「日中友好協会」(会長・加藤紘一自民党元幹事長)などの幹部は、予定通り訪中する方向で調整している。

 一方、25日から訪中団を派遣する日中経済協会(会長・張富士夫トヨタ自動車会長)も23日、中日友好協会から式典中止の連絡を受けた。経済協会訪中団は当初、約170人規模で22~28日に上海、山西省、北京などを訪問する予定だったが日程を短縮。団員数も約20人に減らし、北京だけの訪問に規模を縮小していた。北京では商務省などを訪問する予定だが、中国側から訪問中止の要請などはないため訪中する。

 今回の式典は今年の日中交流事業の最大行事と位置づけられていた。10年前の2002年には、小泉純一郎首相の靖国神社参拝が問題になっていたものの、9月28日夜に北京の人民大会堂で30周年式典が開かれ、江沢民国家主席が出席したほか、式典に先立ち胡錦濤国家副主席、温家宝副首相(いずれも当時)らが橋本龍太郎元首相と会談している。今回も中国側は数日前、予定通り実施する旨を日本側に通知していたが、中国側は一転して中止を決めた。

【毎日新聞】

<ジェトロ>中国通関の厳格化、6地域で 調査結果発表

2012/09/22

日本貿易振興機構(ジェトロ)は22日、日本の輸出入品に対する中国の通関検査の調査結果を発表した。現地の日本企業への聞き取りなどをもとに20日時点の状況をまとめたところ、北京や上海など11地域のうち6地域で、検査が厳しくなっているとの情報が寄せられた。日本の尖閣諸島国有化に対する経済制裁の可能性もあり、物流が停滞しないよう、ジェトロは引き続き調査する。

 11地域いずれも、通関作業自体は行われているが、北京、天津、青島、上海など6地域で検査が厳格化されているとの報告があった。日本企業によると「検査率が上昇した」(北京)、「書類チェックが厳しくなっている」(青島)、「特定の品目で日本からの輸入品が全量検査の対象となっている」(上海)などの傾向が見られるという。

 中国では税関当局が一部の日本企業に「検査率を上げる」と通告したり、時間のかかる全量検査を実施したりする事態へと発展。領土問題をめぐる経済制裁の可能性もあるが、「組織的にやっている証拠がなく、経済制裁と断言できる状況にない」(ジェトロ関係者)のが実態だ。

【毎日新聞】

日本の貨物、輸入検査強化=中国、尖閣国有化に対抗か―情報収集と確認急ぐ・経産省

2012/09/21

中国各地の税関当局が、日本から輸入される海運貨物の通関検査を厳しく行う動きが広がっていることが20日、複数の貿易関係筋の話で明らかになった。日本政府による沖縄県・尖閣諸島(中国名・釣魚島)国有化への報復措置とみられる。日本の経済産業省も、通関手続きの一部で通常より時間がかかっているとの話を入手しており、情報収集や事実関係の確認を急いでいる。
 中国の税関での検査強化の情報が聞かれるようになったのは、国有化案が浮上した8月以降。日本貿易振興機構(ジェトロ)によると、上海港では品目によって全量検査が行われ、天津港でもここ数日、検査比率が引き上げられたとの報告が相次いでいる。一方、航空貨物には現時点で変化は見られないという。
 経産省は、通関手続きの遅延情報について「今のところ散発的で、全土で起きているわけではない」(関係者)と説明。中国では例年、10月1日の国慶節(建国記念日)が近づくと通関に時間がかかる傾向があるため、例年と明らかに異なる点がないか慎重に見極める方針だ。 

【時事通信】

レアアース、対日禁輸検討 香港紙報道 中国、強硬姿勢崩さず

2012/09/20

中国政府は、日本政府による沖縄県・尖閣諸島の国有化に反発する反日デモが拡大するなか、デモ隊による過激な活動の沈静化を図っている。この一方、日本政府に対しては強硬姿勢を崩さず、国有化を撤回しなければ一段の措置を取るなどと警告した。香港紙は、中国政府が対日制裁としてレアアース(希土類)の対日禁輸を検討していると報じた。
 反日デモにより日中関係の緊張が高まり、アジアの経済大国である両国が世界的な景気下降に対応する余地が狭まりかねない。中国は、水面下で進められている10年に1回の指導部交代や、重慶市トップの共産党委員会書記を務めた薄煕来氏失脚などの問題を抱えている。
 陝西省西安当局はウェブサイトで、市内の一部地域での違法な抗議行動を禁止すると発表。「国益という名の下での破壊行為は認められない」とした。広東省広州では16日に、日本車への破壊行為で容疑者7人が拘束された。
 中国外務省の洪磊報道官は17日、「中国は法治国家であり、外国市民とその資産を守る。中国国民にも、冷静さを取り戻し重要な要求は法律に従って行うよう求める」と語った。
 この一方、同報道官は18日に複数の日本人が尖閣諸島に上陸したことについて「深刻な挑発行為」とする声明を発表。日本政府に対し説明を求めるとともに、「中国は一段の措置を講じる権利を有する」と、対抗策を打ち出す可能性を示唆した。
また、梁光烈国防相も18日の記者会見で「中国には尖閣諸島についてさらなる行動を取る権利がある」と発言した。
 こうしたなか、香港紙、香港信報は、中国本土の状況に詳しい関係者の情報として、中国政府は対日経済制裁を準備しており、日本政府が尖閣諸島国有化を撤回しなければ、レアアースの輸出を禁止する可能性があると報じた。同紙によると、関係者は「野田佳彦首相がこの問題について国連で発言すれば、我慢の限界に達するだろう」と指摘としたという。これを受け、広晟有色金属、中国アルミ、内蒙古包鋼稀土高科技など中国のレアアース関連企業の株価は18日、軒並み下落した。
 中国は2010年秋の尖閣諸島付近で中国漁船による衝突事件を機にレアアースの輸出規制を実施。今年3月に日米と欧州連合(EU)は世界貿易機関(WTO)協定に違反しているとして訴えを起こしている。[SankeiBiz]