中国で、鳥インフルエンザ(H7N9)ウイルスのヒト感染が拡大している。香港衛生署衛生防護センターによると、2017年2月18日までの第7週に新たに67例が確認された。6週までは減少傾向にあったが、再び増加に転じた。昨年11月に今シーズン初の症例が報告されて以降、累計で429人となった。
【日経メディカル】
2017/02/24
青森県は22日、県内で新型インフルエンザの感染が疑われる患者が発生したことを想定した実働訓練をむつ市のむつ総合病院で行った。同病院やむつ保健所、県職員ら24人が連携しながら患者対応の手順を確認した。
【47NEWS】
2017/02/24
村民とともに暮らすコミュニティーアシスタントも、同プログラムの成功率を評価するために島の蚊の数を監視している。
島には雌の蚊にとって好ましい繁殖地を再現したオビトラップと呼ばれるちょうちん型の装置があちこちに設置されており、アシスタントらは毎週その中で産まれた卵を採取し、それらをインキュベーターの中に入れ、孵化(ふか)するか観察する。また野生の雌の数も減らす必要があるため、それらを捕獲するためのわなも仕掛けられている。
「わなの中に産まれた卵の数と孵化率を見れば、どれだけ蚊が減少しているかが分かる」とシー氏は語る。
しかし、村民らは蚊を放出しに来る科学者らを常に歓迎していたわけではなかった。
同島に住むルイイン・リアンさんは当初、すでに蚊がはびこっている島に科学者らがさらに蚊を放出するという案に不安を感じたという。
しかし、自分もデング熱にかかるかもしれないという不安が、最終的に疑念の払拭(ふっしょく)につながった。島のある広東省では2014年にデング熱が大発生し、感染が確認された患者数は過去最高の4万5224人を記録し、ここ数十年で最も深刻な被害が出た。
「(蚊の放出について)当初は違和感を抱いたが、時間の経過とともに蚊が減っていくのが分かった」とリアンさんは語る。
【CNNニュース 】
2017/02/24
家族みんなが次々と感染症にかかってしまい、大変な思いをしたことがあるパパ・ママは少なくないでしょう。自分の病気とも闘いながら、子どもの病気の看病をする……とてもつらいですよね。
どうしたら、感染の拡大を止めることができるのでしょうか? 小児科医の竹中美恵子先生に聞きました。
Q.冬から春にかけて特に家族感染しやすい病気は何ですか?
ロタウイルスやノロウイルスなどの嘔吐下痢症と、風邪などの気管支炎、そしてインフルエンザがあります。また、手足口病やマイコプラズマ感染症も家庭内で感染しやすいので、注意が必要です。
Q.病気の子どもを違う部屋に隔離するなどの対策は、やはり有効でしょうか?
隔離する前の段階で、既に家族間で感染しているケースも多いですし、1つの家庭内で、完全に隔離するというのは、かなり難しいことだと思います。同じ家の中で部屋を分けたとしても、家族が行き来することでウイルスが移動して、感染してしまう可能性があるからです。
感染症にかかって重篤になりやすいのは、免疫力が低い生後6カ月未満の乳児とお年寄りです。そういう人が近くにいる場合には、親戚の家など、一時的に別の家庭に隔離することができれば、感染を防ぐ効果は高いと思います。
Q.隔離できない時の有効な手だてはありますか?
まず、嘔吐下痢症の場合、嘔吐物と便にはたくさんのウイルスが含まれていますので、そこからの感染を絶つことが大切です。トイレは清潔に保つようにしましょう。
処理をする場合は、必ず手袋をして直接触れないようにしてください。嘔吐物は袋の中に密閉して処分し、服などに付着してしまったら、次亜塩素酸を希釈したもので、消毒しましょう。
Q.全ての感染症に有効な対策はありますか?
ウイルスは口や鼻から侵入するので、枕などのリネン類を清潔に保つことはもちろん、感染者が使ったタオルや食器は使わないほうがいいと思います。また、手に触れたウイルスが口や鼻から侵入するのを防ぐためにも、おもちゃを消毒するのは、一定の効果があるでしょう。ちなみに病院では、次亜塩素酸を50倍に希釈したものを、おもちゃにスプレーして感染対策を行っています。
さらに、忘れられがちですが、部屋の中の湿度を十分に保つことが重要です。ウイルスは湿気に弱いため、部屋の湿度が60~70%あれば、喉に付着するウイルスが減ると言われています。加湿器を使うのが便利だと思いますが、お鍋に水を張って沸騰させたり、ぬれたタオルを部屋にかけたりしても、効果があります。
Q.家庭内での感染に悩むパパ・ママに伝えたいことはありますか?
親が病気をしながらの看病はつらいですし、きょうだい間で感染すれば、看病の期間や対象が広がり、負担が大きくなるので大変ですよね。しかし一方で、子どもたちは病気にかかることで、免疫力を上げるという一面もあります。病気にかかればいいというわけではありませんし、防げるものは防いでほしいという前提はありますが、きょうだい間で感染することで、必ず子どもたちは強くなるのです。
どんなに防ごうと思っても、特にきょうだいを隔離して子育てしたり、病気の看病をしたりするのは、難しいことが多いでしょう。パパ・ママが無理せず、自分たちでできる範囲で感染対策をしてあげることが大切です。
※未就学児童の症状を対象にしています。
【マイナビニュース】
2017/02/24
中国の李克強首相は、国内でH7N9型の鳥インフルエンザウイルスに感染する人が急増していることを受けて、鳥の飼育場の検疫や医療体制の強化とともに、正確な情報公開を徹底するよう関係機関に指示しました。
中国では先月、南部や東部を中心に192人が、H7N9型の鳥インフルエンザウイルスに感染し、79人が死亡したほか、今月に入ってからも感染が増え、少なくともさらに8人が死亡しています。
国営の新華社通信は23日夜、感染者の急増を受けて李克強首相が全国の衛生当局や自治体などに、対策を徹底するよう指示したと伝えました。具体的には、養鶏場など、鳥の飼育場の検疫や消毒を強化し、感染が確認された地域では、生きた鳥を扱う市場を速やかに閉鎖することや、感染者には十分な薬を供与するなど医療体制の強化を求めたとしています。
また、正確な情報の国民への迅速な公開も指示していて、2003年に北京などで、新型肺炎「SARS」の感染が拡大した際、情報不足から不安をあおるようなデマが広がったことを教訓に、社会の混乱を防ぐ狙いもあると見られます。
【NHK】
2017/02/24
二月六~十二日にも六十九人が感染、八人が死亡し昨年十月以降の死者数は百人を超えた。多くがウイルスに感染した鳥に触れたことが原因とみられる。
鳥インフルエンザの感染ルートは「鳥から人」がほとんどで、「人から人」への持続的な感染は確認されていない。しかし、遺伝子変異によって新型インフルエンザになれば、世界的な大流行を引き起こすことが懸念されている。
広東省で十九日に確認された遺伝子変異について、中国疾病予防センターは「鳥への病原性は高まったが、人への感染力や病原性、人から人への感染力に変化が生じたわけではない」と平静を呼び掛けた。
中国当局は感染が確認された地域で生きた鳥の取引を停止したほか、業者に冷凍肉を扱うよう求めている。ただ、中国では生きた鳥を市場で売買する習慣があり、こうした対策がどこまで広がるのか疑問が残る。
【東京新聞】
2017/02/23
昨年12月と比べて感染者が倍近く、死者も4倍近く増えており、中国南部を中心に感染が急拡大している。上海の日本総領事館は、生きた鳥を扱う市場に近づかないようにするなど、在留邦人に注意を呼び掛けている。
同委員会によると、中国本土で昨年12月に確認された感染者は計106人で、死者は20人だった。1年前の昨年1月は感染者が計28人で、死者は5人だった。
中国共産党機関紙、人民日報が今月中旬伝えたところによると、北京市で11日、H7N9型の感染者が確認された。感染者は北京市に隣接する河北省廊坊市の住民。病状が悪化したため、6日に北京へ移送後、感染が確認された。
中国メディアによると、今年1月に35人の感染者が出た浙江省は今月中旬、生きた鳥を扱う同省の市場を閉鎖することを決めた。
広東省当局によると、1月初旬に同省で家禽類を扱う市場を調査した結果、約9%の鳥からH7型の鳥インフルの陽性反応が出たといい、鳥の間で感染が広がっている。
中国では毎年冬にH7N9型の感染が広がり、2014年には約140人、15年にも約90人が死亡している。世界保健機関(WHO)は先月、限定的な人から人への感染が起きている可能性も否定できないとして警戒を呼び掛けた。
【SankeiBiz】
2017/02/23
中国でH7N9型の鳥インフルエンザの感染が拡大、多くの省で感染が報告されています。生きた鳥を扱う市場が相次いで閉鎖され、鶏肉と卵の価格が大幅に値下がりし、養鶏業者は大きな損害を蒙っています。政府は、今年1月の感染者192人のうち79人が死亡したと発表していますが、実際の感染者はもっと多いだろうと、民衆は政府発表に懐疑的です。
中国でH7N9型鳥インフルエンザの感染が拡大しています。今年に入ってから福建、雲南、湖南、湖北、浙江各省などで感染報告が上がっています。政府の統計によると、今年1月の感染者は192人に上り、そのうち79人が死亡。中でも江蘇省では49人の感染者のうち21人が死亡、安徽省では40人以上が発症し20人が死亡したと発表しました。
江蘇省興化市の市民は、政府は正しい感染状況を発表しておらず、実際の感染例はさらに多いだろうと指摘しています。
江蘇省興化市在住の王さん:「すでに市内で2人死亡者が出ていると聞きました。知り合いだそうです。50人くらいが感染しているのに、政府は公開しません。」
福建省霞浦在住の鄭さんは、農村部や山間部では家禽の売買が依然として行われており、感染をコントロールすることは難しいと述べています。
福建省霞浦在住の鄭さん:「この辺りでも重い症状の感染者が1人出て、省の病院へ送られましたが、その後どうなったか知りません。生きた鳥を売買する市場が閉鎖されてしまったから、今度は私的に家禽が売買されている。食べたい人は食べているよ。」
H7N9型鳥インフルエンザの感染拡大によって鶏肉と卵の価格が大幅に下がっています。養鶏業者は、病気の発症の責任をすべて生きた鳥に覆い被せて業者に多大な損失を招き、何の救済策も取っていないと言います。
浙江省で養鶏場を経営する張さん:「養鶏業者への影響はとても大きい。売れないのですから。4人民元以上か5元だった卵の値段は3元にまで下がりました。商売上がったりです。」
一方、香港は現在のところ中国からの生きた鳥の輸入を全面的に禁止してはいません。これについて、感染が香港へと拡大することを懸念する香港の議員から、全面禁輸を求める声が上がっています。
【エキサイトニュース】
2017/02/23
伊那地域のインフルエンザ患者数は52人と3週連続で警報レベルの30人を超えました。
県内11地区では先週に引き続き、飯田についで2番目に多い人数となっています。
長野県の発表によりますと13日から19日までの一医療機関あたりの伊那地域のインフルエンザ患者数は52人でした。
県内11地区では、伊那と飯田が前の週と比べ増加しましたが、その他の9地区では減少し県全体も31・13人と前の週と比べ減少しました。
長野県では南信地域の流行の始まりが遅かったのが原因と見ていて「感染拡大に注意してほしい」と呼び掛けています。
【伊那毎日新聞】
2017/02/23
フランス政府は21日、鳥インフルエンザの流行を受け、フォアグラ生産が盛んな同国南西部でアヒル36万羽の殺処分を命じた。
この殺処分により、仏国内のフォアグラ生産量の4分の1を占めるランド県での生産が事実上停止されることになる。フォアグラはアヒルやガチョウに無理やり餌を食べさせ、肝臓を肥大させて作る食材で、その生産方法には批判の声も多い。
ステファヌ・ルフォル農相によると、殺処分は「向こう15日以内に」実施される。ルフォル農相は先に、殺処分の対象は60万羽としていたが、説明がされないまま、対象の数は36万羽に縮小された。残りの24万羽は「フォアグラ生産に利用される」という。
同国のフォアグラ生産業界は、殺処分により2億7000万ユーロ(約320億円)の損失を見込んでいる。
政府はアヒル農家への補償を約束したが、同様に鳥インフルが流行した2015年には十分な補償が受けられなかったと不満の声を上げた農家もいた。生産業者らは同年の鳥インフル流行で5億ユーロ(約600億円)の損害を被ったとされている。
【AFP BB NEWS】
2017/02/23
江北町の養鶏場で発生した鳥インフルエンザで、県は21日午後7時、発生農場から半径3~10キロに設定した鶏や卵の搬出制限区域を解除した。
県対策本部によると17日から、発生農場から半径3キロ内にある計3農場で鶏の血液などを調べる清浄性確認検査を実施し、21日までにウイルスの検出はなかった。また、周辺の国道などに設けた車両の消毒ポイント16カ所のうち、8カ所を撤去。電話相談コールセンターも廃止した。
今後、発生農場から半径3キロで新たな鳥インフルエンザの発生がなければ28日午前0時に3キロ内に設定した移動制限区域が解除され、一連の鳥インフルエンザは終息となる。
【毎日新聞】
2017/02/22
世界保健機関(WHO)は、2017年2月20日に公式ウェブサイト上で、1月19日から2月14日までに中国本土での鳥インフルエンザA型(H7N9)感染者が304人になったと発表した。
WHOによると、1月19日以降ほぼ毎週、中国の衛生当局である国家衛生計画出産委員会から30~50人の感染者報告が出されている。報告数が最も多いのは中国東部・江蘇省の67人、次いで浙江省の53人、広東省の32人となっており、上海や北京などの都市部でも1~3人の感染者が確認されている。
感染ルートについては、感染が報告されている304人のうち144人が、飼育している家禽や家禽市場での接触と判明しているものの、残りは調査中で現時点では不明だという。
WHOはリスクアセスメントの中で、2016年末から現在まで中国での鳥インフルエンザA型の報告数は急激に増加しており、2013年に中国で鳥インフルエンザが確認されて以来最大の感染者数になるとコメント。ただし、現時点で人から人への感染は確認されておらず、渡航禁止や封じ込めは必要ないとしている。
予防アドバイスとして、鳥インフルエンザの発生が確認されている国に渡航する場合、可能な限り養鶏場や鳥市場で動物と接触することを避け、石鹸と水で頻繁に手を洗うよう呼びかけている。
【アメーバニュース】
2017/02/22
H7N9型鳥インフルエンザの感染を予防するため、台湾で食鳥処理禁止令が発令されました。一方、感染が広がっている中国の広東省疾病予防制御センターは19日、昨月感染した2人は、鳥類にとって致死率が高いウィルスに突然変異したため、WHOに報告を行ったと発表しました。政府の統計によると、H7N9感染による中国国内の死者は2月の第2週にすでに8人に上っています。
【ニフティニュース】
2017/02/22
感染防止のため一月下旬から、彦根城管理事務所の作業所に設けたテントに隔離していた。今月十九日に草津市周辺の監視重点区域が解除されたことから、彦根市も解除することを決めた。
この日は、管理事務所職員が一羽ずつ内堀に放った。事務所の担当者は「ストレスを与えないように工夫してきた。元気そうに泳いでいる」と話していた。
【中日新聞】
2017/02/22
中国で、鳥インフルエンザ(H7N9)ウイルスのヒト感染が拡大している。香港衛生署衛生防護センターによると、2017年2月18日までの第7週に新たに67例が確認された。6週までは減少傾向にあったが、再び増加に転じた。昨年11月に今シーズン初の症例が報告されて以降、累計で429人となった。
【日経メディカル】
2017/02/22
世界保健機関(WHO)は20日、中国南部で感染が急増している鳥インフルエンザウイルス(H7N9型)について、中国当局より1月19日から2月14日までに304人の感染者があったとの報告を受けたと発表した。このうち死者は36人。
WHOは現時点では人から人への感染は確認されていないとして渡航制限などは求めないとしている。
発表によると、304人のうち82人に肺炎の症状があった。また144人に家禽(かきん)などとの接触を確認したが、11人は接触がはっきりせず、残る149人は調査中。
WHOは感染拡大が確認された国への旅行者に対し、家禽などの市場に近づかないことや、手洗いの励行などを呼び掛けている。
【毎日新聞】
2017/02/22
佐賀県江北町の養鶏場で高病原性鳥インフルエンザが発生した問題で、県は21日夜、この農場の3〜10キロ圏で実施していた鶏や卵の域外への搬出制限を解除した。3キロ圏にある養鶏場を対象とする検査で、新たな感染が認められなかったため。今後も異常がなければ、3キロ圏内で続けている移動制限も28日午前0時に解除する。
【BIGLOBE ニュース】
2017/02/22
2017/02/21
世界保健機関(WHO)は20日、中国南部で感染が急増している鳥インフルエンザウイルス(H7N9型)について、中国当局より1月19日から2月14日までに304人の感染者があったとの報告を受けたと発表した。このうち死者は36人。
WHOは現時点では人から人への感染は確認されていないとして渡航制限などは求めないとしている。
発表によると、304人のうち82人に肺炎の症状があった。また144人に家禽(かきん)などとの接触を確認したが、11人は接触がはっきりせず、残る149人は調査中。
WHOは感染拡大が確認された国への旅行者に対し、家禽などの市場に近づかないことや、手洗いの励行などを呼び掛けている。
【毎日新聞】
2017/02/21
◆迅速な処分
今冬の国内での鳥インフル(H5N6型)の拡大は昨年11月に始まった。全国で野鳥の感染が確認され、今年2月初旬には200件超に。養鶏場でも感染が見つかり鶏などの殺処分が行われた。鳥インフルに詳しい河岡義裕東京大医科学研究所教授は「養鶏場での処置は非常に迅速だ」と対応を高く評価する。
鳥インフルの封じ込めを急ぐのは、鶏などの被害を最小限にするためだけではない。蔓延(まんえん)を放置するとウイルスが他の動物や人の体内に入る機会が増え、人から人に広がりやすいパンデミックウイルスに変化することが懸念されるからだ。
世界でパンデミック対策が本格化したのは、1997年に香港でH5N1型の鳥インフルエンザウイルスが直接人に感染し、6人が死亡したのがきっかけ。H5N1型による死者はその後も続き、各国と並んで日本政府も2005年、最初の対策行動計画を策定。米国の推計モデルに基づき最大で約64万人が死亡するとの被害想定をまとめたほか、発生早期の接種を想定してH5N1型ウイルスからつくったワクチンの備蓄も進めてきた。
◆備蓄に疑問も
しかし、09年に発生したパンデミックのウイルスは予想外のH1N1型。世界的に流行したが致死率は高くなかった。
政府はその後もH5N1型のワクチン備蓄を継続。3年の有効期限が切れるたびに補充してきた。
一方でH5N1型はアジア、中東など発生地域が広がるにつれウイルスの性質が多様化し、同じH5N1型でも、ウイルスによってはワクチンの効果があまり期待できない状況になってきた。
その上、13年に中国で見つかったH7N9型ウイルスでも感染者や死者が増加するなど、人に感染するパンデミック要警戒ウイルスはH5N1型だけではない。抗ウイルス薬の備蓄も進んでいることから、昨年12月に開かれた内閣官房の新型インフル対策有識者会議の席では、科学者の委員から「(現在のワクチン備蓄のやり方を)やめるオプションもあると思う」との意見も出た。
◆複数条件で
ワクチンに限らず、対策の前提であるパンデミックの被害想定は、10年以上前に作られた古いもの。「国内の医療の状況を反映していない」とも指摘されていた。
そこで、前回のパンデミックの経験も踏まえ、被害想定見直しのための研究が動き出した。北海道大の西浦博教授(感染症疫学)を中心とする研究班は、さまざまな分野の専門家の予想や分析を基に、複数の条件を置いた被害シナリオを作成する予定だ。
厚生労働省の新型インフルエンザ対策小委員会の委員長を務める岡部信彦・川崎市健康安全研究所長は「審議会や有識者会議の議論はどちらかといえば、ワクチンや薬の備蓄の量や方法といった各論に重きが置かれてきた。しかし、情勢の変化を踏まえて、対策の在り方を総合的に再検討する時期が来ていると思う」と話している。
【産経ニュース】
2017/02/21
台湾で中国大陸から戻った台湾人男性(69)が鳥インフルエンザウイルス(H7N9型)に感染していたことが確認された。衛生福利部疾病管制署は20日、この男性に対し、日本製新型治療薬を投与したと明かした。
羅一鈞副署長によると、男性が感染したウイルスは、中国大陸で流行しているものとほぼ同じだという。鳥類からヒト、ヒトからヒトへの感染率は高まっていないとしている。
ただ、H7N9型には日本と同様に台湾でも使用されているタミフルやリレンザなどの治療薬に耐性が生じていることから、男性に対して新型治療薬が投与されたという。
一方、中国大陸への旅行者に対しては、手洗いを徹底し、鶏肉はよく火を通して食べ、家禽類が飼われている場所などに近づかないなど、予防を呼びかけている。
【フォーカス台湾】