鳥インフル 渡り鳥の北上で警戒強まる
2017/03/03
渡り鳥が越冬を終えて北上する時期になり、鳥インフルエンザの再流行が懸念されています。
先月26日、全羅南道(チョンラナムド)康津(カンジン)郡のアヒル飼育農家で感染が確認された鳥インフルエンザウイルスは、精密検査の結果、H5N8型の高病原性鳥インフルエンザウイルスであることが、28日、わかりました。
すでに、全羅南道海南(ヘナム)、全羅北道(チョンラブクド)金堤(キムジェ)など全国7の市、郡でも同じウイルスが検出されていて、この冬流行したH5N6型に続いて、先月からはH5N8型が広がっています。
2014年と2015年にも、このウイルスが広がり、全羅南道の農家190か所の鶏とアヒル379万羽が殺処分されました。
このウイルスは、症状が比較的遅く現れるため、感染が確認された農家のほとんどでは、農家による届出ではなく、出荷前や全数検査の段階で感染が確認されました。
防疫当局は、全羅南道に続いて、忠清南道(チュンチョンナムド)、京畿道(キョンギド)などにも移動停止命令を出す一方、渡り鳥が越冬を終えて北上する時期になったことから、鳥インフルエンザの再流行を防ぐための対策に乗り出しています。
【KBS WORLD Radio News】
鳥インフル感染「ピークを越えた」 WHO
2017/03/02
突然変異で治療薬タミフルへの抵抗性を持つウイルスも確認されたが、当局者は「絶え間ない変異がインフルエンザウイルスの特徴」であり、過去と比較して数も多くないことから特に懸念していないとした。
また、人から人への感染例も報告されておらず、現時点でそのリスクも低いと強調した。
当局者によると、昨年10月以降、中国当局からWHOに検査で最終的に確認されたと報告があった感染者数は計460人。
【産経ニュース】
各務原の野鳥は高病原性が確定 鳥インフル
2017/03/02
岐阜県各務原市で見つかった野鳥のハヤブサの死骸から鳥インフルエンザウイルスの陽性反応が出た問題で、県は1日、確定検査の結果、高病原性鳥インフルエンザウイルス(H5N6亜型)を検出したと発表した。県内で今冬、高病原性が確定したのは山県市の養鶏場の鶏に続き2例目。
環境省は死骸から陽性反応が出た2月24日、岐阜、愛知両県の計12市町を含む半径10キロ圏内を野鳥監視重点区域に指定。両県の調べでは1日までに、不審な死に方をした野鳥はいない。また同圏内にある養鶏農家21戸(飼養羽数29万羽)でも異常は確認されていない。
同省は今後、緊急調査チームを派遣し周辺で異常がないか調べる。異常がなければ、監視重点区域の指定を4月11日午前0時に解除する。
【中日新聞】
鳥インフル 鶏肉加工最大手「ハリム」の養鶏農場でも
2017/03/01
韓国の鶏肉加工最大手の「ハリム」が運営する養鶏農場で、鳥インフルエンザウイルスが検出され、防疫当局が緊急措置に乗り出しました。
鳥インフルエンザウイルスへの感染が確認されたのは、全羅北道(チョンラブクド)益山(イクサン)市の養鶏農場で、韓国の鶏肉加工最大手の「ハリム」が運営する農場です。
防疫当局は、この農場で飼育していた採卵鶏6万5000羽を殺処分しました。
また、この農場から10キロ以内にある農場52か所で飼育している鶏やアヒル165万羽の移動を制限するなど、緊急措置を取りました。
【KBS WORLD radio】
那須塩原市板室で回収されたオシドリにおける高病原性鳥インフルエンザウイルス確定検査の結果について
2017/03/01
1 経緯
(2月20日)
・死亡したオシドリ1羽を回収
・県北家畜保健衛生所で簡易検査を実施し、A型インフルエンザウイルス陽性を確認
・野鳥発見場所から半径10km以内の家きんの飼養者に対する調査を実施したところ、異常家きんは認められず
・鳥取大学に検体を送付し、確定検査を依頼
(2月27日)
・確定検査の結果について、環境省から連絡
2 検査結果
鳥取大学による確定検査の結果、H5N6亜型の高病原性鳥インフルエンザウイルスを確認
3 今後の対応
現在の対応を引き続き継続(相談窓口の設置、監視の強化)
4 留意事項
鳥インフルエンザウイルスは、感染した鳥との濃密な接触等の特殊な場合を除いて、通常では人には感染しないと考えられています。日常生活においては、鳥の排泄物等に触れた後には手洗いとうがいをしていただければ、過度に心配する必要はありませんので、冷静な行動をお願いします。
なお、死亡野鳥又は衰弱した野鳥を発見した場合は、素手で触らず、電話相談窓口に御連絡ください。
【栃木県】
鳥インフルエンザウイルス H7N9型に感染で初の台湾人死者
2017/03/01
中国大陸で鳥インフルエンザウイルス(H7N9型)に感染し、今月1日から台湾の病院で治療を続けていた中華民国(台湾)籍の男性(69)が27日、多臓器不全のため死亡したことが分かった。衛生福利部疾病管制署の羅一鈞副署長が28日発表した。
台湾では2013年4月に初めて同型ウイルスの感染者が確認されて以来、5人目の感染者(うち2人は中国大陸籍)で、中華民国籍者としては初の死亡例となる。
この男性は今年1月下旬、出張先の中国大陸・広東省で発熱などの症状を起こし台湾に戻った。今月4日に感染が確認されてからは、日本の新型治療薬などが投与されたが、病状は好転しなかった。
【livedoor】
スペインの家きん肉等輸入停止 鳥インフルで 農水省は2月24日、スペインからの家きん肉などの輸入停止措置を発表
2017/03/01
同日、スペインのアヒル農場で高病原性インフルエンザ(H5N8亜型)の発生が確認されたことが、同国の家畜衛生当局から国際獣疫事務局に通報があった。
これを受け、同日スペインからの家きん肉の輸入を停止した。
なお、同国からの家きん肉等の輸入実績は、2016年が家きん肉等37t、家きんの臓器等64t、家きんの卵4tとなっている。
【農業協同組合新聞】
防鳥ネット設置始める インフル対策 /兵庫
2017/03/01
「飼育下コウノトリ高病原性鳥インフルエンザ対策マニュアル」の対応レベルを「3」にしている県立コウノトリの郷公園(豊岡市祥雲寺)は27日、非公開エリアで防鳥ネットの設置工事を始めた。郷公園の飼育ケージ14基と、付属飼育施設のコウノトリ保護増殖センター(豊岡市野上)の飼育ケージ9基が対象で、工事は3月末までかかるという。
工事は市内の業者に発注した。マニュアル上の「対応レベル3」で行う防疫対策の一環として行う。網目が縦横それぞれ約2センチのネットをケージ側面に張ることで、ケージ内に小鳥や小動物が入ってこられないようにするのが目的。
郷公園は1月にも「対応レベル3」で行う対策として、郷公園の飼育ケージ13基とコウノトリ保護増殖センターの飼育ケージ9基を対象に、天井をシートで覆う工事を行っている。
【毎日新聞】鳥インフル対策で生きた家禽販売禁止の広州、闇市で購入する市民が後を絶たず―香港紙
2017/03/01
2017年2月27日、香港紙サウスチャイナ・モーニング・ポストによると、広東省広州市では2015年から販売禁止された生きた家禽(かきん)の闇市が活況を呈しているという。
広州市では2015年に生きた家禽類の販売が禁止され、市場では食肉処理場で処分して冷凍された鶏肉しか販売することができなくなったが、地元の人たちは大いにうんざりしているようだ。
生きた家禽の販売を禁止した目的は、鳥インフルエンザウイルスの拡散を防ぐためだ。今年1月以降、中国国内ではH7N9型鳥インフルエンザウイルスによって少なくとも94人が死亡している。しかし、広州では闇市が依然活況を呈し、消費者が違法商品を買うリスクを冒しているという。
現地のある主婦は、週末のごちそうの材料を求めて市場の近くにやってきたが、市場の食肉店には見向きもせず、近くの路地で生きた鶏をその場でさばいて売る業者を探し求めた。闇市に健康リスクがあることは承知の上だという。主婦は「路地はいつも汚れていて、内臓や羽根が散らばっている。ここにあまり衛生さを求めてはいけない。でも私たちは普通、欲しい鶏を指さして注文し、店の人がさばいてくれたものを受け取りに来る。触らない限りは大丈夫」と語っている。
【ニフティニュース】
鳥インフル:佐賀・江北町の養鶏農場、終息
2017/02/28
インフルエンザが発生した養鶏農場では殺処分した鶏約7万700羽と卵約76万7000個などが埋却され、2月6日に防疫措置を完了した。その後は新たな感染が確認されず、21日に発生農場から半径3~10キロ圏の搬出制限を解除していた。
【ニフティニュース】
宇佐市の鳥インフル監視重点区域を解除
2017/02/28
県は27日、野鳥から高病原性鳥インフルエンザウイルスが検出された宇佐市内で、環境省が指定していた野鳥監視重点区域が同日午前0時で解除されたと発表した。
宇佐市内で1月12日に回収されたノスリ(タカの一種)の死骸からウイルスが検出され、同省が回収場所の周囲10キロを重点区域に指定。
死骸や感染リスクの高い野鳥の状況調査などをしていたが、異常は見られなかったという。
【大分合同新聞】
鳥インフル 瓢湖周辺立ち入り規制解除
2017/02/28
瓢湖で回収されたコハクチョウの死骸から鳥インフルエンザの陽性反応が確認され、同市は昨年12月2日から湖に近い園路を立ち入り禁止にしていた。
ハクチョウの飛来地として知られる瓢湖への飛来数は24日現在、2094羽。市商工観光課は「水際に近づくことができるようになったので、観察を楽しんでほしい」としている。
【読売新聞】
日本政府、UNICEFへ3330万米ドルの緊急支援を決定
2017/02/28
日本政府からの3,330万米ドルの緊急人道支援により、UNICEFはナイジェリアとチャド湖周辺地域において子どもたちをポリオから守り、感染拡大を防ぐための活動を行います。
同地域にてポリオの感染拡大を迅速に止める必要が生じたことを受けて、日本政府は、ナイジェリア、チャド、ニジェール、カメルーン、中央アフリカにおけるポリオワクチンの購入、戸別訪問によりワクチン接種を行うポリオキャンペーンの展開、コミュニティでワクチン接種活動を促進するための啓発活動を支援するため、補正予算からの支援の拠出を決定しました。
ナイジェリアでは、ボルノ州での紛争から逃れる人々の大規模な移動にともない、2016年8月、同国北東部にて野生型ポリオウイルスの患染者が再発生しました。各国政府は、世界保健機関(WHO)、UNICEF、国際ロータリー、米国疾病対策センター(CDC)、ビル&メリンダ・ゲイツ財団から成る世界ポリオ根絶推進活動(GPEI)と協力し、当該地域一帯において、子どものポリオウイルスへの免疫力向上と感染拡大防止に早急に対応するため、緊急ワクチン接種キャンペーンを実施しました。
UNICEFニューヨーク本部ポリオ・チームディレクターのレザ・ホッサイニは、今回の支援により緊急ニーズへ対応することが可能となったと述べました。「今回の新たなご支援は一番必要とされているタイミングで行われ、現在展開中のポリオワクチン接種キャンペーンを支援するとともに、アフリカから完全にポリオを根絶する絶好のチャンスを提供してくれます。これらのキャンペーンは、ナイジェリア北東部にてポリオ伝播を止めるだけでなく、近隣諸国へのポリオウイルス拡大を防ぐことも目的としています。」
日本はポリオ根絶推進活動およびグローバルヘルスの分野において最大のドナー国の一つであり、2002年以来ポリオ根絶のため、UNICEFを通して合計3億3,300万米ドル以上の支援を行っています。
今回の寛大な支援や、アフリカ開発会議(TICAD)のプロセスおよびポリオ根絶のための国際協力機構(JICA)の円借款を通じた日本のリーダーシップが、地球上での野生型ポリオウイルス伝播の歴史的減少において大きな助けになっています。世界は今、天然痘に次いで史上2番目となる感染症の根絶を実現できるかどうかの瀬戸際に立っています。
2016年、世界における野生株ポリオウイルスによるポリオ症例数は、ナイジェリア、パキスタン、アフガニスタンの3つのポリオ常在国で37件のみでした。今年は、2月16日時点で世界でアフガニスタンの2件だけです。しかし、ついにポリオを根絶できる機会が現実となろうとしている一方で、リスクも残っています。感染している子どもが一人でもいる限り、すべての子どもが危険な状態に置かれていることになるのです。ウイルスを完全に根絶するまで、すべての国がポリオに対する高い抵抗力を維持し続けることが重要です。
■ ユニセフについて
ユニセフ(UNICEF:国際連合児童基金)は、すべての子どもの権利と健やかな成長を促進するために活動する国連機関です。現在190の国と地域※で、多くのパートナーと協力し、その理念を様々な形で具体的な行動に移しています。特に、最も困難な立場にある子どもたちへの支援に重点を置きながら、世界中のあらゆる場所で、すべての子どもたちのために活動しています。(www.unicef.org)
※ユニセフ国内委員会(ユニセフ協会)が活動する34の国と地域を含みます
※ユニセフの活動資金は、すべて個人や企業・団体からの募金や各国政府からの任意拠出金で支えられています。
【時事通信】
ロタウイルス人工合成 乳幼児の下痢・発熱の原因、阪大チーム
2017/02/28
遺伝子を改変して、増殖しにくいロタウイルスの作製にも成功しており、新たなワクチン開発につながる可能性がある。
ロタウイルスは強い感染力を持ち、5歳までのほぼ全ての子供が感染するとされる。重症化すると死亡するケースもあり、病原性が低下したウイルスを投与して免疫反応を誘導するワクチンは既に普及している。
小林准教授によると、遺伝子からさまざまなウイルスを人工合成する手法は研究が進んでいるが、複雑なゲノム構造を持つロタウイルスでは確立されていなかった。
チームはロタウイルスの遺伝子に、ウイルスの増殖を促すタンパク質や酵素を加えて4、5日培養し、ロタウイルスが合成されたことを確認した。ウイルスが増える詳細な仕組みの解明にも役立つことが期待されるという。
【日本経済新聞】
今後15年以内に、バイオテロにより3,000万人が犠牲になる。ビル・ゲイツが未来予測
2017/02/27
ドナルド・トランプ大統領は核の発射コードを知っているかもしれないが、この世にはもっと恐ろしいものがある。
ビル・ゲイツ氏によると、バイオテロが起きればそれ以上の犠牲者が出るそうだ。
ミュンヘン・セキュリティ・カンファレンスで同氏は、「保健安全保障と国際安全保障」に世界はもっと注意を払うべきだと警告した。
ゲイツ氏が懸念するのは、テロリストの手で感染力や毒性が上げられたウイルスが世界で大流行してしまう可能性だ。
ゲイツ氏はこう語る。
自然のきまぐれであろうと、テロリストによる人為的なものであろうと、もし発生すれば、すばやく空気中を拡散する病原菌なら1年足らずで3,000万人の命を奪うと専門家は話しています。また彼らは、今後10~15年でそうしたアウトブレイクが起きる確率は相当高いとも話しています。
21世紀において、感染症の大流行は稀ではあったが、決してないわけではなかった。2009年にはH1N1亜型インフルエンザが世界的に大流行し、2010年になってようやくWTOが終結を宣言した。しかしゲイツ氏は安心している場合ではないと主張する。自然、人為的の別を問わず、診断の計画制度や迅速なワクチン開発が感染の拡大を防ぐ鍵になる。
そうした規模の大災害を想像することは難しいですが、そう遠くない昔に起きています。1918年、非常に伝染力と毒性が強いインフルエンザが流行し、5,000万~1億人が犠牲になりました」
「エボラのような病原菌が都市部に入り込んでしまった場合に発生する社会的・経済的混乱について、きちんと考慮しておくべきでしょう」
バイオテロリズムと世界的大流行の問題は、このところゲイツ氏の懸念事項となっている。
彼は1月にダボスで開かれた世界経済フォーラムでも、防止対策に取り組むよう政府を促している。
2015年、西アフリカで発生したエボラの大流行の最中、ビル・アンド・メリンダ・ゲイツ財団は、世界が感染力の強い病気と闘う準備ができていないと訴えかけた。「実のところ、1,000万人以上の犠牲者が出るような事態の中でも、群を抜いて現実になる可能性が高いのが、自然あるいは人為的な感染症の大流行です」
無論、ゲイツ氏は、彼の心配を杞憂で終わらせるためにその富を投じている。
ビル・アンド・メリンダ・ゲイツ財団は、マラリアなどの感染症研究に資金を提供し、感染症流行対策イノベーション連合(Coalition for Epidemic Preparedness Innovations/CEPI)にも投資した。CEPIは、エボラやSARSといった感染症に対して、素早くかつ安価にワクチンを開発することを目的に掲げる組織である。
【エキサイトニュース】
ノロウイルス(下)「検査で陰性だから仕事へ」には注意
2017/02/27
しかし、病院に行ってそのことを話しても、ほとんどの場合、検査に公的医療保険が適用されません。
ノロウイルスの検査には迅速診断キットと呼ばれる検査法がありますが、保険が適用されるのは、「3歳未満の乳幼児、65歳以上の高齢者、がん患者や臓器移植を受けた患者、免疫抑制剤を投与中の患者などで、ノロウイルス感染が疑われる」場合に限られます。
保険がきかなくてもやって欲しいという人は、病院にもよりますが5千円程度で検査を受けることはできます。しかし、私には一般の人があえてこの検査を受けることを勧められません。その理由は、「検査結果がたとえ陰性でも、ノロウイルス感染を否定することはできない」からです。
すべての検査には「感度」というものがあります。ノロウイルスの迅速診断キットの感度は約92%です。これは、「100人のノロウイルス感染者のうち約8人は検査結果が陰性となってしまう」ことを意味します。検査の感度は、実施のタイミングによっても変わるので、現実には感度はもっと低い数字になると思います。
したがって、あなたが医療機関や食品を扱う業界などで働いている場合、症状があるのに、「病院の検査で陰性だったから」と言って普通に仕事をすることは非常に危険な行為なのです。迅速診断キットより精度の高い遺伝子検査もありますが、すぐには結果が出ません。しかも、自費だと何万円もかかるので、下痢をするたびにその検査を受けるのは現実的ではありませんし、個人で費用を負担すべきものでもないと思います。
判断は難しく勇気もいることですが、医療や食品関係の仕事に関わる人はとくに、「症状があり、ノロウイルス感染が疑われる時点で休職する」のが原則です。昔は「少しくらい体調が悪くても仕事を休まない」ことが美徳とされていましたが、現代では逆です。まして、体調が悪いことを隠して仕事をするのはとても危険なことです。
ノロウイルスが原因でないウイルス性胃腸炎やインフルエンザも同様ですが、職場に迷惑をかけると思って我慢したり、黙っていたりすると、後から本当に大変な迷惑をかけてしまう可能性があるのです。
この連載で何度も繰り返していますが、日頃からの手洗い、とくにトイレ後と食事前は必ずせっけんでしっかりと手を洗うことが重要です。職場の管理者は、トイレなどでの手洗いの後に使うタオルは使い捨てのペーパータオルとし、アルコール消毒剤も併せて設置することをぜひ検討してください。
【朝日新聞】
ノロウイルス(上)「症状がある人は職場に出ない」厳守
2017/02/27
とくに、病気になっては困る旅行中などは、ノロウイルス感染の危険性があるという覚悟をもってカキを食べてください。どうしても食べたい場合は、発症までに数日の潜伏期(症状が出ない期間)がありますので、旅程の最後の日に食べるのがよいでしょう。
私が感染したときは、食べてから数日後にものすごい下痢と、これまで味わったことのない強烈なだるさに襲われ、4日間ほど寝込んでしまいました。ノロウイルスにはワクチンや特効薬が無く、下痢もあえて薬で止めない方がよいとされるので、対処法は吐き気止めや点滴による水分補給くらいしかありません。死ぬことはめったにない病気なのですが、かなりつらい症状でした。
症状の程度にかかわらず、一般に健康な人はいずれ回復しますが、幼い子どもやお年寄りでは重症化したり、嘔吐物を誤って気道に詰まらせて死亡したりするケースがあります。
ノロウイルスは感染した人の嘔吐物、下痢便、手指などからも感染してしまいます。そのため、医療従事者や食品業界の関係者は最大限の注意が必要です。現実的にはなかなか難しいかもしれませんが、感染拡大を予防する最も正しい方法は、「症状がある人は職場に出ない」ことです。
感染者の嘔吐物に他の人が近づくことはそれほど多くないと思いますが、職場では、感染していない人も感染者と同じトイレを使わざるをえません。感染者が下痢便をすると、トイレのあちこちにウイルスが飛び散ってしまうので、次の人がそのトイレを使うと、どうしてもウイルスに接触することになります。そのため、下痢をしている人が職場に出るのは危険なことなのです。
感染していない人は、トイレの後や食事の前には必ずせっけんで手洗いをすることが重要です。ちなみに消毒用アルコールはノロウイルスには無効と考えられていましたが、近年になってある程度有効性があることがわかってきました。
ただし、インフルエンザウイルスを予防するほどの大きな効果はないので、やはりせっけんによる十分な手洗いが重要です。最も有効な消毒薬は次亜塩素酸で、病院では嘔吐物や下痢便の消毒に次亜塩素酸を用いています。
【朝日新聞】
インフルエンザはなぜA型から流行する?国立感染症研究所に聞いた
2017/02/27
毎年猛威を振るうインフルエンザ。A型、B型、C型といった型の違いがあり、それぞれ流行時期が違うことは何となく知っている人も多いのではないだろうか。このうち、広く流行するのはA型とB型。日本では、A型は冬の始まりから2月の前半頃、B型は2月の後半~3月にかけて流行することが多いと言われている。一体、これは何故なのだろうか。国立感染症研究所・感染症疫学センターの砂川富正さんにお話を伺った。
■海外で流行!?真夏のインフルエンザ
砂川さんによると、毎年A型の次にB型が流行する、というパターンが必ずしも決まっている訳ではないのだという。
「日本を含む北半球では、冬季にA型が最初の大きな流行になるパターンが多いのですが、世界的にみると、国によってはB型が先に、あるいは主流で流行することもあります。また、年によっても流行の型は違います。同じインフルエンザであってもA型とB型は別々のものと考えて警戒するほうがよいと思われます」(砂川さん)
ちなみに、インフルエンザが冬から春先にかけて流行することが多いのは、あくまで日本国内に限った話。日本で暮らしているとイメージしづらいが、南半球の冬は7~8月頃であり、その頃がインフルエンザ流行のピークとなるようだ。
■これからピーク!?B型インフルエンザに要注意
さらに、今年のインフルエンザ流行状況についても聞いてみた。
「今年のインフルエンザはこれまでのところ、A型に含まれるA香港型という型が9割以上の患者から検出されています。B型は今のところとても少ないですが、今後の動きに注意が必要です」(砂川さん)
A型に含まれるA香港型の特徴としては、お年寄りの肺炎が比較的多いなどの点が挙げられる。しかしA型とB型を全体として比べた場合では、お年寄りや持病を持っている人、小さな子どもなどは重症になることが多いなど、合併症の傾向に大きな違いはないことが多いそうだ。
さらに、A型とB型では、急激な発熱や全身の痛みといった初期症状も基本的に一緒なのだという。とはいえ、忘れた頃にやってくるのがやっかいなB型。最新の情報をよく確認するとともに、気を抜かずに対策しよう。
【ZAKZAK】
全国のインフル患者126万人 流行ピーク過ぎてもまだ注意
2017/02/27
2月13日〜19日までの1週間に、全国5000カ所の医療機関を受診したインフルエンザ患者の数は11万8696人にのぼり、1医療機関あたりでは23.92人と、前週に比べて4.65人減少。
医療機関あたりの患者数を都道府県別にみると、鹿児島県が最も多く36.17人、次いで石川県(35.77人)、長崎県(35.23人)、福井県(34.78人)、佐賀県(34.77人)と、九州と北陸を中心に多い状態が続いている。全国で警報レベルを超えた保健所がある地域は、栃木県と鳥取県を除く45都道府県になった。
定点以外を含む全国の医療機関を受診した患者数の推計は、約126万人となり、前週より25万人減少したものの、60代以上では入院している患者も多いので、流行ピークは過ぎても、引き続き用心が必要だ。
【ハザードラボ】
蚊が媒介する複数の伝染病を防止し、刺されたときのかゆみも減らすワクチンの臨床実験が米国で始まる
2017/02/27
カが媒介する複数の伝染病を防止するというワクチンの臨床試験を米国立衛生学研究所(NIH)の国立アレルギー・感染症研究所(NIAID)が開始した。
このワクチンは英SEEKが開発した「AGS-v」と呼ばれるもので、デングや黄熱病、ウエストナイル熱、チクングニア熱、リフトバレー熱、日本脳炎、ジカ熱などの感染防止に効果があるという。AGS-vはこれらの伝染病をもたらす病原体の抗体を作るのではなく、カの唾液への反応を変える抗体を作る。カが媒介する伝染病はカの唾液により感染力が強まることが知られており、AGS-vは唾液への反応を変えることで感染を防ぐという仕組みだ。これにより、カに刺されたときのかゆみも少なくなるほか、抗体を持つ人から吸血したカの寿命は短くなり、繁殖の抑制も期待されるとのこと。
臨床試験のフェーズ1では被験者を3グループに分けてAGS-v、AGS-v+補助剤、プラセボをそれぞれ接種し、人体への安全性や免疫反応を調べる。また、病原体に感染していないネッタイシマカを用い、刺された後の接種者の免疫反応や抗体の変化をみるほか、吸血後のネッタイシマカの吸血量や産卵数、ネッタイシマカの唾液に包まれたジカウイルスの繁殖に対する接種者の末梢血単核細胞や血清の影響なども調べるとのことだ。
【エキサイトニュース】