NEWS新着情報

孔大使が赴任を前に記者懇談会 新時代の中日関係を「楽観視」=北京

2019/05/29

CqgNOlztJtyAUGOvAAAAAAAAAAA258_450x482
中華人民共和国第12代駐日本特命全権大使に就任する孔鉉佑(こう げんゆう)氏(59歳)は28日午後、赴任を前に、中国メディアを対象に記者懇談会を開きました。席上、孔大使は、「中国と日本は国交正常化時の政治的約束を守って歩み寄ってさえいけば、必ずや新時代にふさわしい両国関係を築き上げることができる」と語りました。

 孔大使は席上、「中国政府は1972年の国交正常化以降、終始、中日関係の改善と発展を極めて重視し、中日間の4つの政治文書に基づき、日本と善隣友好関係の発展に尽力してきた。これまでの47年間、両国関係には風雨があったものの、全般的には長足の進歩と発展を成し遂げている。このプロセスで得た経験と教訓は、これからの関係構築にたいへん重要な啓発となるだろう」と振り返りました。

 さらに、2018年の中日間の貿易総額が3276億ドル、人的往来が延べ1200万人、友好都市が254組に達したことを例に、「中日の各分野における交流と協力は、すでに持ちつ持たれつの関係になっている。しかも、こうしたつながりが世界第二と第三の経済大国同士で展開されているものとして考えれば、その影響力は二国間のそれを遥かに超えるものであり、地域と世界の平和と安定においても両国が重責を担っていることを意味するものだ」と、世界のガバナンスにおける両国関係の重要性を指摘しました。

 2019年は新中国成立70周年の年にあたり、日本では新しい年号に改元された年でもあります。こうしたことを背景に、孔大使は、「新たな時代を前に、長期的かつ安定した両国関係を実現していくには、平和と友好という大きな方向性を堅持する必要がある。中日間の4つの政治文書で確立された原則をしっかりと守り、政治的相互信頼に不断にポジティブなエネルギーを注ぎこみ、両国間の政治信頼を引き上げていく必要があると思っている。これと同時に、両国関係のバラスト的存在でもある経済分野で互恵協力関係を引き続き拡大し、その間口を広げていく努力が必要だ」と強調しました。

 今後の両国関係について、孔大使は、各レベルでの様々な形の交流を着実に推進し、引き続き国民感情の改善に向けて努力していき、両国関係にある矛盾や齟齬(そご)を建設的にハンドリングしていく必要があると指摘しました。その上で、「双方とも初心を忘れずに、国交正常化時にそれぞれ表明した政治的取り決めをしっかりと守り、歩み寄ってさえいけば、両国は必ずや新たな時代にふさわしい中日関係を築き上げることができる。これには自信がある」と、楽観姿勢を示しました。

 このほか、「一帯一路」の共同建設における第三国市場での協力、まもなく日本で開かれるG20サミット、中日が多国間主義や自由貿易体制の維持において果たすべき役割、中日青少年交流推進年、朝鮮半島の情勢などをめぐり、記者からの質問にも答えました。

 孔大使はこれまで外交部副部長として多国間外交、朝鮮半島問題特別代表などを担当してきました。東京に向けての出発はこの30日を予定しているということです。

【中国国際放送】


米中貿易摩擦は長期化 道新政経懇 元海自の香田さん講演

2019/05/29

道新苫小牧政経文化懇話会の5月例会が28日、苫小牧市のホテルで開かれ、国際情勢に詳しい元海上自衛隊自衛艦隊司令官(海将)の香田洋二さん(69)が「我が国を取り巻く安全保障環境―中国・北朝鮮及び自衛隊の観点から―」と題し、貿易摩擦を含めた米中対立の現状について講演した。

 香田さんは、中国の経済圏構想「一帯一路」を米国側が警戒したことが、貿易摩擦の火種の一つになったと説明。貿易摩擦は長期化するとの見通しを示し、「米中対立は大変な問題で日本にも大きな影響を与える。経済を舞台にした第3次世界大戦だ」と指摘した。

 中国人民解放軍については、「国内で習近平体制を支えてはいるが、世界規模での展開は制約があり、軍事力として一帯一路をバックアップすることはできない」と説明した。

 6月に想定される米中首脳会談については、「関係は極めて悪いが、貿易問題については解決に向かうことを確認するのでは」と予想。中国との関係が改善に向かう日本の動向については、米国と比べ「前のめりの面がある」との見方を示した。

【北海道新聞】

【天安門30年】天安門事件学生リーダー・王丹氏 中国、事件前より「はるかに悪く」

2019/05/29

中国の首都・北京で民主化運動が弾圧された1989年の天安門事件は、6月4日で30年の節目を迎える。当時、運動を主導した学生リーダーの一人で、米国に亡命している王丹氏が来日し、東京都内で産経新聞のインタビューに応じた。王氏は共産党一党独裁政権について「必ず崩壊する」との認識を示し、習近平政権が主導する巨大経済圏構想「一帯一路」に関し、「国内の財政破綻を引き起こして、政権崩壊のきっかけになる可能性がある」と主張した。

 現在、米国で中国の民主化に関するシンクタンクを主宰する王氏は、今の中国国内の人権状況について「天安門事件前と比べて、はるかに悪くなった」と語り、「今は完全な監視社会になった。宗教や少数民族への弾圧もひどくなった」と指摘した。

 国際社会が注目する米中貿易戦争については「中国がこれまでさまざまな不正を行ったため、国際社会の怒りを買った」と指摘し、米国との衝突は「起るべくして起きた」と分析した。その上で「習近平政権はこれまでの政権と比べて経済を発展させる能力が低く、政権が続く限り、中国の経済はさらに失速し、中国国民の生存環境はますます悪化する」と予測した。

 中国の将来に関しては、「独裁政権は対外拡張のなかで財政破綻を引き起こし、やがて崩壊するケースが多い」との見方を示した上で、一帯一路構想は「まさに対外拡張だ」とし、「中国崩壊の兆しといってもいい」と語った。

 王氏は日本政府が中国の民主化運動に無関心だとし、「大きく失望した」とも語った。また、「北京の独裁政権に配慮する理由が全くわからない」と不満も口にした。

【産経ニュース】


ASEANと中国南部との貿易が緊密化

2019/05/29

ASEANと中国の貿易は、両地域にまたがるサプライチェーンの構築、自由貿易協定(FTA)、最近は「一帯一路」を通じた政治経済関係強化が拡大に寄与している。中国の中でも、ASEANとの貿易は中国南部との貿易が盛んだ。現在は輸出入ともに、船舶を使った物流形態が主流であるものの、中国の内陸部の発展によって、今後は物流の在りかたも変わってくるとみられる。

中国の対ASEAN貿易は10年前の2.5倍

中国とASEANの貿易額は、拡大の一途をたどっている。中国側からみた貿易統計では、2018年の対ASEAN貿易額は5,774億ドルと、10年前の2008年比で約2.5倍に拡大した。同期間の中国と世界との貿易額の増加が1.8倍であることを考えると、中国とASEANの貿易関係の緊密化は明白だ。中国の対世界貿易に占めるASEANの位置付けをみると、主要国・地域と比較すると、ASEANのシェアのみが一貫して右肩上がりで拡大し、2018年のシェアは12.6%となった(図参照)。背景には、第1に、中国の人件費の上昇や労働・環境はじめ各種規制が強化される中、各国企業が代替地としてのASEANへの進出を拡大することで、中国-ASEAN間のサプライチェーンがより厚く構築されてきたことがある。

第2の理由としては、2005年に発効したASEAN中国自由貿易協定(ACFTA)の利用が挙げられる。2011年にはACFTAが仲介貿易、移動証明書の発行を認めるように改良され、使いやすさが増したことで、利用率が拡大している。第3の要因として、2013年に中国が提唱した「一帯一路」構想がある。これによって、例えば、マレーシアと中国はそれぞれの国内に相手国側企業が運営する工業団地(パハン州のマレーシア・中国クアンタン工業団地と広西壮族自治区・欽州工業団地)を整備した。また、ミャンマーと中国は、ミャンマー西部のラカイン州にある港町チャオピューと中国雲南省瑞麗へ771キロに及ぶ天然ガス・パイプラインを敷設するなど、ASEAN-中国の政治経済関係の緊密化が貿易額を押し上げている。

ASEANの中でも、どの国が、どういった品目で、中国との貿易を拡大させているのか。2018年の貿易額を2008年比でみると、ベトナム(2018年貿易額:1,379億ドル、伸び率:7.1倍)の寄与度が最大で、以下、マレーシア(1,093億ドル、2.0倍)、タイ(880億ドル、2.1倍)、インドネシア(774億ドル、2.5倍)と続いた。これらの国の2018年の対中貿易品目をみると、ベトナムの対中輸出では電気機械(341億ドル、89.5倍)や綿および綿織物(22億ドル、28.1倍)、中国からベトナムへの輸出では電気機械(233億ドル、12.3倍)や一般機械(84億ドル、3.3倍)が輸出されている。また、マレーシアの対中輸出では電気機械(340億ドル、2.0倍)や鉱物性燃料(124億ドル、7.1倍)が、中国からマレーシアへの輸出では電気機械(126億ドル、2.4倍)、一般機械(61億ドル、1.4倍)の伸びがそれぞれ目立った。

中国南部との貿易が急増

中国のASEAN貿易を港湾別にみると(表1参照)、輸出入両面ともに上海港経由が最大だ。輸出総額の22.3%(627億ドル)、輸入総額の19.3%(424億ドル)を同地経由が占める。以下、深セン、南京、青島の貿易額が大きい。10年前との比較では、表内のすべての港の利用率が拡大する中、特に南部の港の伸びが目立つ。輸出では南寧(207億ドル、8.0倍)、厦門(157億ドル、5.6倍)、広州(134億ドル、4.8倍)からの増加幅が目立つ。輸入面でも、南寧(49億ドル、3.1倍)の増加率が最大で、以下、青島(174億ドル、2.6倍)の次に、広州(83億ドル、2.4倍)と続いた。総じて、ASEANの対中貿易は、上海港経由を最大としつつ、中国南部との貿易が近年は活発化している。

船舶を使った物流のウエート大

2017年の統計から物流形態をみると、中国からASEANへの輸出については、船舶での割合が72.5%と大部を占める。以下、トラック等の自動車(14.0%)、航空機(12.9%)、鉄道等その他(0.6%)と続く。一方、輸入については様相が変わってくる。船舶の割合は49.0%と5割弱にとどまる中、航空機(25.4%)、自動車(25.0%)、その他(0.6%)となり、航空機や自動車の割合が輸出との比較では高くなる。航空機を使った輸入はマレーシア、シンガポールからが、自動車の場合は、陸送が可能なこともあって、ベトナム、マレーシアからの輸入が目立つ。ASEANから中国への輸出は半導体など航空機や自動車で運送するに適した物品である一方、中国からASEANへの輸出は一般機械、鉄鋼などの船舶を必須とする物品も比較的多いためとみられる。ASEAN・中国間の物流形態は、比率に違いはあるものの、総じて船舶の割合が最も多い。時間を要するデメリットはあるものの、船舶は大量輸送が可能ゆえに、スケールメリットが働いて、コストが安価で済む利点がリードタイム面での不便さをしのぐ。

中国の内陸部に輸送する場合、例えば重慶に物資を運ぶ際には、上海港経由の長江を活用するかたちで、内航船が主役となる。中国の内陸部、特に西部地域は政府の発展計画もあって、急速に成長が進んでいる。重慶も対ASEAN貿易額そのものは全体の中では小さいものの、2017年時点の貿易額は2007年比20倍弱にも達している。中国、シンガポールは重慶市とシンガポールを結ぶ新たな海陸複合輸送ルート「新国際陸海貿易通道」(2月26日付記事「整備進む中国西部地域からの陸海新ルート」参照)の運用を2017年から本格化させている。中国の内陸部が急成長する中、本ルートは時機に適したプロジェクトといえよう。特に、重慶と上海をつなぐ長江の水量が低下した場合には、代替輸送ルートしての機能が大きく高まる、との声が進出日系企業からも聞かれている。内陸地域の発展が進めば、さらにASEAN-中国の貿易は拡大が期待できるとともに、今は割合の少ない鉄道の存在感も増すかたちで、新たな物流のかたちが形成されてくるだろう。

【日本貿易振興機構(ジェトロ) 】


【ベトナム】 アフリカ豚コレラによって豚170万匹が殺処分

2019/05/29

ブルームバーグで伝えられた報道によると、農業省から出された発表でアフリカ豚コレラのウィルスが42都市にある農場にいる豚で確認されたことを受けてこの2週間で豚50万匹が殺処分されたと明かされた。

発表では、2月から豚が合計170万匹殺処分されたと述べられた。

グエン・スアン・クオン農業大臣は、アフリカ豚コレラ感染症は動物にとって非常に危険であると強調し、感染症が農業・畜産産業に非常に大きな被害をもたらしたと述べた。

国連食糧農業機関(FAO)は3月に出した発表で、ベトナムはアフリカ豚コレラ感染症に対して「国家緊急事態」を宣言すべきであると伝えている。

【TRT日本語】

今年は全国的にインフルエンザの当たり年に

2019/05/24

NSW州でもインフルエンザ蔓延の兆しに警告

 SA、QLD州などでインフルエンザ患者が例年をはるかに上回る勢いで発生しており、保健当局は市民に予防接種を呼びかけているが、NSW州でも同じようにインフルエンザ蔓延の兆しが始まっている。

 シドニー・モーニング・ヘラルド紙(電子版)が伝えた。

 今年はNSW州でも暖かい時期にインフルエンザに感染する患者が「異常な高率」で発生しており、インフルエンザ・シーズンが例年より早く始まったことを示している。

 そのため、NSW州保健局でもインフルエンザが本格的に猛威をふるい始める時期の判断基準を変更しなければならなかった。

 最新のNSW州インフルエンザ監視報告によると、5月12日までの1週間の新患者は856人を数えており、その前の1週間の新患者は812人だった。

 検査でのインフルエンザ陽性率が5%に達すると公式にインフルエンザ・シーズンの始まりとされるが、今年はすでに10.8%に達しており、インフルエンザ・シーズンがすでに始まっていることになる。

 このように、4月から5月12日までにかけてのインフルエンザ患者増加率が過去にない急激さの上、インフルエンザ様の症状で病院の救急病棟に来る外来患者の数も増えており、公式の冬にはまだ3週間あるというのにNSW州保健局は、すでにインフルエンザ・シーズンに入っていると宣言しなければならなくなった。

 NSW州内では特にシドニー都市圏北部と西部で高い発生率になっており、またシドニー都市圏西部と南西部で高い発生増加率になっている。

 また、州内の高齢者介護施設でもすでに入居者が9人亡くなっている。

 そのため、保健局の伝染病部は市民にインフルエンザ予防接種を受けるよう呼びかけている。

 また、妊婦、65歳以上の高齢者、先住民族、5歳未満の小児、病気などの理由で免疫系の弱っている人などは、GPに行けば無料で予防接種を受けることができる。また、予防接種が効果を示し始めるまでに2週間程度といわれており、早めに予防接種を受けることが望ましい。また、9歳未満の児童の場合、1か月の間を開けて2回の接種が必要になる。

 5月12日の段階で130万回分強のワクチンが用意されている。

【日豪プレス】


「インフルエンザ」患者数89人増 福島、郡山などで小流行続く

2019/05/24

県が22日に発表した県感染症発生動向調査週報(13~19日)によると、県内82定点医療機関から報告されたインフルエンザの患者数は232人で前週から89人増えた。中核市、保健福祉事務所別では、福島市、県北、郡山市、県中、会津、南会津、相双で小流行が続いている。

【福島民友】


東南アジアを席巻するファーウェイ、韓国企業の奮起願う米国

2019/05/24

米国が「反華為(ファーウェイ)キャンペーン」に韓国政府だけでなく、韓国企業にも同調を求めたことに財界の関心が集まっている。外交筋は「米国は世界各国に華為の通信設備ではなく、韓国企業の設備を代わりに使わせようとしている」と語った。

 米国は欧州だけでなく、東南アジアに華為の製品と設備が広がることを懸念している。東南アジアは中国の新シルクロード政策である「一帯一路」の影響圏にある地域だ。華為は西側国家の「ボイコット」に対抗し、東南アジア地域でマーケティング攻勢をかけている。中国のアリババ(阿里巴巴)、テンセント(騰訊)、京東(JD.com)など大手IT企業がデータセンター、研究開発センターなどを東南アジア地域に設置し、巨額の資金をつぎ込んでいる。華為の通信設備は価格だけでなく、技術力でも競争力があると評価されている。


 実際にタイは今年2月、東南アジアの国々で初めて華為と第5世代(5G)移動通信ネットワークのテストを開始した。フィリピン、マレーシア、インドネシア、シンガポールの主要通信キャリアも華為と5G分野で協力している。第4次産業革命時代を支える5Gの覇権を中国と争う米国としては、東南アジアの離脱は手痛いとしか言いようがない。


 現在米国の通信業界には独自技術で5Gの通信ネットワークを構築できる企業はない。米国は5G技術で華為に取って代わる企業は事実上韓国企業しかないと判断しているのだ。特に米国が注目しているのはサムスンだ。サムスンは5G用半導体だけでなく、スマートフォン、通信設備までフルセットで事業展開している。

【朝鮮日報】


中国・欧州間の貨物列車の運行、1万5000本を突破

2019/05/24

img_88988d607f4612348bd9538ec6cfff01146352

中国国家口岸管理弁公室(China Association of Port-Entry)の葉剣(Ye Jian)主任は、「陸港は、内陸都市が国内外の資本や沿海産業の移転を受け入れる国際市場への門戸であり、『一帯一路(Belt and Road)』建設の重要な物流ハブになっている。現在までに中国が陸港を介して中欧班(中国・欧州間の国際定期貨物列車)を開設した都市は60以上で、運行便も累計で1万5000本を超えている」と説明した。17日に合肥市(Fefei)で開催された「(合肥)陸港発展および物流ハブ建設フォーラム」の中で、明らかにした。

陸港とは、海のない内陸港のこと。葉主任によると、2018年末現在で中国には150以上の陸港があると言われており、内陸部で海外製品の売買を可能にするなど、著しい効果をみせている。また、中国の内外貿易の一体化の加速や、越境ECなどの新たな貿易方式が盛んになるにつれて、陸港はより拡大した発展空間を得ると言われている。

 中国政府が2018年11月に発表した「国家物流ハブ設置および建設計画」によると、41陸港、30港、23空港などを含む212拠点の国家物流ハブ建設計画を提出しており、25年までに約150拠点の物流ハブを完成させる予定だという。

【AFP】



汪洋政協主席、日中友好議員連盟と会談

2019/05/07

 汪洋中国共産党中央政治局常務委員・全国政治協商会議主席は5日、北京の人民大会堂で、林芳正会長をはじめとする日中友好議員連盟の一行と会談しました。

 汪主席は会談で、議員連盟が長い間中日友好に努めていることを高く評価した後、「去年、習近平国家主席は安倍晋三首相と何回も会って、中日関係の改善や発展にリーダーシップを発揮したため、両国の関係は正常な軌道に戻り、新たな成果を得た。現在の情勢で、双方は政治的な相互信頼を強め、首脳間の合意を着実に実行し、『一帯一路』イニシアティブの場で互恵協力を深めるべきだ」と述べました。さらに、「歴史を鑑とし、互いの核心的利益や重要な関心事を尊重しながら、意見の違いを適切に扱い、民間友好の伝統を生かしながら、心を通わせ、中日関係を安定的かつ前向きに発展させていくべきだ」と期待を寄せました。

 これに対して林会長は、議員連盟は中国に友好的であり、両国関係のたゆまぬ進展に貢献していくとの考えを示しました。

【中国国際放送】


中国が欧州内の途上国を狙い撃ち

2019/05/07

 本ブログの4月8日付で、「エアバス、港、ボルドー・ワイン、5G、習近平の軍門に下る仏・伊・モナコ」と題して、3月21日~26日の習近平総書記の欧州3か国訪問について記したが、その後すぐ間を開けずに、4月8日~13日、李克強首相が欧州2か国(ベルギーとクロアチア)を訪問した。

 今回の李克強首相の欧州訪問の主な目的は2つあった。1つは、ベルギーの首都ブリュッセルで開催される第21回中国EU首脳会談に臨むこと。もう1つは、アドリア海に面したクロアチアの美しい城壁の街ドブロブニクで第8回中国・東欧首脳会議に出席することである。

4月9日、李首相は、EUのドナルド・タスク大統領とジャン=クロード・ユンケル委員長と会談を行い、EU・中国首脳会談共同声明を発表した。共同声明は、冒頭に、EUと中国は、両者の「包括的戦略的パートナーシップ」を確認する、とあるように、包括的な内容になっている。

 EU・中国関係については、両者は、貿易及び投資における衡平かつ相互利益的な協力を確保する、とした。来年2020年までに投資協定を締結することで合意した。また、双方は、知的財産を保護する国際基準を遵守する重要性を強調し、EU中国エネルギ―協力に関する共同声明が作成されたことを歓迎した。

 グローバルな問題に関しては、WTO(世界貿易機関)の改革、本年大阪で開催されるG20、気候変動等での協力を謳った。

 「一帯一路」にも言及され、それが欧州とアジアを結ぶものとした。外交・安全保障分野では、イラン合意やアフガン、ベネズエラの他、北朝鮮問題にも触れられた。米朝対話を支持し、南北和解を促進しながら、国連安保理決議の完全な履行が重要である、とした。

 4月12日に行われた中国と東欧諸国との首脳会談では、「協力指針」が発表された。

 この中・東欧サミットは2012年から始まり、今回で第8回目を迎えたが、東欧諸国からは16か国が参加した。EU加盟国のポーランド、チェコ、スロヴェキア、ハンガリー、ブルガリア、ルーマア、クロアチア、スロベニア、リトアニア、ラトビア、エストニアの11か国と非EU加盟国のセルビア、ボスニア・ヘルツェゴヴィナ、北マケドニア、アルバニア、モンテネグロの5か国である。

 いずれも中国とは、「一帯一路」構想に関する覚書を締結している。来年には、ギリシャが加わり、「17+1」として第9回目の中・東欧首脳会議が中国で行われる予定である。

 今回の協力指針では、「一帯一路」の具体化として鉄道・港湾等のインフラ整備を進めること、それらを利用して貿易を拡大すること、イノベーション、デジタル技術、エネルギー等で協力することが確認された。

 中国は、欧州の中でも比較的小国で、経済発展が途上の諸国をターゲットに、自国の影響力を伸長して利益を得ようとする。EU首脳との会談を済ませながら、EU加盟国の一部と非加盟国を一緒に集め、「一帯一路」を中心とした合意を取り付ける。

中国にとって一番割の良い話

 4月9日と12日の両首脳会談の間の4月10日、李克強首脳はクロアチアの首都ザグレブにも立ち寄り、プレンコビッチ首相の歓迎を受けた。両首脳は、「一帯一路」構想や貿易と投資の拡大について話し合った。

 李首相は輸入拡大のため「中国市場のニーズにかなったクロアチア製品」を求め、また、クロアチアの港湾や鉄道等の建設に協力するとした。

 文化や観光面での人的交流についても話されたようだが、おそらく中国からクロアチアへの観光客の拡大が主だろう。両首脳は、クロアチアのペルジェサク大橋建設プロジェクトを視察したが、これはEUが資金を出したもので、中国企業が入札して建設に携わっている。

 「EUとクロアチア、中国の3者協力」と言われるが、中国にとって一番割の良いような話である。

 李首相が約1週間の欧州訪問を終えて間もなく、中国にとって1つの朗報が入った。

 4月15日、ベルギーのサイバー・セキュリティー当局が、現在米国が問題視している中国の通信機器大手ファーウェイについて、スパイ活動をしているというような明らかな証拠は見つからなかった、との報告を発表した。

 既にベルギーでは、大手の携帯通信会社がファーウェイの機器を使用している。この報告は、一見何でもないようなことのようだが、気が付けば、ブリュッセルには、EU本部の他、NATO本部が存在する。モナコ、ギリシャ、クロアチアと1つ1つ触手を伸ばしてきた中国、ベルギーは実は重要な拠点だったのかもしれない。

【WEDGE InFinity】

一帯一路構想の恩恵大、ムーディーズ指摘

2019/05/07

米大手格付け会社ムーディーズ・インベスターズ・サービスは、カンボジアにとって中国の広域経済圏構想「一帯一路」の恩恵は大きいとする見解を明らかにした。クメール・タイムズ(電子版)が3日伝えた。

ムーディーズは東南アジアと南アジア、中央アジアの12カ国について、一帯一路に伴う長期の経済的利益と短中期の安定性リスクを分析。一帯一路の恩恵が大きい国として、カンボジアとパキスタン、モンゴル、カザフスタンを挙げた。

ムーディーズは、一帯一路の経済貢献を評価する一方、経済ファンダメンタルズ(基礎的条件)が脆弱(ぜいじゃく)で政策の実効性が低い国では、巨額投資がマクロ経済の安定性を揺るがすリスクになると指摘。「中国からの多額の融資が債務返済や国際収支の悪化につながりかねない」と説明している。

ムーディーズは、カンボジアの政府債務の格付けを投機的水準である「B2」、2019年見通しを「安定的」で据え置いている。

【NNA ASIA】

世界で大流行中!連休の海外旅行で「はしか」にかかったらどうする?

2019/05/07

麻しん(はしか)が世界で大流行している。旅行者が増える大型連休は特に注意が必要だ。麻しんは感染力が非常に強く、簡単に人から人に感染する。主な症状は感染後、約2週間後に発熱、咳、鼻汁、結膜充血、発疹が現れる。手洗い、マスクのみで予防が難しいため、予防接種が最も有効な予防法と言われている。海外渡航先で罹患するケースも多く、東京都感染症情報センターによれば、約20%が海外で感染している可能性があるとのこと。

潜伏期間が長いため、もし帰国後に発疹、発熱などの麻しんの症状がある場合は、麻しんの疑いがあることをかかりつけの医者または医療機関に電話等で伝え、受診の要否や注意点を確認してから、その指示に従うことが重要だ。麻しんの感染力は非常に強いため、医療機関へ移動する際は、周囲への感染を防ぐためにもマスクを着用し、公共交通機関の利用を可能な限り避けるようにしたい。

麻しんについて以下、厚生労働省HPに掲載されている感染症情報をもとに紹介する

麻しんとは?

麻しんは、麻しんウイルスによって引き起こされる急性の全身感染症として知られています。

麻しんウイルスの感染経路は、空気感染、飛沫感染、接触感染で、ヒトからヒトへ感染が伝播し、その感染力は非常に強いと言われています。免疫を持っていない人が感染するとほぼ100%発症し、一度感染して発症すると一生免疫が持続すると言われています。

発生状況

麻しんは、過去の推移を見ると、平成19・20年に10~20代を中心に大きな流行がみられましたが、平成20年より5年間、中学1年相当、高校3年相当の年代に2回目の麻しんワクチン接種を受ける機会を設けたことなどで、平成21年以降10~20代の患者数は激減しました。

また平成22年11月以降のウイルス分離・検出状況については、海外由来型のみ認めており、平成19・20年に国内で大流行の原因となった遺伝子型D5は認めておりません。

平成27年3月27日、世界保健機関西太平洋地域事務局により、日本が麻しんの排除状態にあることが認定されました。かつては毎年春から初夏にかけて流行が見られていましたが、排除後は、海外からの輸入例と、輸入例からの感染事例のみを認める状況となっています。麻しんの感染症発生動向調査に基づく最新発生報告数は、定期的に国立感染症研究所ウェブサイトに掲載されます。また麻しんに関する情報は、国立感染症研究所感染症疫学センターのウェブサイトで確認することができます。

症状

感染すると約10日後に発熱や咳、鼻水といった風邪のような症状が現れます。2~3日熱が続いた後、39℃以上の高熱と発疹が出現します。肺炎、中耳炎を合併しやすく、患者1,000人に1人の割合で脳炎が発症すると言われています。死亡する割合も、先進国であっても1,000人に1人と言われています。

その他の合併症として、10万人に1人程度と頻度は高くないものの、麻しんウイルスに感染後、特に学童期に亜急性硬化性全脳炎(SSPE)と呼ばれる中枢神経疾患を発症することもあります。

ワクチンについて

麻しんは感染力が強く、空気感染もするので、手洗い、マスクのみで予防はできません。麻しんの予防接種が最も有効な予防法といえます。また、麻しんの患者さんに接触した場合、72時間以内に麻しんワクチンの接種をすることで、麻しんの発症を予防できる可能性があります。接触後5、6日以内であれば、γ-グロブリンの注射で発症を抑えることができる可能性がありますが、安易にとれる方法ではありません。詳しくは、かかりつけの医師とご相談ください。 また、定期接種の対象者だけではなく、医療・教育関係者や海外渡航を計画している成人も、麻しんの罹患歴がなく、2回の予防接種歴が明らかでない場合は予防接種を検討してください。

麻しん含有ワクチン(主に接種されているのは、麻しん風しん混合ワクチン)を接種することによって、95%程度の人が麻しんウイルスに対する免疫を獲得することができると言われています。また、2回の接種を受けることで1回の接種では免疫が付かなかった方の多くに免疫をつけることができます。2006年度から1歳児と小学校入学前1年間の小児の2回接種制度が始まり、2008年度から2012年度の5年間に限り、中学1年生と高校3年生相当年齢の人に2回目のワクチンが定期接種として導入されていました。

ワクチン接種後の反応として多く見られる症状として発熱、発疹、鼻汁、咳嗽、注射部位紅斑・腫脹などがみられます。重大な副反応として、アナフィラキシー、急性散在性脳脊髄炎(ADEM)、脳炎・脳症、けいれん、血小板減少性紫斑病ごく稀に(0.1%未満)報告されていますが、ワクチンとの因果関係が明らかでない場合も含まれています。

なお、麻しん含有ワクチンは、ニワトリの胚細胞を用いて製造されており、卵そのものを使っていないため卵アレルギーによるアレルギー反応の心配はほとんどないとされています。しかし、重度のアレルギー(アナフィラキシー反応の既往のある人など)のある方は、ワクチンに含まれるその他の成分によるアレルギー反応が生ずる可能性もあるので、接種時にかかりつけの医師に相談してください。

【DIME】

農水省、感染力あるウイルス確認

2019/04/03

r

 農林水産省は2日、中国からの旅客が持ち込んだ二つのソーセージに、アフリカ豚コレラの生きたウイルスを確認したと発表した。感染力のあるウイルスの持ち込みが分かったのは初めて。違法な畜産物の持ち込みに対し、家畜伝染病予防法に基づく告発など対応を強化する方針も明らかにした。

 生きたウイルスがいた豚肉のソーセージは今年1月25日に中部空港で発見した。上海と青島を出発した航空機で来た中国人とみられる2人がそれぞれ持ち込んだ。2人に直接の関係はなく、土産用として持ち込んだとみられる。

【共同通信】

《ブラジル》アマゾナス州=H1N1で17人死亡=予防用の薬剤探す人も急増

2019/03/12

アマゾナス州では、H1N1ウイルスによるA型インフルエンザが例年より早く流行し、少なくとも17人が死亡。消毒用のアルコールやビタミンC剤など、予防用の薬剤を買い求める人も急増中と6日付G1サイトが報じた。
 同州健康監視財団(FVS)によると、同州で確認された重症のインフルエンザ患者は301人で、69人はH1N1型ウイルス、45人は呼吸器合胞体ウイルス(SRV)に感染していた事が確認されている。残る187人については病因を解析中だ。
 同財団によると、H1N1による死者17人の内、マナウス市在住者は13人で、残りは、マナカプル市2人、パリンチンス市とイタコアチアラ市各1人だ。また、SRVによる死者4人の内、3人はマナウス市、残りの1人はボルバ市在住者だった。
 季節外れのインフルエンザ流行を受け、同州ではインフルエンザの予防接種を前倒しする事も検討されているが、手を洗うなどの基礎的な予防手段も有効だ。
 予防対策としての手洗いは石鹸と流水を使うのが最も効果的だが、70度のジェル状アルコールも殺菌効果が高い。
 また、免疫効果を高めるためのビタミンC摂取も勧められている。野菜や柑橘類を毎日食べるのが理想的だが、ビタミンCのサプリメントも効果がある。
 マナウス市内ではアルコールやビタミンC剤などの需要が高まり、薬局での売り上げは例年より35%も増えている。需要の急増に追いつけない薬局も出ているようだ。

【ニッケイ新聞】

ベトナムで豚コレラ拡大 タイ当局も警戒

2019/03/12

日本でも広く報じられているウイルスによる家畜伝染病「豚コレラ」の感染被害が、今年2月以降、東南アジアのベトナムで広がっている。昨年8月に初めて感染が見つかった北隣の中国から何らかの形でウイルスが運ばれたと見られているが正確な感染ルートも効果的な予防策も見つかっていない。陸上で国境を接するインドシナ半島の周辺諸国では不安を募らせており、同様に豚の消費量が多いタイでも農業・協同組合省畜産局が感染の伝播や汚染された豚肉の国内持ち込みを防止しようと水際対策を続けている。

【日本食糧新聞】

アパレル申洲国際、ナイキ向け工場を着工

2019/03/12

中国浙江省寧波市のアパレルメーカー、申洲国際集団は6日、カンボジアの首都プノンペン郊外にあるプノンペン経済特区(SEZ)で米ナイキ向けの新工場に着工した。クメール・タイムズ(電子版)が伝えた。

馬建栄会長は、着工式典で「中国の広域経済圏構想『一帯一路』に合わせて、カンボジアへの投資を進めている。今後も投資を拡大し、カンボジアの発展に貢献する」と説明。ナイキのマーク・グリフィー副社長は「申洲国際は当社の製品を3カ国で生産しており、最も重要な委託先の1社だ」と強調した。

申洲国際はカンボジアで2005年からナイキ製品の受託生産を手掛け、同国での投資総額は新工場も含めて1億5,000万米ドル(約167億円)に上る。カンボジアでは3,000人以上がナイキ製品の生産に従事し、欧州を中心に出荷している。

【NNA ASIA】


タイ高速鉄道:日本の国際協力銀行、EEC路線を支援検討

2019/03/12

3ff9711c0720d6d5011af6e625ca7949

日本の政策金融機関である国際協力銀行(JBIC)は今週木曜の2019年3月7日、タイ政府と、タイ高速鉄道のEEC路線などへの融資を協議しました。

報道によると、3月7日の協議には、タイ政府側はプラユット首相、ソムキット副首相が参加、日本の国際協力銀行(JBIC)は前田匡史総裁が参加して、タイの首相官邸で実施されました。

協議後、タイのソムキット副首相は「日本の国際協力銀行(JBIC)は、日中協力を背景にした、EECを含む地域への大規模な投資を支援するための資金援助をするという方針」だと語りました。

これにはタイ高速鉄道の所謂「EEC路線」を含みます。この路線はバンコクのドンムアン空港、スワンナプーム空港、ラヨーンのウタパオ空港の3つの空港を結ぶ路線で、融資の対象はこの路線の、総額2240億バーツの高速鉄道建設プロジェクトです。

協議はこの後も、引き続きタイ政府と日本の国際協力銀行(JBIC)とで実施される予定です。

プラユット首相は、タイ政府はこのタイ高速鉄道プロジェクトを支持しており、EECエリアがタイの製造業の拠点となる事を語った上で、このEECエリアでは日本が最大の投資国だと語りました。

プラユット首相は「以前から日本はタイと、タイ国内に教育機関を設立するプロジェクトでも協力しています。この教育機関や教育センターは今後EECエリアにも支部を作る事が期待されています。」と語りました。

報道されている概要は上記の通りです。

この日本の国際協力銀行(JBIC)の前田総裁との3月7日の協議については、タイ首相官邸も発表をしています。

この発表の中でタイ首相官邸は、タイ高速鉄道のEEC路線は日中協力を背景とした路線であり、このタイ高速鉄道のEEC路線への融資に日本の国際協力銀行(JBIC)が主導的役割を果たす事に感謝すること、EECはタイ製造業の中心となる事が見込まれており、日本はこのEECエリアへの最大の投資国であること、協議ではプラユット首相はタイでの人的開発についても協議をした事を発表しました。また、日本の国際協力銀行(JBIC)の前田総裁はプラユット首相へ、アセアンの議長としての役割を称賛し、日本がアセアン地域とともに、協力が推進されていく事を期待すると語ったとしています。

PJAニュースの以下の過去記事の通り、タイ高速鉄道の中で実現性が高いEEC路線も、政治主導で日中協力事業となった事で、どうなるか推移に注目が集まっていますが、日本の政策金融機関である国際協力銀行(JBIC)が前田総裁まで来泰して交渉しており、融資に前向きである事が伝えられました。



資規模も具体的に2240憶バーツとタイメディアで報道されていることから、具体的な融資額の落としどころを早く見つけたいという思いも窺えます。

一方で日本人としては、EECエリアの開発が進むのは嬉しいものの、日本の政策金融機関である国際協力銀行(JBIC)が大規模な融資をしてタイ高速鉄道のEEC路線を実現するなら、中国政府に「一帯一路」の一環だと位置付けられたままで実施するのではなく、タイと日本の協力の為のプロジェクトとして、実施して欲しいと思います。

できれば高速鉄道も中国の鉄道を輸入するのではなく、日本の高速鉄道を日本企業が導入してくれるのが良いのですが、現状の交渉内容だと、これはかなわなそうですね。

現状、このタイ高速鉄道のEEC路線は以下の過去記事の通り、タイの有力財閥であるCPグループが率いるコンソーシアムが最低価額を応札し、タイ国営鉄道(SRT)との交渉をしており、次回は3月19日に交渉の予定となっていますが、今だ折り合いがついていません。

タイ高速鉄道計画ではバンコクのドンムアン空港、スワンナプーム空港、ラヨーンのラヨーン空港の3空港を結ぶ、いわゆる「EEC路線」について注目が集まっていますが、タイ国営鉄道(SRT)は昨日、同路線についてタイ有力財閥のCPグループ率いるコンソーシアムとの協議を、3月19日に延期した事を語りました。


同コンソーシアムは最低価格で応札しましたが、タイ国営鉄道(SRT)側の要望と、内容がいまだに折り合いがつかず、協議は遅れています。CPグループのコンソーシアムとの契約がまとまらなかった場合、次に応札額を

CPグループとの交渉がまとまらなかった場合、次はBSRジョイントベンチャーが交渉に入るとしています。これはタイのバンコクのBTSなどが中心となった企業グループとなりますが、いずれにしても、日本が主導して進めるというものとはならないと見込まれます。

日本の国際協力銀行(JBIC)との交渉も続くタイの高速鉄道の今後の展開に、注目が高まります。出しているBSRジョイントベンチャーが交渉に入る見込みです。


【PJA NEWS】




中国「一帯一路」 にイタリア参加へ 米国とベルギーが懸念

2019/03/12

イタリアは3月末​にも「一帯一路」構想への参加​する可能性がある。イタリアの​ミケーレ・ジェラーチ経済復興省政務次官​は声明を表し、目前に迫った中国の習近平国家主席のイタリア訪問時に了解覚書に調印する見通し​を明らかにした。

英経済紙「フィナンシャル・タイムズ」によれば、中国主導の大規模インフラ計画​「一帯一路」​への​イタリアの​​参加の意気込みに対し、米国は批判的な反応を示し、ベルギー​も​懸念を表明している。

米国政府は、このプロジェクト​は​イタリア経済の助け​にはならず、イタリアの国際的イメージに重大な損害を与える恐れがあると主張​してい​る。米国では「一帯一路」構想は、「中国の利益のために中国が創設したイニシアチブ」と呼ばれている。

ベルギー政府の懸念は、EU諸国への直接的対外投資の​管理の​新​スキームに反映された。この​スキーム​は今年4月から実施される予定だ。

しかし、イタリア​の最近の行動を見ると、​欧州委員会と​の間に​対外投資に対する統制を調整する​意思に欠けている。イタリア政府は、中国の投資がインフラ再建の​一助となることを望んでいる。

イタリアの希望の根拠は、​中国政府による「一帯一路」構想の貿易とインフラのイニシアチブ​を​世界銀行が、アジアや欧州、アフリカ、中東の60カ国以上を陸路と海路で結び、プロジェクト参加国間の貿易を3.6%増やし、また、世界貿易も2.4%増加させると評価しているためだ。

【Sputnik日本】

古賀茂明「安倍総理の読み違いで米韓中ロが描く北朝鮮バブルから取り残される日本」

2019/03/12

今年2月末に行われた米朝首脳会談は、何の合意も共同会見もないまま終わった。どうしてこうなったのか、はっきりしたことはわからない。
ただ、北朝鮮とアメリカ双方とも、戦争を回避しようと考えるのであれば、交渉をまとめるしか道はない。日本政府は、アメリカがいい加減な妥協をしなくて良かったと思っているようだが、それは事の本質を見誤った判断である。

私は、オバマ大統領時代から、一貫して、米朝は妥協するしかないと見ている。

 日米韓だけではなく、金正恩朝鮮労働党委員長の立場に立って考えれば、そのことは明らかだ。

 はじめに、私が、2013年4月に「北朝鮮を見誤る米日」というタイトルで某週刊誌に書いたコラム記事を紹介しよう。当時としては、かなり思い切った見方だったかもしれないが、この記事から6年近く経った今日、ようやく、この基本的な構造が誰にでも理解できるようになったと思う。

北朝鮮はいつミサイルを発射するのか。誰にもわからないが、実は、それはあまり重要なことではない。

「金正恩は世界の常識を理解しない人間だから、彼の行動は合理的に予測できない。それが最大のリスクだ」という論評をよく聞く。その前提となっている世界の「常識」とは何か。平たく言えば、「国際社会を仕切るのは、基本的には戦勝国であり国連安保理における拒否権を持つ5大国(米、ロ、中、英、仏)である。5大国以外は核保有は許されず、それに反する行動をとる国は国際法違反のならず者である。ならず者には国際社会が一致して制裁を与えることにより、その国を矯正して国際秩序を守らなければならない」というものだ。この「常識」に挑戦するものは最終的には抹殺されても仕方ない。イラクのフセイン政権がその例だ。

 一方、少しだけ想像力を働かせて金正恩の思考を推測してみると別の論理が見えてくる。「北朝鮮も米国も平等に主権国家である。アメリカが核を持つ権利を有し、北朝鮮にその権利がないのは不公平だ。米国は、何の根拠もなくイラクのフセイン政権を倒した。いつ北朝鮮を攻撃してくるかわからないならず者だ。ならず者に対する正当防衛の手段として核を持つのは当然の権利だ。インド、パキスタン、イスラエルも持っている。北朝鮮に核放棄を求めるなら米国も核を放棄せよ」というのが金正恩の理屈だ。

さらに、金正恩は欧州で教育を受けて世界情勢を知っている。「このままでは北朝鮮経済は早晩行き詰まり、最後は政権の崩壊につながる。自分にとっては死を意味する。しかし、米国に対抗して通常戦力整備に際限ない資源を投入している現状では、経済成長の実現は不可能だ。何とかして米と対等な立場に立ち、米朝平和協定を結んで安定した環境下で経済改革にまい進したい。どうせ死ぬなら、最後に局面打開のために命がけの賭けに出てみよう」と考えているのではないか。

 以上が金正恩の考え方であると仮定すると、現在の北朝鮮の行動は、非常に理にかなっている。ミサイル発射も核実験もブラフではない。米国が譲歩しない限り、核実験とミサイル発射を繰り返し、最後には小型核弾頭と長距離ミサイルの開発を終了、さらに、それをイランに売却するというカードをちらつかせるだろう。米国は否が応でも北朝鮮を事実上核保有国と認めざるをえなくなる。

 現時点では、北朝鮮の作戦は極めて有効に機能している。韓国経済に打撃を与え、米韓ともに対話路線を模索する姿勢を見せ始めた。

 中国も、ある意味では過去のパラダイムに浸っていた。本気になれば北朝鮮の息の根を止めるのは容易だと思っていたが、それは、これまでの国際「常識」が前提であった。北朝鮮からの難民大量流入や北朝鮮崩壊により米国の核の傘下にある韓国と直接国境を接する事態を確実に避けながら、自爆覚悟の北朝鮮をコントロールする術はない。

 5大国が特別の権利を得たのは、戦争に勝ったからだ。つまり、それは力でもぎ取った権利だといってよい。北朝鮮はそれに公然とチャレンジしている。力でもぎ取った権利を守るには、最後は北朝鮮を力で叩き潰すしかない。事態はそこまで進んでいる。

 力で戦後の「常識」を守るのか、それとも、事実上「常識」の変更を認める交渉に入るのか。

 極東地域の支配秩序が明らかにパラダイム転換を迎えつつある。未だに声高に北朝鮮を非難するだけの日本の政治家と外務省は米国同様それに気づいていないのではないか。

以上、驚くほど現在の状況にぴったりの内容だ。

■金正恩委員長の心境を考えてみる

 今紹介した記事に書いたとおり、金正恩委員長は、北朝鮮の国家体制を守ること(それは自分がアメリカに殺されないことと同義)及び北朝鮮の経済復興を成し遂げることが自分の使命だと考えている。後者についてもう少し具体的に考えてみよう。

 北朝鮮の経済は非常に厳しい状態に置かれている。経済制裁によるところが大きいが、そうではなくても、韓国などに比べて大きく後れをとっている。最近では中国にも引き離され、中朝国境を行き来する北朝鮮人民から見れば、その落差は歴然だ。いくら鎖国政策を取っていても、少しずつ情報は広がる。これ以上困窮状態が続けば、いずれは人民蜂起という事態もあり得る。それは、国家の崩壊だけではなく、自分自身の死を意味する。金氏は、終身独裁者だ。この点は他の先進諸国のリーダーとは根本的に異なる。これから40年、あるいはそれ以上の期間、体制を維持しなければならない。アメリカから攻撃されなくても、その40年を鎖国状態のまま乗り切れることはないということは、スイスで教育を受けた金氏にはよくわかっているはずだ。だから、核・ミサイルと同じかそれ以上に経済復興が優先課題だと考えているのだ。

 先代の金正日委員長は先軍政治を掲げていた。金正恩氏もそれを引き継いだが、すぐに、これを経済復興と核・ミサイル開発の「並進路線」に転換した。さらに、昨年1月の新年の辞では、経済最優先路線を宣言し、4月の朝鮮労働党中央委員会総会で正式にそれを決定した。米側から国を守ることは、自分が生き延びるための必要条件ではあるが、十分条件ではない。経済復興という条件を満たして初めて自分の身が守られるということを理解したうえで方針転換を図ったのだ。

■「不信の溝」は米韓側にも責任

 トランプ大統領も金委員長の考え方をよく理解している。だからこそ、最近の交渉では、北朝鮮の経済発展の可能性について、ことあるごとに強調しているのだろう。非常に実利的に、金委員長に、「不信の溝」を「経済的利益」という餌によって乗り越えさせようという作戦だ。

これは非常に理にかなっているのだが、金委員長は、自国の経済発展に必要な制裁解除を得るための譲歩をする際に、命綱である核とミサイルは、体制の保証が確保されるまでは絶対に手放すことはないはずだ。最後は放棄しても良いと思っていたとしても、彼の頭の中には、体制保証を得ないうちに先に核開発を放棄して、後に政府を転覆されたリビアのカダフィ大佐の例が心に深く刻まれている。

 安倍政権は、北朝鮮は嘘つきだから信用されないのは当たり前だ、だから、信頼されたければ、まず、北朝鮮が非核化の後戻りできないステップを踏むべきで、制裁解除はそれまでは検討すらするべきではないと考えているようだが、これは完全に間違っている。

 なぜなら、この「不信の溝」を形成した責任は、北朝鮮だけでなく、アメリカ、韓国にもあるからだ。古いことはさておいても、アメリカが北朝鮮の体制崩壊を狙っていたことは、明らかだ。「斬首作戦」なる軍事作戦もあった。金氏を殺害する計画をつい最近までなかば公然と実施していたのだから、同氏から見れば、うかつに米側の言葉を信じて核とミサイルを放棄した途端に自分は殺されるかもしれないと思うのは当然だ。その不信感を生んだ責任は米韓側にある。

 さらに、トランプ大統領が信じられるとしてもそれだけでは不十分だ。ボルトン大統領補佐官ら強硬派もいるし、20年の大統領選挙でトランプ大統領が失脚すれば、次の政権がどう出るかわからない。

 それにもかかわらず、例えば、米側が、非核化の重要なステップと位置付けている核施設の包括的なリストの提供という行為を北朝鮮が実施すれば、その後交渉が決裂した時に、その施設をピンポイントで先制攻撃されてしまう。それでは、北朝鮮は、唯一のカードを失い、全く勝負にならなくなる。

 つまり、いくら金委員長に、先に非核化の後戻りできないステップを踏めと言っても、無理な話なのだ。今のままなら、決裂しても、隠してある核爆弾とミサイルで攻撃するぞという脅しが生きている。したがって、決裂するなら今のままがよいということを金委員長は考えているだろう。

逆に言えば、アメリカが、北朝鮮を攻撃したり、裏で動いて体制を崩壊させるようなことを絶対にしないという確信が持てれば、核もミサイルも必要なくなる。これが論理的帰結だ。

■「経済的損得勘定」で「信頼」までたどり着けるか

 上記のように考えると、今後の米朝交渉が成功する可能性はまだ十分にあると見るべきだが、その際、核・ミサイル廃棄には時間がかかることをよく理解することがカギとなる。

 これを理解すれば、北朝鮮が核とミサイルの開発を止めることを最低条件としつつ、その後は、体制保証と経済的利益について、米側が段階的譲歩を繰り返し、北朝鮮もそれに見合った形で段階的譲歩を重ね、それによって、徐々に相互の信頼関係を構築するしかないという結論になるだろう。

 逆にこれに反対するなら、それ以外の良い方法を示すことが必要だ。おそらく、戦争覚悟の単純圧力路線しかないということになるのではないだろうか。

 これまでのところ、両者の間の信頼を少しずつ高めるのに大きな役割を果たしてきたのが韓国の文在寅(ムン・ジェイン)大統領だということも忘れてはならない。韓国にもまた、米朝間で戦争が起きたら最大の被害者になるのは自分たちだという危機感がある。その思いの切実さは、我々日本人には想像することもできないことなのではないだろうか。

■ 段階的相互譲歩作戦は日本にも大きな利益

 日本の好景気は戦後最長になったようだと政府は言っていたが、直近の景気動向指数によれば、景気後退局面に入ったのではないかという状況になっている。米中貿易戦争は一時的小康状態になる可能性は高いが、その本質は米中の覇権争いであり、抜本的解決は見込めない。一方、蜜月関係が演出されている日米間では、「TAG(物品貿易協定)」だと偽った日米通商交渉が、これから本格化し、安倍トランプ選挙互助会の暗黙の了解に従って、夏の参議院選挙後には、厳しい譲歩を迫られることになるだろう。自動車関税25%引き上げや為替介入条項という話が出て来るかもしれないし、世界貿易がさらに縮小する事態も十分にあり得る。

アベノミクスが順調に見えたのは、世界経済の好調を背景に日本の輸出が増え、企業収益が大幅に改善していたからだ。その頼みの綱である外需が頭打ちになれば、アベノミクスはたちどころに変調を来す。しかも、将来有望な産業も企業も全く育っていない。

 一方、米朝交渉が段階的相互譲歩のシナリオで進めば、北朝鮮への経済支援が段階的に可能になる。

 ここから先は、昨年6月18日の当コラムでも紹介したが、北朝鮮のGDPは日本円で1.8兆円(2016年)ほどに過ぎないものの、国民の教育水準は低くなく、12万平方キロの国土に約2500万人の人口を抱えている。周辺に日本、韓国、中国東北地方、ロシア極東地域が広がり、米朝和解で地政学上のリスクがなくなった後は、この国は“北東アジアの新しい経済フロンティア”となり得る。現に、それを見越して、韓国では、大手企業がこぞって、一昨年あたりから、対北朝鮮投資に向けて本格的な準備を進めている。アメリカのGEなどが北朝鮮詣でをはじめたというニュースも報じられた。中国でも、北朝鮮国境地帯の丹東では、北朝鮮バブルで不動産価格が高騰し、経済も絶好調だ。ロシアも中国への投資拡大を狙って動いている。

 投資の神様と言われる米投資家のジム・ロジャーズ氏は、南北朝鮮が統合すれば、日本は太刀打ちできないという予想をつい最近出した。

■日本の最大リスクは安倍総理

 そんな北アジア情勢の中で完全に「蚊帳の外」状態の日本はどうすべきなのか。

 実は、02年の日朝平壌宣言で、日本は北朝鮮に経済協力を約束している。この考え方を推し進めて行けば、日本の出番があるかもしれない。
18年4月の南北首脳会談で署名された「板門店宣言」では、ソウルから平壌を経由して中朝国境に至る「京義線」の他に、ロシア国境から朝鮮半島東部沿岸を縦断する「東海線」について、鉄道と道路の高度化を目指すと書いてある。その東海線をシベリア鉄道、さらには日韓海底トンネルを建設して九州と連結すれば、日本から朝鮮半島・ロシアを経由してヨーロッパにつながる壮大なユーラシア横断鉄路が完成する。中国の一帯一路構想と並ぶプロジェクトになるかもしれない。新幹線を売り込むことも可能だ。

北朝鮮の電力インフラの整備に乗り出し、そのついでにモンゴルで太陽光発電した電力を日本に送る巨大な送電網=アジアスーパーグリッドの建設構想推進の主役になってもいいだろう。日本のソフトバンクグループはこの構想に深くかかわっている。

 早い段階から北朝鮮と経済協力の構想を話し合うなかで相互間に信頼が生まれれば、決して容易ではないが、拉致問題の早期全面解決も視野に入るかもしれない。

 しかし、ここで最大のネックになるのが安倍総理だ。表面的には、金委員長との直接対話に乗り出すと言っているが、はっきり言って、1年遅かった。昨春以降、韓国に続きアメリカが融和路線に切り替えた時にすぐに路線転換すべきだったが、ひたすら北朝鮮に敵対するだけの姿勢を貫き、完全に道を間違えたのだ。

 安倍総理のせいで、北朝鮮は日本に対して並々ならぬ敵意を抱いている。それを帳消しにしてもらうのは大変だ。しかも、頼みのトランプ大統領は「対北経済協力資金は日韓が拠出する」と公言している。日本の国民は、安倍総理のおかげで、おそらく数千億円単位あるいはそれを超える負担をさせられることになるだろう。下手をすれば、資金供与だけを求められ、経済プロジェクトに関与できないということにもなりかねない。

 もう手遅れかもしれないが、 安倍総理は、脇役として、南北米三者の努力を側面からサポートすることに汗をかくべきだ。それ以外に汚名返上の道はないだろう。

【アエラドット朝日新聞出版】