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MERSへの認識甘かった韓国、日本は水際対策だけでは限界

2015/06/26

韓国で急速に感染が拡大している中東呼吸器症候群(MERSマーズ)コロナウイルスが、日本国内にも飛び火するのではないかとの不安が高まっている。

 韓国で感染が広がった経緯をみると、最初の感染者が確認されてからの対応が後手後手になり、別の病室の患者や、その患者らが訪れた他の病院でも感染者が確認されるなど、三次、四次にまで感染が広がった。MERSへの認識が甘かったと言わざるを得ない。

 MERSは、2002~03年に中国を中心に感染が広がった新型肺炎(重症急性呼吸器症候群=SARSサーズ)と同じ仲間のコロナウイルスが原因で起こる感染症だ。


◆隔離徹底が有効◆

 韓国のMERSで30人もの院内感染を招いたのと同様、SARSの流行初期にも、1人の感染者が10人以上に感染を広げる「スーパースプレッダー」と呼ばれる患者がいた。SARSは発症5日以降、急速に感染力を増す。有効な治療薬やワクチンがないため、感染者を早く見つけ、徹底した患者隔離対策を取ることが封じ込めにつながった。

 MERSは、詳細はまだ分かっていないが、主にせきなどの飛まつで感染すると考えられており、重い肺炎を起こす点などSARSと類似する部分も多い。

 世界保健機関(WHO)と韓国の合同調査団は13日、人から人へと感染しやすくなるウイルスの変異は確認されなかったと発表した。基本的には病院内の患者、見舞いで訪れた人、医療従事者の感染にとどまっている。患者がどこで感染したかを捕捉できている状況を踏まえると、SARSの経験を生かすことができるのではないか。

 一方、韓国で感染者が確認された病院を訪れ、自宅隔離対象になっていた日本人が、通知を受ける前に帰国し、健康監視の対象になっていることが明らかになった。空港などでの水際対策には限界がある。対応が遅れた韓国の事例を教訓として、日本は国内で感染者が見つかった場合の初動対応に万全を期すべきだ。

早期発見へ緊張感

 そのためにはまず、最初の感染者を速やかに見つけることが重要だ。医療関係者だけでなく、国民レベルで公衆衛生的な意識を高めることが必要だ。

 発熱やせきなどの症状が出る2週間以内に中東や韓国に渡航歴がある人は、医療機関を直接受診せず、保健所に正直に告げてほしい。MERSだった場合、狭い待合室に居合わせた患者へ、知らずに感染を広げてしまう恐れがある。

 仮にMERSと診断されれば、病原体を外部に漏らさない設備がある感染症指定医療機関に入院して、早い段階で治療を受け、早くに回復することも期待できる。知らないうちに感染を広げる事態を防げるだけでなく、患者にとっても大きな利点だ。

 MERSかどうかわからない重症の肺炎患者は、原因の病原体が特定されるまで個室に入院させ、治療にあたる医療者は、目を覆うゴーグルやマスク、手袋などで十分に防護するなどの対応が必要だ。

 韓国で感染拡大が終息するまでには、しばらく時間がかかるだろう。極めて身近な国で感染拡大が起きている現在、国内の医療者らは、自分の外来を感染者が受診する可能性を想定すべきだろう。せきや発熱などの症状がある患者に対して最近2週間の渡航歴などを確認することが大切だ。当面、緊張感を持って身構える必要がある。

【読売新聞】


韓国MERS、死者31人に

2015/06/26

 
 韓国保健福祉省は26日、中東呼吸器症候群(MERS)コロナウイルスの感染者が新たに2人死亡し、死者が31人になったと発表した。感染者は1人増の181人。一方、退院者も増えており、入院治療中の患者は69人。

 死亡したのは79歳と80歳の女性で、いずれも持病があった。新たな感染者はソウルの大型病院サムスンソウル病院の男性医師(26)だった。

 【時事通信社】

MERS死亡者2人・感染者1人増・・・三星ソウル病院医師また感染

2015/06/26

韓国保健当局は26日午前、MERS(中東呼吸器症候群=マーズ)死亡者が2人増え、死亡者数が31人に拡大されたと明らかにした。感染者は1人増の181人と集計された。退院者は7人増加、合計81人となった。

 新たな感染者(181番目)は三星(サムスン)ソウル病院の医師で135番目の患者(12日感染)を診療した。181番目の患者は去る11日から15日まで勤務していたが、17日から自宅隔離中に感染した事例だ。これにより三星ソウル病院内の感染医師は合計5人に増えた。

 死亡者は87番目の患者(79歳、女性、糖尿病/脳梗塞)と140番目の患者(80歳、女性、膀胱がん末期)だ。6月25日から26日の間に死亡した。

 退院者は7人増え、彼らは抗生物質および抗ウイルス剤投与、対症療法などを通じて治療を受けてきた。発熱や呼吸器症状が好転し、2度のMERS検査を実施した結果、すべて陰性となり完治判定を受けた。

【wow!Korea】

知っているようで知らない「風邪」の話

2015/06/26

 「バイト先で、体調を崩して急に欠勤した人がいたんです。その人が病院に行ったら『ウイルス性の風邪だから、大事を取って休みなさい』と言われたらしいのですが、ウイルス性の風邪は普通のよりも悪いのですか?」

 あなたはこの話を聞いてどう思いましたか。ウイルス性の風邪は普通の風邪よりも悪いのでしょうか?

 今回は、意外と知られていない「風邪」の本質と症状に加え、風邪と勘違いしやすい病気について紹介します。

●感染は“What”と“Where”で考える

 風邪についてよく知らない人でも、風邪が感染症の一種であることはなんとなくご存じかとかと思います。われわれ医師が感染症をとらえるときには“What”と“Where”の2つがポイントになります。

 “What”は「病原体」。つまり、細菌やウイルス、あるいはその中間の性質を持つマイコプラズマやクラミジアなど、病気を引き起こす原因となるもののことです。

 これに対し、“Where”は「感染臓器」のことです。上記のような病原体が人体のどこで感染を引き起こすか、ということです。

 例えば、連菌という細菌が扁桃(へんとう)に感染を起こせば「溶連菌性扁桃炎(ようれんきんせいへんとうえん)」になりますし、マイコプラズマが肺に感染を起こせば「マイコプラズマ肺炎」ということです。これが感染症のとらえ方の原則です。

●風邪とは「ウイルス」による「上気道」の感染

 一般的な「風邪」とは、正式には「かぜ症候群」と呼ばれるもので、「上気道炎」のことを指します。つまり、ウイルスや細菌が鼻や咽頭(いんとう)、喉頭(こうとう)など、気道の上のほうの臓器に感染する病気が風邪なのです。最近では、気管、気管支、肺などの下気道にまで広がるものを総称することもあります(参照:「かぜ症候群」日本呼吸器学会)。

 実は、上気道炎や気管支炎の病原体の90%近くがウイルスだと言われており、風邪とは「ウイルス性上気道炎」のことを指します。厳密に言うと、ウイルスは生物ではないため「抗生剤」が効きません。ここが細菌との大きな違いです。例外はあるものの、ウイルス性の感染症は重症化するものが少ないため、解熱剤や咳止め、痰(たん)切りを飲んで安静にしているほかありません。そもそも、風邪の多くはウイルス性で、細菌より悪いということもとくにありません。

●咳、鼻水、のどの痛みがまんべんなく現れるのが風邪

 ウイルスと細菌の違いは、抗生剤が効くかどうかということに加えてもう1つあります。それは、基本的に細菌は1つの臓器にしか感染しないのに対し、ウイルスは複数の臓器に同時に感染しやすいということです。

 風邪をひいた時のことを思い出してください。咳が出たりのどが痛くなったり、鼻水が出たりと、症状は1つではないはずです。これらの症状は、それぞれ別の臓器のウイルス感染によるもので、咳は気管支、のどの痛みは咽頭、鼻水は鼻・副鼻腔の炎症によるものです。ウイルス性の上気道炎では、これらの症状がバランスよく出現します。

 一方、細菌性の感染の場合、どれか1つの症状だけがみられます。1つの臓器だけに感染が生じる――例えば、咳だけがずっと続くなら「細菌性肺炎」や「マイコプラズマ肺炎」の可能性がありますし、のどの痛みだけなら「細菌性扁桃炎」を、鼻水だけなら「副鼻腔炎」を考えなければいけません。

 ウイルス感染なら抗生剤は必要ないので、3つの症状がまんべんなく出ているときには「家で休んでいれば大丈夫」と判断できます。逆に、細菌感染なら抗生剤治療が有効なので、咳やのどの痛みなど1つの症状だけが続く場合は病院に行くといいでしょう。

 「風邪かな?」と思ったら、それがウイルス性なのか細菌性なのかを考えると、病院に行くべきかどうかがある程度判断できます。咳、のど、鼻の3症状がバランスよく出ていればウイルス性の可能性が高いため、まずは家で安静にして、必要なら市販薬を使うというのがいいかもしれません。

 逆に、熱と咳だけが長引く場合は、風邪ではなく細菌性の肺炎が疑われます。抗生物質での治療が必要かもしれませんから、早めに医師の診察を受けることをお勧めします。 【IT media ビジネスオンライン】

リンゴ病 東京都が初の警戒・・・手洗い、うがいで予防を

2015/06/26

東京都都は25日、小学校入学前後の子供を中心に感染するウイルス感染症「伝染性紅斑(リンゴ病)」の患者数が警報基準を超えたとし、都全域に流行警報を発令した。1997年の調査開始以来、都がリンゴ病で警報を出したのは初めて。

 リンゴ病の流行を巡っては、1医療機関あたりの患者数が週に2人を超えた保健所を「警報レベル」とする。警報レベルの保健所管内の人口が都内全人口の3割を超えると、都は都内全域に警報を出す。

 今月15~21日の1週間の調査までに、計8保健所で警報レベルになり、管内の人口が都内全人口の3割を超えたという。

 リンゴ病は頬に赤い発疹ができ、体や手足に広がることで知られる。妊婦が感染すると、胎児の異常や流産につながるおそれもある。飛まつや接触で感染するため、都は手洗い、うがいによる予防を呼びかけている。

【読売新聞】

MERS恐怖に緩和の兆し、観光地の人出も増え消費回復傾向

2015/06/25

クレジットカード実績-11.3%→-1.7%に
百貨店売り上げも減少幅減る
海雲台海水浴場に3万5千人の人波
遊園地も入場者増加
忠清北道沃川の敬老堂303カ所すべて再開

 中東呼吸器症候群(MERS)コロナウィルスの感染者発生が目に見えて減りだし、全国の多くの地域がMERSの影響から徐々に抜け出している。消費減少幅が緩和され、有名観光地への外出客も増えている。

 23日、ハンギョレがMERS感染者が発生した地域の様々な消費指標などを調べた結果、MERSの影響で今月初め大きく萎縮した消費心理が蘇っていることが明らかになった。京畿道が2013年から今年5~6月の全国の個人クレジットカード実績11億6000件を分析した結果によると、京畿道の今月最初の週取り引き額は5月に比べ-11.3%、2週目は-8%、3週目は-1.7%に減少した。今月1日に初めてMERS死亡者が発生し、3日に三次感染に対する警告が出されたため1週目は消費が大幅に減り、3週目には前月比減少幅が大きく減っている。

 減った百貨店の売り上げも回復傾向を見せている。ロッテ百貨店の釜山地域店舗4カ所の1~18日の売上額は昨年同期に比べ5.5%減少したが、釜山で最初のMERS感染者と密接接触して自宅隔離措置された約40人が解除された19~21日には、同期間に比べ3.4%の減少にとどまった。光州の新世界百貨店も16~21日売り上げが9~14日に比べて3.6%増えた。

 地域の代表的な観光地にも外出客の足が次第に増えている。毎年1000万人以上の観光客が訪れる釜山の海雲台(ヘウンデ)海水浴場は、2週目週末の13~14日に2万5000人~3万人が訪ね、3週目週末の21日には約3万5000人が訪れた。21日の一日の訪問客が1週間前の二日分の訪問客より多かった。

 海雲台区関係者は「今月1~22日に約33万1000人の避暑客が訪れ、昨年同期47万8000人に比べ30%ほど減少したが、最近になってMERSが沈静化すると次第に回復傾向を見せている」と話す。朝鮮王朝太祖李成桂の御真(王の肖像画)がある全羅北道・全州の韓屋村の慶基殿を訪ねた観光客は、今月2周目の日曜日は1047人に過ぎなかったが、第3週日曜日には1881人に回復した。

 遊園地も正常さを取り戻しつつある。京畿道・龍仁のエバーランドはMERSに対する不安が高まった7日の入場者が、週末の入場者平均4万人の半分にも達しない1万5000人に終わった。しかし1週間後の14日には2万1000人、21日には3万人が入場し、増加傾向を示した。エバーランド関係者は「中国人観光客が全入場者の6%台である点を考慮すれば、来週末から正常水準の営業をすることができるだろう」と見通した。

 休業した学校やイベントなども次から次へと正常化している。釜山は幼稚園を含む50カ所余りが休業したが、今週は幼稚園1カ所だけ休業中だ。忠清北道で最初のMERS感染者(90番目の患者)が発生した沃川(オクチョン)郡は、9日から約10日間休業した小学校、幼稚園、子供の家が22日から登校を始めた。23日には地域の敬老堂303カ所がすべて再開し、24日には在来市場や牛市場なども正常営業することにした。同道は一時延期・取り消しを検討した道民体育祭を予定通りに来月2~4日に清州で開くことにした。

 だが、15日に初めてMERS感染者が発生した大邱(テグ)とMERS感染者が陽性反応の検査結果を受ける前に旅行した済州は、まだMERSの影響から抜け出せずにいる。大邱の最初のMERS感染者が立ち寄った大邱デミョン市場のパク・ユンギュ商人会長は「市場の名前が公開され売り上げが普段の30~40%水準に落ち込み回復できずにいる」と話した。

【ハンギョレ新聞】

MERS予防で指令 卓球韓国オープン出場の日本選手団外出禁止

2015/06/25

 卓球のワールドツアー・韓国オープン(7月1日開幕、仁川)に出場する日本選手団に、現地での外出禁止指令が出ていることが24日、分かった。

 中東呼吸器症候群(MERS)の感染を予防するため。日本卓球協会は選手団用のマスクを大量に準備しており、万が一、帰国後に発熱などの症状が出た場合は、すぐに協会に報告するように義務づけている。

 男女代表ともに、23日までに出場選手への注意喚起を済ませた。男子の倉嶋洋介監督(39)、女子の村上恭和監督(57)は「試合会場とホテル以外は出歩かないように伝えました」と説明した。


【スポニチアネックス】

【卓球】愛ら韓国OP派遣!MERS対策マスク300枚

2015/06/25

 日本卓球協会が、中東呼吸器症候群(MERS)コロナウイルス感染問題を抱える韓国で、7月1日から開催されるワールドツアーの韓国オープン(仁川)に予定通り選手、スタッフの派遣を決断したことが24日、分かった。300人分のマスクを用意するなどして日本協会、大会側は万全の対策を整えて、すでに20人以上の死者が出ている感染症を阻止する。

 日本卓球協会が、MERSが猛威を振るう韓国へゴーサインを出した。この日、神戸市内で開幕したジャパンOPに続き、7月1日から仁川で韓国OPが開催。同協会の前原正浩専務理事(61)は「(協会内の)スポーツ医・科学委員会に現状を確認して、予定通りに行きます。ただ、数日で劇的に変わったら、その時はまた判断します」と明かした。

 2大会ともワールドツアーで最も格の高い「スーパーシリーズ」に属し、遠征メンバーは女子の石川佳純(22)=全農=、男子の水谷隼(26)=ビーコン・ラボ=らトップ選手、スタッフ合わせ総勢70人の大所帯となった。日本協会では300枚のマスクを持ち込み、うがいや手洗いを徹底させる。また、試合会場は毎日消毒されることになっており、韓国協会から国際連盟を通じて、各国協会に「準備を整えているので参加してほしい」と呼びかける通達があったという。

 MERSは6月に入り感染が拡大。終息の見通しもなく航空便の運休も相次ぐ事態となっている。日本スポーツ界では柔道女子日本代表が今月下旬に予定した合宿を中止。日本馬術連盟も13、14日にソウルで開催予定だった大会への参加を取りやめた。今月9日には女子代表の村上恭和監督(57)は「韓国は厳しいかもしれない」と派遣見合わせの可能性を示唆していたが、韓国側の講じる万全対策を信じて同意した。日本オリンピック委員会(JOC)でも3日に光州で開幕するユニバーシアード夏季大会に予定通り選手を派遣。大量のマスクを準備し、世界保健機関(WHO)や大会組織委、すでに現地入りしている職員からも最新情報を仕入れるなどの対策を取るという。

【スポーツ報知】

MERS影響、韓国への旅行客激減 夏場の予約は8割減

2015/06/24

韓国で広がる中東呼吸器症候群(MERS〈マーズ〉)コロナウイルスなどの影響で、大韓航空とアシアナ航空は24日以降、日本発着の計230便の欠航を決めた。韓国では夏の観光シーズンの外国人旅行客の予約が前年より8割減り、日本人の旅行見合わせも相次いでいる。

 大韓航空は24日以降、岡山、秋田、小松、青森、鹿児島と仁川(ソウル)を結ぶ計122便を欠航する。欠航期間は路線で違うが、最も長い岡山便は8月10日まで。同社は「MERSの影響もあり乗客が減ったため」としている。アシアナ航空も30日~7月30日に成田、羽田、中部、広島、富山、松山を発着する計108便を欠航する。

 成田、羽田、中部以外の8空港はほかの航空会社の韓国路線が就航しておらず、欠航日は韓国に渡航できなくなる。 【朝日新聞】

エボラ出血熱、シエラレオネ首都で約3週間ぶり新規感染

2015/06/24

 西アフリカのシエラレオネ当局者によると、同国首都フリータウンでエボラ出血熱の感染者が新たに2人確認された。同市では5月29日以来、感染者が出ていなかった。

西アフリカ3カ国で1万1000人以上の死者を出したエボラ出血熱の流行は、リベリアでは終息したものの、シエラレオネとギニアでは依然として新規感染者が確認されている。

治療施設の広報は「数週間新たな感染が確認されず、フリータウンではエボラ隔離施設がすべて閉鎖されていた。そのため、今回の感染確認は懸念すべき事態だ」と述べた。

【ロイター】

「MERS」に追い込まれる韓国経済は立ち直れるか?

2015/06/23

2014年世界を震撼させた感染症のエボラ出血熱は、最も多くの死者が出た西アフリカのリベリアで今年5月に入り、世界保健機関(WHO)が終息宣言をした。
 
 一時、欧米でもエボラ出血熱による死者が確認され、世界のマーケットにも多大な影響を及ぼしたが、事態は小康状態に向かいつつある。

■韓国経済を襲うMERS感染
 
 しかし、今度は日本のお隣、韓国で中東呼吸器症候群(MERS)コロナウィルスの感染が拡大し、これまでに感染者は172人、27人(6月22日時点 )が亡くなった。流行する感染症に対し、韓国への渡航を自粛する動きが広がるなど、同国の経済への影響も出始めている。

 韓国でMERSによる死亡者が出たのが6月に入ってからだ。この時亡くなった2人は、病院内で中東から帰国した最初の感染者と接触したことによる三次感染で、韓国政府も院内感染とし、感染の拡大は限定的との見方を示していた。しかし、その後も感染者は拡大し、犠牲者は増え続けている。

■相次ぐ旅行キャンセル

 こうした事態を受け、5月31日から6月12日の2週間ほどの期間で、韓国航空会社の国際線予約のキャンセルが17万4,000件に上り、6月以降の外国人による韓国旅行の取りやめは11万人を超えたという。
 
 WHOは韓国の状況について緊急事態宣言は見送ったものの、韓国側との合同調査結果で感染者が今後も増える可能性を指摘し、初期段階での情報公開の遅れが感染拡大の原因とした。

■利下げで消費刺激策を取るも効果薄い

 社会不安が広がる韓国では、経済への影響も懸念されている。MERS問題が発生する前から深刻化している韓国経済、すでに円安ウォン高による輸出競争力が低下や中国の景気減速の影響から、5月の輸出額は前年同月比で10.9%減となり、今年最大の下げ幅となった。
 
 そこで中央銀行にあたる韓国銀行は6月に入り政策金利を0.25%引き下げ、過去最低水準の1.5%とすることを決定。MERSにより消費が控えられていることから、利下げを通して消費を刺激したい考えだ。

 しかし、韓国の家計部門の債務超過は、英エコノミクスがアジア主要国の中で最も深刻と指摘し、昨年末に債務超過額は約118兆円を突破して、国内総生産(GDP)比で80%台に達している。
 
 韓銀の利下げに加え、政府の不動産融資の借り入れ規制緩和により、住宅購入の動きが進み、家計の負債残高増加に拍車がかかる可能性がある。

■MERS対応を誤ると…

 韓国経済は日本と同じくサムスンを筆頭に輸出で稼ぐ構造で、その主な輸出先となるのが中国だ。しかし、その中国も2ケタ成長を続けていた時代は終焉を迎え、7%前後の成長率で落ち着く「ニューノーマル」に突入した。
 
 中国経済の減速により、輸出にブレーキがかかり、供給過剰としてそのまま韓国に跳ね返ってくる。この過剰分を内需の喚起によって調整しようにも、高い家計の債務残高に加え、MERSが引き起こす社会不安によって、消費が冷え込んでいる中では先行きは明るくない。

 韓国政府はMERSの抑え込みに躍起になっているが、一歩対応を誤ると、その影響は単なる感染症の拡大にとどまらず、韓国経済全体にも波及する危険性が潜んでいる。

【ZUU Online 】

韓国、MERS感染者175人に

2015/06/23


 韓国でMERS(マーズ)コロナウイルスが流行している問題で、新たに3人に感染が確認されました。いずれも院内感染とみられています。

 韓国の保健福祉省は23日、新たに男女3人にMERSの感染が確認されたと発表しました。いずれも70代の高齢者で、院内感染とみられています。これで、感染者は175人、死者は27人となりました。

 一方、自宅や医療機関などで隔離の対象となっている人は2800人あまりと、ピーク時のおよそ半分に減少していて、隔離を解除された人も1万人を超えました。

 また、これまでに感染者の3割にあたる54人が、症状が治まり、ウイルス検査でも陰性となったため退院しています。

 韓国政府は「流行は落ち着き始めている」との見方を示していて、今月中にも終息させたい考えです。
【  JNN/TBS 】

MERSコロナウイルス感染者確認で在タイ日本大使館より注意喚起

2015/06/21

 在タイ日本大使館は、タイ国内で中東呼吸器症候群(MERS)コロナウイルスによる感染者が確認されたことを受け、タイ駐在者などに注意喚起を行なっている。

 以下在タイ日本大使館より転載

MERSコロナウィルスによる感染症について(2015年6月19日現在)

1 タイ国内における感染確認
(1)18日,タイ保健省は,15日に入国したオマーン人の男性がタイにおいて初めて中東呼吸器症候群(MERS)の感染者として確認された旨発表しました。
(2)現在,患者は病院で隔離治療され,容態は安定しており,また,タイ当局は感染者と接触のあった59人を特定し,健康状態を観察している状況とのことです。なお,経過観察対象者の59人に日本人は含まれていないとの情報を得ています。

2 MERSコロナウイルス感染について
症状や予防策をご参考までにお知らせします。
(1)一般的にコロナウイルスは飛沫感染や接触感染で伝播し,風邪などの一般的症状を引き起こすほか,下痢などの消化器症状も報告されています。また,重傷の場合には呼吸不全を起こすこともあります。
(2)コロナウイルスに対する一般的な具体的予防策は以下のとおりです。
 ● 休息、栄養を十分に取り,体に抵抗力をつける。
 ● 手指等の衛生保持に心掛ける。
 ● できるだけ人混みを避け,マスクの着用を励行する。
 ● 咳やくしゃみの症状がある患者とは,可能な限り濃厚接触を避ける。
 ● 温度の変化と乾燥しすぎに注意する。
 ● 高熱,咳,呼吸困難等の症状が見られた時は,適切なタイミングで専
門医の診断を受ける。

3 日本外務省は,MERSコロナウィルスの感染症発生について,海外安全ホームページ上にて,6月19日付で広域情報を更新しましたので,注意事項及びその予防対策等について参考にして下さい。
【タイランド通信】

忍び寄るMERS せき・くしゃみで感染

2015/06/19

 韓国で今も感染者が増え続けている感染症「MERS(マーズ)」。世界保健機関(WHO)は17日に国際的に懸念される公衆衛生上の緊急事態に該当しないと発表したが、警戒を促した。MERSの感染力はインフルエンザなどより低いとされているが、重い肺炎などを引き起こして死に至ることもある。

【日本経済新聞電子版】

WHO合同評価団「韓国MERS,6月までの終息は不可能」

2015/06/19

 6月中にMERSを退治するという政府の公言とは異なり、専門家たちは7月中に終息できたら非常に成功的だという見通しを示した。

 18日、国会で開かれたMERS対策特別委員会会議で、世界保健機関(WHO)のMERS合同評価団に韓国側の専門家として参加したチョン・ヘグァン成均館大学予防医学科教授は「MERSが6月中に終息するのは難しいと思う」とし、「7月中に終息したら、非常に成功的と言えるだろう」と予想した。合同評価団の共同団長を務めたイ・ジョング・ソウル大学医学部イジョンウク・グローバル医学センター所長も「少なくとも数週間はかかると評価団は考えており、これは今のように散発的な発症が止まってから、数週間はかかるという意味だ」と明らかにした。チョン教授は、地域社会における感染の可能性について、「可能性がないとは言えない」としながらも、「中東の事例によると、地域社会の感染があっても、非常に小規模にとどまっており、その可能性は高くないと思う」と語った。


 一方、世界の看護師大会に参加するため訪韓したマーガレット・チャン世界保健機関事務局長はこの日、ソウルのCOEXで開かれた記者会見で「私たちの希望より時間がかかるかもしれないが、韓国におけMERS発症は終息できる」とし、「科学者もMERSウイルスがどこに隠れていて、どのよう拡散するのか、まだよく分かっていない。最後の感染の輪を断ち切るまで、細心の注意が必要だ」と述べた。チャン局長は韓国政府の初期対応についてこれまで数回にわたり 「遅れている」と指摘してきたが、「初期対応には遅れたが、世界最高水準の疫学調査が行われた」と評価した。

【 ハンギョレジャパン 】


韓国MERS、隔離対象が急増 死者20人に

2015/06/19

 韓国政府は17日、中東呼吸器症候群(MERS〈マーズ〉)コロナウイルスに感染していた50代女性が死亡したと発表した。韓国での感染者の死者は20人目。感染者は前日より8人増え、計162人になった。感染の可能性があるとして隔離された人は前日より922人も増えた。感染はさらに拡大する可能性がある。 【朝日新聞】

MERS、強まる警戒 中東発、25カ国で死者458人

2015/06/19


 ■感染力、環境中で維持

 MERSのウイルスは、2003年に世界で流行した重症急性呼吸器症候群(SARS)と同じコロナウイルスの仲間の新種で、12年にサウジアラビアで患者が確認された。世界保健機関(WHO)によると、16日現在、中東や韓国を中心に世界25カ国で1293人の感染が確認され、458人が死亡した。

 家畜のヒトコブラクダから患者と同じウイルスが見つかっており、鼻水やつばなどを通じて人間に感染するとみられている。野生のコウモリからも同じウイルスが見つかったとの報告もある。WHOは「はっきりしたことはわかっていないが、コウモリからラクダに感染したと考えられている」としている。

 人では感染から2~14日で発熱やせき、息切れなどの症状が出て、重い肺炎を起こす人もいる。

 ただ、季節性インフルエンザに比べて感染力は強くない。13年に英医学誌に発表された研究によると、1人の感染者が何人に感染させるかを見る指標で、MERSコロナウイルスは「1未満」。「1・3程度」とされる季節性インフルエンザより低かった。

 一方、環境中で感染力を維持できる時間は長いとの報告がある。13年に欧州の科学誌に掲載された米国の研究によると、MERSコロナウイルスの活性は「気温20度、湿度40%」の環境では48時間続いた。一方、季節性インフルエンザウイルスは4時間以上、活性は続かなかった。

 国立感染症研究所ウイルス第三部の松山州徳室長は「患者のくしゃみやせきの飛沫(ひまつ)を吸い込んだり、手に付着したウイルスが口や鼻から体内に入ったりしないような対策を徹底すれば感染拡大は防げる」と話す。

【アピタル】


【韓国MERS感染】WHO「緊急事態該当せず」高水準の監視必要と強調

2015/06/19

世界保健機関(WHO、本部スイス・ジュネーブ)は17日、韓国での中東呼吸器症候群(MERS)コロナウイルスの感染拡大について、「国際的に懸念される公衆衛生上の緊急事態」には該当しないとの見解を発表した。一方、各国には韓国の状況を「警鐘」として受け止め、予期せぬ感染症の拡大に備えるよう求めた。

 フクダ事務局長補は同日の記者会見で、今後も感染者が見つかる可能性はあるが、新たな感染は減少しており、韓国政府も感染が疑われる人の追跡・監視などに尽力していると指摘。このため、16日の専門家による緊急委員会では全会一致で緊急事態にあたらないとと結論づける一方、「韓国は高水準の監視を保つことが重要だ」と強調した。

 WHOは現段階での渡航や貿易の制限導入も必要はないとの見解を示した。

 韓国の聯合ニュースは17日、同国でMERSウイルスの感染により54歳の女性と69歳の男性が死亡したと報じた。これにより死者は21人になった。また、新たに8人の感染者が確認され、感染者は死者を含め計162人となった。医療施設や自宅での隔離対象者は6500人を超えた。

【産経ニュース】

日立金属、中国大手とレアアース磁石合弁会社=15年12月設立

2015/06/19

 日立金属は18日、中国にネオジムや鉄、ホウ素からなるレアアース磁石を生産する合弁企業「日立金属三環磁材(南通)」(中国江蘇省南通市)を2015年12月に設立することを決定したと発表した。設立と同時に工場建設に着手し、16年12月に稼働予定。中国のハイブリッド自動車(HV)駆動装置向けのほか、冷蔵庫や高速エレベーターなど世界市場を含む需要の拡大に対応する。

【 時事ドットコム 】

WHOが緊急委員会「緊急事態」が検討 死者は19人に、見舞いで新たに3人感染

2015/06/19

韓国で中東呼吸器症候群(MERS)コロナウイルスの感染が広がっている問題で、世界保健機関(WHO、本部スイス・ジュネーブ)は16日、専門家による緊急の委員会を開き、一段の感染拡大を防ぐための対策などについて協議した。

 委員会は電話による協議で、状況が「国際的に懸念される公衆衛生上の緊急事態」に該当するかについても検討されるとみられる。

 緊急事態は昨年、西アフリカを中心としたエボラ出血熱の感染拡大で宣言されたが、MERSに関しては過去8回の委員会で緊急事態に至っていないと判断されている。

 一方、韓国保健福祉省は16日、MERS感染による死者が3人増え19人になったと発表した。新たに4人の感染が確認され、死者を含む感染者は計154人になった。死者3人の中に49歳の男性がおり、50歳未満では初の死者となった。肝硬変を患っていたという。

 新たな感染者のうち3人は、感染者を多く出しているソウルのサムスンソウル病院を5月末に見舞いで訪れて感染した。医療施設や自宅での隔離対象者は5600人を超えた。

【産経ニュース】