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MERS「緊急事態」は宣言されるのか

2015/06/19

    
重い肺炎などを引き起こす「MERSコロナウイルス」の感染が広がり続ける韓国。韓国の保健福祉省は、15日、新たに2人の死亡が確認され、死亡した人は16人、感染者は150人になったと発表しました。
不安が広がるなか、WHOは16日、このMERSの感染拡大について「緊急事態」を宣言するかどうか議論する緊急委員会を開催します。緊急事態は宣言されるのか、そもそも、この宣言は、どのようなもので、宣言されるとどうなるのか。田中陽子記者が解説します。

増え続ける韓国の感染者

韓国では15日も新たに5人がMERSコロナウイルスに感染していると確認され、先月20日に最初の患者が確認されてから3週間余りで、感染者の数は150人に達しました。このうち死亡したのは16人です。

韓国政府は、今のところ感染の広がりは基本的に医療機関の中にとどまっていて、誰から誰に感染したのかという感染のつながりは追えている状態だとしています。ただ、韓国では感染者が増え続けていることから不安も広がり、繁華街の人通りがまばらになったり観光客が減るなどの影響が出ているといいます。

WHOの緊急委員会って何?

こうしたなか、WHO=世界保健機関は16日、専門家らによる緊急の委員会を開いて対策などについて議論することにしています。この緊急委員会、MERSコロナウイルスによる感染症が、「国際的に懸念される公衆の保健上の緊急事態」に当たるのかどうかを認定するための会議です。つまり、この病気を取り巻く状況が世界に広がっていくおそれのある”異常事態”になっているかどうかを判断し、注意を呼びかけるというものです。

この宣言は、WHO憲章第21条に基づく「改正国際保健規則」に定められたもので、感染症が国際的に広がっていくことを防ぐ対策を加盟国に求めるための仕組みです。「緊急事態」が宣言された場合の対応は、病気の種類やその時の状況によって変わってきますが、一般的に、その国への渡航についてなんらかの注意喚起がなされたり、検疫を強化したりなどの対応が取られることになります。

2007年に、この仕組みが運用されはじめて以降、緊急事態が宣言されたのはこれまで3回。▽2009年4月、当時の新型インフルエンザが発生したとき、▽2014年5月、ポリオがシリアやパキスタンから隣国などに広がりを見せたとき、▽2014年8月、西アフリカでエボラ出血熱の流行が広がったときです。

緊急事態は宣言されるの?

では、今回、この緊急事態は宣言されるのか。

緊急委員会は、世界各国の専門家で作られ、16日は電話やテレビを使った会議が開かれる予定です。これについては、今のところ日本の専門家の間では宣言されないだろうという見方が多数を占めています。というのは、これまでMERSに関する緊急委員会は8回開かれていますが、いずれも緊急事態は宣言されていないことに加え、今回開くにあたっても感染の広がりの状況はこれまでとあまり変わっていないという見方だからです。

緊急事態の宣言にあたっては、4つの基準が設けられています。この中に、異常事態であるかどうかや国際的に広がる懸念があるかどうかという項目があります。
これについて、まず、(1)韓国での感染の広がりは今のところ、基本的に医療機関での感染にかぎられていて、誰から誰に感染したか感染のつながりが追えているため国際的に広がる懸念がある状況ではないこと、(2)また、これまで感染者が出続けている中東地域でも、誰から感染したか分からない患者は一定程度いるものの、その人から街の中でどんどん感染が広がっている状況ではないこと。

こうしたことから、状況を注意深く見守っていく必要があるものの、宣言が行われる状況には至っていないのではないかというのです。ただ、一方でWHOは、去年西アフリカを中心に大流行し、今も感染が続く「エボラ出血熱」で対策が遅れ、強い批判を受けています。そうした背景から、今回は宣言を出すことになるかもしれないとみる専門家もいます。

宣言されると日本は?

もし、「緊急事態」が宣言されると、日本ではどのような対応が取られるのでしょうか。これは、宣言の内容次第ですが、韓国から入国する人たちへの検疫を強化するなどの対応が検討されることになります。いずれにしても、韓国での感染の広がりの状況とWHOからの情報を注目してみていく必要があります。
【NHK NEWS WEB】

社説:MERS 上陸前提に国内対策を

2015/06/16

 韓国で感染拡大が続く中東呼吸器症候群(MERS)は終息のきざしがみえない。感染者は約150人に上り、死亡者も16人になった。感染者と接触した可能性があるとして自宅待機となった日本人もいる。

 感染は医療機関を中心に起きており、死亡者も慢性疾患を持つ人や高齢者だ。市中で感染が広がっている状況ではなく、過剰に恐れる必要はない。ただし、油断は禁物だ。韓国で感染が広がった原因は初動対応のまずさにあると考えられる。日本もMERS上陸を前提に、十分な備えを怠らないようにしたい。

 MERSはコロナウイルスの仲間による呼吸器感染症で、2012年6月にサウジアラビアで初めて患者が確認された。もともとラクダが持つウイルスと考えられ、主に中東地域で感染者が発生している。世界保健機関(WHO)によるとこれまでに世界で1200人以上が感染し、450人以上が死亡。致死率は3〜4割といわれる。

 韓国の最初の患者も中東訪問から帰国した男性で、MERSと診断されるまでに4カ所の医療機関を訪れ、2次感染を広げた。MERSの初期症状は通常の風邪などと区別がつきにくいが、医療機関が中東への訪問歴を把握し適切に対処していれば感染拡大は防げた可能性が高い。

 その後も感染者が中国に出張したり、感染した医師が勤務を続けていたりと、リスク管理の甘さが明らかになっている。患者が複数の病院を次々たずねる「ドクターショッピング」や、混み合う病室、多くの家族が患者を見舞う文化的背景も感染拡大に影響しているとの指摘もある。当初、感染者が発生した病院名を非公表としたことも3次感染を広げることにつながったと考えられる。

 日本は、こうした韓国の状況も教訓としつつ、対応を進めたい。検疫体制の強化は必要だが、MERSの潜伏期間が2日〜2週間程度であることを考えると、水際で食い止めることは不可能だ。

 大事なことは、検疫すり抜けを前提に中東や韓国からの帰国者・渡航者で感染の疑いのある人を迅速に把握・診断し、感染者を隔離することだ。感染者と接触した人を追跡する体制も整えておく必要がある。重症化する患者を念頭に置いた対策も重要だ。流行地への渡航者も患者や感染源との接触を避け、帰国後に発病の疑いがあればまず保健所などに連絡するなど、感染を広げないようにしたい。

 一方で、MERSへの過度な警戒感が韓国社会や韓国人一般に対する差別的対応につながるようなことがあってはならない。感染症はどの国でも発生しうる。日本も国際社会と連携し封じ込めに当たりたい。

【毎日新聞】


致死率37% MERSが海を渡ってやってくる!

2015/06/16

韓国で「中東呼吸器症候群(MERS=マーズ)コロナウイルス」が猛威を振るっている。韓国の保健福祉省によると、先週末(13日)の段階で感染者が138人、死者が14人に達した。韓国では、16日にオバマ米大統領と会談する予定だった朴槿恵(パク・クネ)大統領が訪米を延期せざるを得なくなったほか、3000近い学校が休校するなど、社会的な混乱が広がる一方だ。

経済も麻痺しかねない。消費マインドの冷え込みを懸念して、韓国の中央銀行である韓国銀行は11日、政策金利を同国として過去最低の1.5%に引き下げた。
そこで問題として浮上してくるのが、30年近くにわたって「感染症対策の後進国」と言わる状況が放置されてきた、われわれの日本への影響だ。そこには、MERS騒動を「対岸の火事」と、安穏としているわけにはいかない現実が存在している。

【現代ビジネス】

韓国 MERS 死者16人感染者150人に

2015/06/15

  

重い肺炎などを引き起こす「MERSコロナウイルス」の感染が広がる韓国で、新たに2人の死亡が確認され、死亡した人は16人に上り、感染者は150人に達しました。
韓国の保健福祉省は15日、「MERSコロナウイルス」に感染し治療を受けていた61歳の男性と58歳の男性の合わせて2人が死亡したと発表しました。また、新たに5人が「MERSコロナウイルス」に感染していたことが確認され、これで、感染が確認されたのは150人に達し、このうち死亡した人は16人に上りました。新たに感染が見つかった5人は、すでに院内での感染が確認されたソウルや中部テジョン(大田)の病院など、いずれも病院の中で感染したということです。
また、保健福祉省は、感染が確認されたあと、治療を受けていた人のうち新たに4人が退院したと発表し、これで感染者のうち退院したのは14人になりました。
韓国政府は、感染者と接触した人など合わせて5200人を隔離するとともに、感染者と接触した可能性のある人の把握をさらに進めており、感染拡大の防止に全力を挙げています。
【 産経ニュース 】

WHOが専門家による緊急委員会を開催 MERSウィルスの対策協議で

2015/06/15




 世界保健機関(WHO)は、韓国で感染が急拡大した中東呼吸器症候群(MERS)コロナウイルスへの対応を協議するため、16日に専門家による緊急委員会を開催すると発表した。

 討議は電話で行い、「国際的な公衆衛生上の緊急事態」を宣言して、警戒水準を引き上げるかどうかを検討する。

 WHOがMERSを巡って緊急委員会を開くのは、中東などで感染が広がった2013年以後9回目。

 緊急事態宣言は、「世界的な流行の危険」があるかどうかが判断基準。宣言が出された場合、世界各国が協調して拡散防止策を強化することが求められる。16日の委員会では、韓国の封じ込め策の効果を踏まえ、国境を越えた拡散を食い止められるかどうかの見極めに重点が置かれる見通し。

 WHOは昨年8月、西アフリカでのエボラ出血熱流行に関して、緊急事態を宣言している。


【読売オンライン】



韓国MERS拡大させた「ドクターショッピング」!ウイルスまき散らしながら病院はしご

2015/06/15

         

   韓国のMERS(中東呼吸器症候群)の感染拡大が止まらない。週末にはついに4次感染者が出て、死者15人、感染者145人、隔離4856人になった。WHO(世界保健機関)は「なお感染が増える可能性がある」としており、主たる原因を「ドクター・ショッピング」にあるとした。あまり聞いたことがない言葉だ。

感染者は病院を転々!『新病』診断できなかった医者たち


   MERSが完治した77歳の女性がいた。8日間の集中治療の結果だという。話を聞くと、高熱、発汗、ものすごい咳が続いたという。だが、「エッ?」と思うことがあった。女性が最初に異変を感じたのが先月(2015年5月)の中旬のことで、病院を転々とした末にソウル大学病院でMERSと判明したという。ここで8日間の治療で治ったとすると、その前の半月近く、ウイルスをまき散らしながら外出し、病院に行っていたことになる。こうした患者が病院を次々に受診するのが「ドクターショッピング」だ。

   もうひとつ、感染拡大の原因になったのが見舞客だ。韓国では親戚や知人が入院すると大勢が見舞に訪れる。さらに、病室に患者を詰め込みすぎという指摘が以前からあって、これも院内感染の原因になった。

   きのう14日(2015年6月)、南部の釜山で62歳の男性が死亡した。ソウルから400キロ離れていて、感染は韓国全土に広がったとみていい。また、新たな感染者の1人は救急車の運転手の男性(70)で、初めての4次感染だった。

   最初の感染者は中東から帰国した男性(68)だ。かれも病院をいくつか経て平沢市の病院でMERSとわかった。ここで35歳の男性に感染(2次)、この男性がソウルのサムスンソウル病院を受診し、ここで75歳の女性が感染(3次)した。女性が救急搬送されたとき、運転していたのが4次感染の男性だった。運転手は感染後も76人の搬送に携わっていた。

【J-CAST ニュース】

韓国で流行しているMERS,パンデミックの兆し

2015/06/15

韓国MERS感染拡大で懸念される日韓経済への影響

2015/06/15

隣国・韓国で降って湧いた新型感染症、中東呼吸器症候群(MERS〈マーズ〉)の感染拡大。日本への上陸可能性も取り沙汰されるが、その影響は、すでに苦境に立たされていた韓国経済のみならず、日本でも旅行会社を中心に暗い影を落とし始めている。(「週刊ダイヤモンド」編集部 宮原啓彰)

 「旅行シーズンまでには何とか終息してほしい」──。国内旅行大手の幹部は、燃え盛る“対岸の火事”に危機感を募らせる。

 韓国で猛威を振るう中東呼吸器症候群(MERS〈マーズ〉)。MERSは、2012年に見つかったウイルス性の新型感染症だ。これまで、中東を主な感染地域とし、03年に流行した重症急性呼吸器症候群(SARS〈サーズ〉)のコロナウイルスに似たMERSコロナウイルスが病原体だ。ワクチンや治療薬はなく、致死率は約40%とされる。

 韓国では先月初め、中東から帰国した男性会社員が発症。だが、MERSと診断されないまま、病院を変えながら通院したことで、医療関係者や通院・入院先の患者が次々と感染した。韓国政府の後手に回った対応も相まって、感染者数は日々拡大、6月11日現在で122人、死亡者数は9人を数えている。隔離対象者数は10日に、前日から547人増の3439人となるなど、韓国は目下、パニックともいえる状況に陥っている。

 一方、日本では、厚生労働省が9日、国内上陸に際しての対応策を話し合う初の専門家会議を開いた。会議では、MERS発症者と接触した者で、発熱などの感染が疑われる症状がある場合は指定病院に入院。また、症状がない場合でも、状況により健康状態を保健所に報告する「健康観察」と外出自粛を求めることなどを決めた。

 「エボラ出血熱と同じくらい細心の対策が必要だ」。会議メンバーの1人、東北大学医学部の賀来満夫教授はMERS対策への“心構え”として、こう警告を発する。

 「韓国の感染が医療機関内に限定されているからといって、油断は禁物だ。韓国は人的交流が最も活発な国の一つで、日本への上陸を否定する材料はない」

 韓国保健福祉部の対策本部は8日、最初の患者から多数の二次感染者を出した平沢聖母病院で新たな感染者が出ていないことなどをもって、「第1次の流行は終息した」と発表するなど、韓国政府は国内外で高まる不安と政権への不満を払拭しようと躍起だ。

 だが、9日から世界保健機関(WHO)が韓国政府との共同現地調査を開始。日本の感染症対策関係者からは「WHOは本当に、韓国の(第1次の流行の終息という)判断が正しいのかを含めて調査することになる。朴槿恵大統領が10日、(14日から予定されていた)訪米を延期したのは、韓国側にも感染のさらなる拡大への懸念が消えていないことの表れではないか」という疑念の声も出る。

MERS感染拡大で、懸念されるのは日韓双方の経済への影響だ。  ただでさえ韓国経済は、ここのところの円安ウォン高によってけん引役である輸出産業が大打撃を受けており、MERSによる国内消費の落ち込みが追い打ちをかけているからだ。実際、6月第1週の韓国の百貨店売上高は5月第1~2週に比べ25%も減った。さらに、遊戯施設の来場者数は前年同月比で6割減、その他の商業施設やスポーツ観戦などへの来場者数の落ち込みも同様で、終息に時間がかかるほど影響は甚大になる。  観光業への影響も無視できない。すでに韓国を訪れる旅行客のキャンセルが相次いでおり、交通機関や宿泊施設は対応に追われている。  ただし、バークレイズ証券の試算では、今後3カ月にわたって訪韓旅行者が前年比で50%減に落ち込むという「最悪シナリオ」の場合でも、韓国の名目GDPを0.14%押し下げるにすぎないという楽観論もある。  いずれにしても、韓国の封じ込め対策の成否をもどかしい気持ちで見守っているのが、日本の旅行会社だ。 「実は、今月に入り、韓国へのツアー客の予約のうち、4分の1がキャンセルされてしまった」と大手旅行会社幹部は明かす。 「キャンセル料は客の負担なので、今のところは売り上げにさほど影響はない。だが、7月の予約客は様子見の段階で、夏季休暇や秋の修学旅行シーズンまで長引くとかなり苦しくなる」  昨今の日韓関係の冷え込みで、韓国への旅行者数が低迷する中、ここにきて、大企業を中心に夏のボーナスが増額されたことで、ハワイや欧州などメインとなる海外旅行先に追加する「プチ海外旅行」先として韓国が選ばれるケースが増えていたところに冷や水を浴びせられた格好だ。  サーモグラフィーメーカーなどの関連株のほか、韓国に進出する国内スポーツ用品メーカーなどの株価が乱高下を見せる一方、韓国への出張を自粛する企業も増える。じわりと広がってきた国内への影響が、旅行業界を超えてどこまで波及するのか、予断は許されない。 【ダイヤモンド・オンライン】

韓国のMERS感染者145人に、スロバキアでは韓国人男性が入院

2015/06/15

 

  韓国保健福祉省は14日、新たに7人の中東呼吸器症候群(MERS)コロナウイルスの感染者が確認されたと発表した。

 韓国での今回の流行でこの病気にかかった人は145人となった。うち14人が死亡し、10人が回復して退院している。新規患者のうち4人はソウルのサムスンソウル病院で感染した。感染の恐れがあるとして自宅や病院で隔離されている人は14日時点で4856人。

 70人以上の感染者を出した同病院は14日、感染拡大を防ぐため、外来患者の治療、入院患者の新規受け入れ、急を要しない手術を含む業務の大半を停止した。今月24日にこの措置を継続するか決めるという。

■スロバキアで韓国人男性が入院

 一方、MERSコロナウイルスに感染していたとみられる韓国人男性が13日、訪問先のスロバキアの首都ブラチスラバで入院した。男性はスロバキア国内で操業している起亜自動車の下請け企業の従業員で、今月3日にスロバキアに入国していたという。

【AFPBB News】.

韓国:医療施設以外で初のMERSウィルス感染者確認される

2015/06/15

韓国では、コロナウイルス感染者を搬送した救急車の運転手がウイルスに感染し、病院以外でMERS(中東呼吸器症候群)に感染した初めての症例が確認された。韓国の新聞「トナイルボ」が報じた。

これまで韓国では、人から人へのコロナウイルスの感染は、医療施設内だけで生じたと考えられていた。

ここ数日、韓国内では、12人がコロナウイルスに感染した。新聞報道によれば、救急車の運転手は、5日と6日、感染者を病院に搬送したという。韓国保健福祉省のデータでは、これまでに国内でコロナウイルス感染が確認されたのは138人、そのうち14人が死亡した。


【Sputnik 日本 】

韓国MERS,感染者増加の可能性=WHO

2015/06/15

 世界保健機関(WHO)の専門家チームは13日、韓国で広がる中東呼吸器症候群(MERS)コロナウイルスの感染について、世界の他地域の例と比較して規模が大きく複雑だとし、今後数週間で感染者数がさらに増えるとの見方を示した。

【 時事通信 】

韓国MERS:WHO,対応遅れ指摘「4次感染」初確認

2015/06/15

韓国で感染拡大が続く中東呼吸器症候群(MERS)コロナウイルスの調査をしている韓国政府と世界保健機関(WHO)の合同調査団は13日、中部世宗(セジョン)市で記者会見し、感染拡大の要因について「多くの医師がMERSになじみがなく当初、感染(の可能性)を疑わなかった」と、医師の初期対応の遅れを挙げた。また、今後の見通しについて「短期間で終息するとは予想できない」との見方を示した。  WHO側代表のケイジ・フクダ事務局長補は感染拡大について、医師の対応の遅れのほか「応急処置室や狭い病室に多人数の患者が入っていたことなどが関連する可能性がある」と指摘した。また、「韓国での流行は大規模で複雑な状況であり、現在取っている措置が完全な効果を発揮するには数週間かかる」と述べた。  一方、合同調査団はコロナウイルスそのものが変異して感染力が強まっているわけではないことも確認。現時点で医療機関外の地域社会に感染が広がっている証拠はないとも強調した。ただ、今後もそうした可能性について継続して監視する必要があるという。  一方、韓国保健福祉省は13日、新たに12人の感染者を確認し、感染者数は計138人となったと発表した。死者も1人増えて計14人となった。新たな感染者の中には、最初の感染者を含め3人を経て感染した「4次感染」の事例が初めて確認された。4次感染した男性は、感染した患者を運んだ救急車の運転手だった。  WHOは今月9日から韓国政府と共に調査を続けていた。 【毎日新聞】

韓国、MERS対策の前線スタッフが疲労の極限「ウィルスより恐ろしい」―香港メディア

2015/06/15



香港・東網は12日、中東呼吸器症候群(MERS)の感染拡大が続く韓国で、医療や行政スタッフの疲労がピークに達しており、「ウィルスよりも恐ろしい」と言うスタッフもいると報じた。

12日午前現在での感染確認者は126人で、感染者の増加ペースは緩やかになっている。しかし、当局が防疫対策本部を設置したソウル市江南区庁と江南保健所では、引き続きスタッフが懸命の処置を行っており、疲労が蓄積している。

同保健所ではもともと午前9時から午後6時だった診療時間を、MERS拡散後は午前8時から午後8時へと延長している。早番と遅番に分けて、それぞれ3-5人のスタッフが感染状況をモニタリングしているが、交代するころには疲労困憊した体を引きずり、互いに励まし合う状態だという。

また、保健所の問い合わせ担当者は24時間待機していなければならない。早番の担当者は「毎日市民からの問い合わせ電話を、多い時には200通以上も受ける」と語る。

同区庁のスタッフは、出勤するや否やMERS関連の状況、自己隔離者の状態を確認しなければ、通常の業務に戻ることができない。また、福利政策課の職員は、米、ラーメン、水、手洗い液など自己隔離者用の日用品をスーパーマーケットで調達する必要がある。ある職員によると、毎日午前7時に出勤して翌日午前1時にようやく退勤できるとのこと。その疲れ具合は「MERSウィルスより恐ろしい」という。

【 FOCUS-ASIA 】

ロシア、米国産鶏肉、卵を禁輸

2015/06/14

ロシア農業監督庁は米国産鶏肉製品および生きた鶏のロシア領内へのトランジットを禁じた。同庁の発表による。

ロシア領内へのトランジットが禁じられたのは生きた鶏、鶏肉製品、病原体の発見されていない卵。

この措置は米国内で鳥インフルエンザ拡大の恐れが発生したことを受けて採られた。国際獣疫事務局、ロシア農業監督庁が米農務省の発表を引用して明らかにしたところによれば、米17の州でH5N1、H5N2,H5N8の3種の鳥インフルエンザによる157箇所を越える感染が認められた。感染をうけ、3330万匹が死亡、または処分されている。

【 Sputnik 日本 】


致死率も感染力もいまだ不明、人類が何も知らないMERSに遺伝子変異はある?

2015/06/14

韓国でMERS(中東呼吸器症候群)の患者数が増え続け、死者も出ています。MERSは2012年9月にサウジアラビアで初めて確認されたばかりのコロナウイルスに属する呼吸器感染症。人類にとってのこの病原体との付き合いはまだ3年足らずのため、わかっていないことの多いウイルスです。

MERSはこれまでサウジアラビアのメッカへの巡礼者などを通じて世界に広がってきました。その名の通り、中東諸国を中心に1204人の患者が報告され、そのうち448人が死亡しています。(6月8日現在、WHO統計による)

重症化しやすいのは糖尿病、腎疾患、慢性肺疾患など基礎疾患のある人。「MERSウイルスの起源はコウモリ」といわれ、他の哺乳類にも感染しますが、中でもラクダからヒトに感染した症例が多いので、重症化のリスクがある人はラクダとの接触やその肉や乳、尿の摂取に注意するよう言われています。

コロナウイルスの仲間には「普通の風邪」の原因となるものや、02年から03年に猛威を振るって世界を震撼させたSARS(重症急性呼吸器症候群)など様々な種類がありますが、MERSの初期症状は咳、息切れ、発熱(しかも、必ずしも高熱というわけではない)など「普通の風邪」と同じ。下痢を伴うこともあります。

「中東から帰ってきたのでMERSかも」と疑って積極的に検査を行なわない限り、普通の風邪との区別がつきません。しかし風邪と思っていると急激に悪化。数日のうちに呼吸困難に陥り、人工呼吸器につながれたまま死亡するというケースも少なくありません。

アジアでは今までにもマレーシアとフィリピンで中東帰りの人からの患者が報告されています。両国とも感染は「中東で感染した本人」にとどまったものの韓国のケースでは国内で他の人への感染が広がっています。



5月31日、韓国の保健当局は「MERSの感染力について誤認しており、初期対応が不適切であったため」として謝罪しましたが、同じ飛沫(患者のくしゃみや咳などウイルスを含む唾液の粒)で感染する呼吸器感染症であっても、MERSの感染力がヒトからヒトへと非常に効率よく広がるインフルエンザ並みなのか、キス程度の接触ではうつることの少ない「普通の風邪」並みなのかは、はっきりとわかっていません。

WHOの公式発表の死亡者数を患者数で割り算すると、MERSの致死率は40%近く。ちなみにエボラの致死率は50%前後ですが、感染力はMERSのほうが上。そのためMERSを「殺人ウイルス」と言う人もいます。

しかし先ほど言ったようにMERSの初期症状は普通の風邪にそっくり。そのまま軽症で済んでMERSと診断されなかった人や、そもそも症状の出ない人(不顕性感染者)もいるため実際の感染者数はもっと多く、致死率はさほど高いわけではないという専門家もいます。

今回、韓国でヒトからヒトへと感染が広がっているのは「遺伝子が変異しているからかもしれない!」という専門家もいましたが、欧米の医療機関と共同で解析した結果、それは否定されました。おそらく、インフルエンザほどの感染力はないでしょう。

6月9日現在も韓国政府は患者との接触者2900人を隔離していますが、積極的に検査をすれば、今後も軽症例や不顕性感染者も含め、新しい感染者は見つかるでしょう。ただし、報道によれば6月9日現在で95人、死亡者は7人。結果として、致死率はそこまで高くないという結果に落ち着く可能性もあります。

WHOは当初から「MERSのヒト-ヒト間の感染は限定的」とし、渡航制限などは推奨しないとしていますが、予防の大原則はもちろん、流行地に行かないこと。行かなければならない場合には、風邪症状がある人や動物に近づかない、マスクや手洗いを徹底させるなど普通の風邪やインフルエンザと同様の備えをする以外に予防法はないでしょう。汚れた物の表面や手にはアルコールや塩素による消毒も有効です。

有効な治療薬やワクチンはなく、かかってしまった場合には対症療法で治療することになります。

【 夕刊アメーバニュース 】

韓国 MERS感染者は100人超に

2015/06/14

   
韓国で、重い肺炎などを引き起こす「MERSコロナウイルス」に感染した人は100人を超え、韓国政府は、感染が疑われる人が見つかった場合に診察を行う専門病院を全国に指定するなどして、感染拡大の防止策を強化しています。
韓国の保健福祉省によりますと、これまでに「MERSコロナウイルス」に感染が確認された人は108人で、このうち9人が死亡しました。一方で、感染していた人のうち10日、新たに1人が退院し、退院した人は、合わせて4人になりました。
韓国政府は、感染が疑われる人が見つかった場合に、診察を行う専門の病院を、新たに32か所指定したことを発表し、感染者と接触した可能性のある人や、発熱などの症状が出た人は、こうした病院で診察を受けるよう呼びかけています。
一方、韓国入りしているWHO=世界保健機関の専門家チームは、10日、最も多くの感染者が確認されたソウルの病院を視察しました。WHOは、韓国での感染の広がり方は中東での広がり方と似ているものの、韓国では状況が変化し続けているため、さらに調査を進めることにしています。
韓国政府は、これまでの感染は、すべて病院内で起き、感染経路も把握できているとしていて、冷静な対応を呼びかけていますが、これまでに3400人が隔離の対象となっているほか、多くの幼稚園や小学校などが休校を続けており、影響が広がっています。

WHO MERS感染拡大防止で対応勧告

韓国で重い肺炎などを引き起こすMERSコロナウイルスの感染者が増えている問題で、韓国政府と調査を行っているWHO=世界保健機関は10日、感染のさらなる拡大を防ぐために当面、必要な対応を勧告しました。
それによりますと、韓国のすべての医療機関で直ちに感染を防ぐための措置を強化すること、熱が出ていたり、呼吸器系の異常を示す患者に対しては、MERSコロナウイルスの感染者と接触した可能性や、感染者が確認された病院を訪れていないかなどを確認し、当てはまる場合は、速やかに当局に報告することなどを求めています。
一方で、韓国で広がっている休校措置については、これまで学校で感染が確認されたケースはないとして、学校の再開を検討することを勧告しています。
WHOの専門家チームは今月13日まで韓国に滞在し、感染の広がり方やウイルスの特性などについて調査を続ける予定です。
【 NHK NEWS WEB 】

エボラ新規患者、ギニアとシエラレオネで再び急増 WHO

2015/06/14

世界保健機関(WHO)は10日、ギニアとシエラレオネにおけるエボラ出血熱の新規患者数が2週連続で増加したと発表した。

 6月7日までの1週間で、ギニアでは16人、隣国のシエラレオネでは15人の新規患者が確認された。

 直前の5月最終週には、ギニアで13人の新規患者が確認されており、その前の週に報告された9人から明らかな増加を示している。

 シエラレオネでも同様の傾向がみられた。5月最終週には、その前の週の3人から新規感染者数が12人に増えている。

 WHOの最新の報告書によると、エボラ出血熱のこれまでの感染者数は累計で2万7237人、うち死亡者の数は1万1158人に上っているという。

 2013年12月に西アフリカで現在の大流行が発生して以来、シエラレオネ、ギニア、リベリアの3国での医療従事者の感染者数は869人に達しており、うち507人が死亡している。

 リベリアでは5月にエボラの終息宣言が出されたが、シエラレオネとギニアもすぐその後に続くだろうとの期待は、この数週間で打ち砕かれた。

 他方でWHOは、ギニアで感染エリアが拡大しているとの懸念を表明。7日までの1週間、ギニア首都コナクリ市内では2人の新規患者が確認されている。同市ではそれまでの3週間、新たな感染者は確認されていなかった。

 また、同国西部キンディア地方でもエボラウイルスによる感染が再び起きており、これまでに3件の感染が確認されているという。

【 AFPBB NEWS 】

韓国MERS、「学校再開の検討を」 WHO勧告

2015/06/14

 世界保健機関(WHO)は10日、韓国で感染が広がっている中東呼吸器症候群(MERS=マーズ)について、「韓国当局との共同調査は順調に始まった」と発表した。感染が発生した病院周辺の学校が休校しているのを受け、共同調査団が「再開を検討すべきだ」などと勧告したことも明らかにした。

 WHOは韓国での感染の広がりが、これまでに中東の病院で起きた感染と似たパターンをたどっている可能性があると指摘。そのうえで「状況は常に変わっているので調査を続ける」とした。

【日本経済新聞】

菅長官、韓国渡航は「WHOの対応見極め判断」

2015/06/14

 菅義偉官房長官は10日の記者会見で、中東呼吸器症候群(MERS)コロナウイルスの感染が拡大している韓国への渡航の是非について、世界保健機関(WHO)の対応を見極めて判断する考えを示した。「WHOによる緊急事態の宣言が一つの材料になる。状況を見ながら判断したい」と述べた。

 同時に「WHOは現時点で(緊急事態宣言を出す)条件は満たされていないと結論付けている」と指摘した。

【産経ニュース】

WHO「今後も拡大」と警告、隔離徹底要請 韓国政府と温度差

2015/06/10

 世界保健機関(WHO)の専門家エンバレク氏が9日、ジュネーブで記者会見し、中東呼吸器症候群(MERS)コロナウイルスの感染が拡大している韓国で「今後もさらに感染者が出るだろう」と述べ、さらなる感染拡大を警告、感染者の隔離を徹底させるよう訴えた。  一方、韓国政府の対応について「感染封じ込めに向けて非常に強力な対策を取っており、当初に比べて改善されてきている」との見解を示した。 【産経ニュース】