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自衛隊員のメンタルもやられた豚コレラ「5万頭殺処分」の壮絶現場

2019/03/12

豚やイノシシにかかる家畜伝染病「豚コレラ」が当初発生地だった岐阜県以外にも飛び火し、5府県に拡大した。1月までは岐阜県内にとどまっていたが、2月に入り愛知県の養豚場にも拡大し、子豚の出荷を通して長野、滋賀の両県と大阪府にも広がっている。

事態を重く見た政府はこれ以上の感染拡大を防ぐため、感染が確認された養豚場で、自衛隊を動員し、約5万頭の豚を殺処分した。さらに、3月からの野生イノシシへのワクチンの投与を決定し、家畜豚へのこれ以上のまん延を防ぐとしている。中国など国外では別のウイルスでワクチンの開発されていない「アフリカ豚コレラ(ASF)」の感染拡大も進んでおり、政府は水際対策を徹底する方針だ。

「飛び火」の原因

豚コレラは、豚の高熱や食欲不振などの症状を引き起こす病気で、感染力が強く致死率も高い(人間には感染しない)。国内では昨年9月、岐阜県で26年ぶりに感染が確認されたことは2月6日の記事「感染拡大か…恐怖の『豚コレラ』が日本全土を襲う危険性」でも報じた。

豚コレラウイルスは、身体接触や排泄物などを介して感染するが、感染が発見された場合、発生農場の豚を全頭殺処分するのが基本対策となる。

豚コレラが愛知県に飛び火したのは2月6日で、豊田市の養豚場で発見された。岐阜県内の感染拡大は野生イノシシによるものだとの分析が有力だが、岐阜県内で感染が確認された養豚場と豊田市の養豚場とは30km以上離れている。

その上、自動車メーカー大手トヨタのお膝元の住宅地にある養豚場での感染だけに、野生イノシシが家畜豚に直接接触したとは考えにくいため、感染ルートの究明が待たれていた。

農水省の専門家による現地調査の結果、豊田市の養豚場に出入りする車両を消毒する際、専用の長靴と作業着に着替える場所が出入り口付近にあり、ウイルスが侵入しやすい環境にあったことがわかった。

同省によると、感染イノシシが発生した地域を通った車が泥や糞に入ったウイルスを運び、養豚場に入った可能性があるという。

岐阜県などこれまで感染が確認された農場でも、出入りする人や車の消毒が不徹底なケースがあったため、同省は必ず専用の長靴を使うなど、衛生管理の徹底を養豚農家に呼び掛けている。

なぜ「子豚の出荷」が行われたのか

豊田市の養豚場をめぐっては、感染拡大の原因となった「子豚の出荷」に対する。愛知県の対応について批判が上がった。

豊田市の養豚場は、2月4日時点で「食欲不振などの症状が出た」と県に連絡していた。しかし県は、「豚コレラの典型症状がない」との理由で別の疾患を疑い、遺伝子検査などを翌日5日に後回しにした。そして県が出荷自粛を求めなかったため、養豚場は豚を長野県に出荷した。

国の防疫指針では、通常以上の頻度で症状が出た場合、すぐに都道府県が生産者に出荷自粛を求めるとしている。長野県側は愛知県に抗議したが、愛知県の大村秀章知事は「体調に異変のある豚は出荷していない」と反論。「感染が疑わしい段階での出荷自粛は難しい」とする同県の対応への検証が求められる状況になった。

断末魔の叫びを聞き続け…

さらに、殺処分の応援にかり出された自衛隊員のメンタルケアも課題となっている。

感染が確認された5府県のうち、自治体のみでは対応できないと判断した愛知、岐阜、長野の3県は自衛隊に応援を要請した。3000人を超える隊員が駆けつけたが、慣れない任務に苦しむ隊員も少なくなかった。

「自衛隊の活動内容は豚舎内での豚の追い込み、殺処分した豚の埋却地への運搬と処理、養豚場の消毒支援です。このうち豚の追い込みは、獣医師が薬品の注射や電気ショックで豚を殺すときに押さえる役目。断末魔の叫びを聞き続けた隊員の中には、メンタルに変調をきたす人もいたようです」(農水省関係者)

自衛隊は東日本大震災の対応に当たった際には、多数の遺体を収容した隊員のメンタルケアとして、一日の活動を終えた後で、隊員同士で苦しみを共有する時間を設けた。今回も同様の時間をとり、カウンセリングの専門家による治療体制も整えて活動にあたった。

 

豚にワクチン接種できない事情

農水省は3月から、野生イノシシに対するワクチン接種を実施することを決めた。ワクチン入りのエサを食べさせて体内に抗体を作り、イノシシを介した感染経路の封じ込めを図る。イノシシに限らず野生動物にワクチンを接種するのは国内で初めての試みとなる。

愛知県からの感染豚が同県内に出荷された事例を除けば、2月19日に岐阜県で約3週間ぶりの発生が確認されたことから、野生イノシシが感染源となっている可能性を考慮し判断した。

一方で、野生イノシシではなく家畜豚へのワクチン接種については、農水省は慎重な姿勢を取っており、まだ実施されていない。

仮にワクチンを接種すれば、日本は国際ルールが定める「清浄国」でなくなり、多くの国が日本からの豚肉輸入を制限するのは避けられない。農水省関係者は「取引は二国間で決めるため、全く輸出がなくなるというわけではないが、輸出できる自治体が限定されたり、国全体でも一定期間輸出できなくなる可能性が出てくる」と警戒する。

豚コレラのワクチンは、過去には全国で接種され感染予防に貢献していた時代もあったが、ワクチンの費用や手間など養豚農家の負担が大きいため、1996年から11年かけてワクチンに頼らず「清浄国」としての地位を勝ち取った経緯がある。

養豚業界に詳しい農林族の自民議員は「ここまで苦労して獲得したものを軽率な判断で手放すのは、業界の衰退にもつながる。接種をしない前提で対策を考えるしかない」と話し、吉川貴盛農水相も「ワクチンは最終手段」と消極的な考えを示している。

しかしながら、発生地周辺の養豚農家からはワクチン接種を望む声が根強い。

愛知県と隣接する静岡県の養豚協会は、2月15日に吉川農水相に対して、ワクチン接種の実施を要請した。

同協会の中嶋克巳会長は「愛知県内の養豚農家と同じ飼料会社と取引のある静岡県の業者も多く、明日は我が身だ。殺処分ともなれば農家は再起不能になる。補償金をもらっても穴埋め仕切れない。ワクチンは最後の手段だというが、今こそ最後の場面だ」と訴える。

豚コレラは3月に入ってから7日に11例目が発生したものの、新たな自治体に飛び火したわけではない。このまま岐阜県などで封じ込められればワクチン接種の必要はなくなる。

先の自民議員は「感染が確認されたのが、岐阜や愛知など主要な養豚県でないのが不幸中の幸いだ。殺処分の頭数も全国の家畜豚の約0.2%にとどまっており、目立った影響はない。ただ、もし鹿児島や宮崎などの主要自治体に感染が飛び火すれば、豚価の高騰にもつながる非常事態にもなる。そうなれば、ワクチン接種も選択肢として出てこざるを得ない」と話す。

 

より恐ろしい「アフリカ豚コレラ」とは何か

一方、アジアではアフリカ豚コレラ(ASF)の感染が拡大している。昨年夏から確認されていた中国とモンゴルだけでなく、今年2月にはベトナムでも感染が確認された。

ASFの殺傷力は極めて高く、感染した豚の致死率はほぼ100%。日本国内に持ち込まれた場合、ワクチンがないため、殺処分による対処しかできない。ウイルスの環境耐性も高く、感染した豚やイノシシの排泄物の中で約1年半と長期間生存できる。

ASFは観光客の手荷物として持ち込まれる非加熱のソーセージなど、豚肉の加工品から侵入するため、水際で食い止めるのが最善策となる。農水省は昨年8月から空港や港の防疫体制を強化しており、今年3月8日までの時点で、15件没収した。

これらの食品は、ベトナムからの1件を除き、全て上海など中国発の便から持ち込まれており、同省は2月前半の春節期間中は特に警戒を強めていた。現在のところ、日本国内では感染は確認されていない。

農水省関係者は「正直、完全にウイルスの侵入を止められているかと言われれば、100%そうだとは言い切れないのが怖いところです。全ての乗客の手荷物を詳しく見ることは、空港や港の業務キャパの面から言って事実上不可能ですし、プライバシー保護の観点からも問題視されかねません。探知犬などで最大限に対応するしかやりようがないのが実情です」と頭を抱える。

また、先の自民党議員は「豚コレラで家畜豚へのワクチン接種に慎重なのは、ASF対策も考えてのことです。『ワクチンを接種したから安心』という考えに養豚家が染まってしまったら、防疫対策が確実に甘くなる。ワクチンに頼らないというのはそういうメリットもあります。ただ、ASFは豚コレラとは全くレベルが違う脅威になりますから、確実に止めないと危ないですね」と警戒感を隠さない。

「台湾モデル」を参考にすべきか?

与野党では、ASF対策について、台湾を参考にしようとする議論が盛り上がっている。

台湾ではASF侵入を防ぐ対策として、今年1月からASFの中国などの感染地域から豚肉製品を持ち込んだ時点で台湾人、外国人のどちらにも初回20万台湾ドル(約72万円)の罰金を科している。その場で支払わなかった場合は入国拒否し、罰金の支払いが完了しないかぎり、最長5年は入国を拒否し続けるという厳しい制度を採用している。

 

台湾政府は、昨年に中国でASFが発生して以来、情報提供を中国政府に求め続けていた。しかし回答が得られなかったため、蔡英文総統は元日の新年談話で「この防疫で協力できないなら、何が『中台は一つの家族』なのか」と非難した。2月2日になってようやく回答が届いたが、感染規模は台湾側の推定値をはるかに下回っており、実態を正確に反映しているか疑われたという。

台湾では1997年に口蹄疫が発生した際、家畜豚を大量に殺処分した経緯があり、蔡総統は「魯肉飯(ルーローハン)を守ろう」というスローガンを掲げて国民に呼び掛けている。

蘇貞昌行政院長(首相相当)も2月4日、自らのフェイスブックでアフリカ豚コレラについての動画を公開し、中国政府に「防疫の強化と感染状況の情報提供」を求めた。さらに、蘇氏は「中国の習近平国家主席と似ている」として風刺に使われているディズニーキャラクターの「くまのプーさん」のぬいぐるみを手にしながら、「隣人は助け合うべきで、傷つけ合うべきではない」と訴え、中国への不信感もにじませた。

台湾では中国福建省の対岸にある金門島に、ASFに感染した豚の死体が漂着する事態が発生しており、台湾側は中国側から流れ着いたとみて不満を募らせている。一方の中国は「(台湾が)ASFを政治利用している」と反発し、対立を引き起こしている。

日本では自民党の会合において、「抑止力がなければ(海外の人は)いくらでも持ち込んでくる」など豚加工品持ち込みの厳罰化を求める声が高まっており、国民民主党でも台湾の制度を踏まえて議員立法を目指す動きが出ている。

ただ、台湾レベルの厳罰化を行えば、インバウンド観光への影響は必至だ。

防疫体制に詳しい農水省関係者は「政府は2020年までに4000万人の訪日外国人客の達成を目標にしていますが、その多くが中国人です。台湾と中国との歴史的な関係を無視して、台湾のような制度をそのまま日本が適用すれば、反日ナショナリズムをあおりかねない。現実的には罰金上限を現在の100万円から引き上げるくらいで、防疫対策を強化するしかありません」と頭を抱える。

豚コレラへの対応は長期化の様相を呈しており、終息への道は見えない。養豚農家の地道な衛生管理への努力や、野生イノシシのワクチン接種の効果が期待される。政府はASFについても防疫対策の強化を引き続き進めていく方針だ。

【現代ビジネス】

岩手で鳥インフル陽性 シーズン初、野生オオハクチョウ

2019/03/11

 環境省は8日、紫波町で回収した野生のオオハクチョウの死骸を簡易検査した結果、鳥インフルエンザウイルスの陽性反応が出たと発表した。北海道大で確定検査し、1週間程度で結果が判明する見込み。渡り鳥が日本に飛来する時期は10月から翌年5月で、野鳥から陽性反応が出たのは今シーズン初めて。

 環境省によると、町内の沼でオオハクチョウが死んでいるのを住民が見つけて県に通報した。回収地点の半径10キロ圏内を監視重点区域に指定。県職員らが巡回し、死骸や衰弱した個体の有無を調べる。

 岩手県内には、オオハクチョウやコハクチョウの越冬地があり、環境省は警戒を強めている。

【岩手日報】



【2019年第9週】インフルエンザ患者数、全都道府県で前週と比べ減少

2019/03/11

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 国立感染症研究所が3月8日に更新したインフルエンザの流行マップによると、2019年第9週(2月25~3月3日)の定点当たりの報告数は5.93。前週の8.99から3.06ポイント減少した。

 都道府県別の定点当たり報告数は高い順に以下の通り。福島県(12.43)、山形県(11.87)、新潟県(10.97)、青森県(10.43)、沖縄県(9.72)、石川県(9.56)、岩手県(9.31)、宮城県(9.03)、長野県(8.98)、宮崎県(8.75)。

  感染症発生動向調査の定点報告では、前週まで警報レベルにあった島嶼部でも報告数が減少。都内全域で警報レベルを脱した。
【BCN+R】

米中、通商協議の一環で鶏肉の解禁を協議-関係者

2019/03/04

トランプ米政権が中国との通商関係を一変させる合意に向けて進展していると言いはやす中で、中国は鶏肉について妥協を求めている様子だ。

  交渉内容が非公開であることから匿名で語った関係者によると、中国は4年ぶりに米国産鶏肉に対し国内市場を再び開放する見返りとして、米国に中国製鶏肉製品の解禁を求めている。月内にも成立する可能性があるとされる通商合意に向け、鶏足、もも、手羽先が議論に上っているという。

鶏肉問題は最近表面化し、2月23日にパーデュー農務長官が牛肉、コメ、トウモロコシ、エタノールなどと並んで鶏肉も議論されているコモディティーだと認めた。

  中国は2015年に鳥インフルエンザの流行を受けて米国産鶏肉の輸入を禁止した。一方、米国は現在、米国内か特定の第三国で食肉処理された鶏肉を使った調理済み製品についてのみ中国に米国への輸出を認めている。関係者によると、中国は国内産鶏肉の調理製品の輸出許可を求めている。

  米農務省(USDA)にコメントを要請したところ通商代表部(USTR)に回答を求めるよう返答され、USTRからは今のところ応答がない。中国商務省はファクスでのコメント要請に応じていない。

【ブルームバーグ】


豚コレラ、瑞浪の養豚場で5800頭殺処分終了

2019/02/22

 岐阜県は21日未明、家畜伝染病「豚コレラ」の感染が判明した同県瑞浪市の養豚場が飼育していた全約5800頭の殺処分を終えた。約8キロ離れた土地への埋却や施設の消毒などを続ける。

 県が災害派遣を要請した陸上自衛隊第10師団(司令部・名古屋市守山区)は同日午前、撤収した。

 感染した豚から検出されたウイルスは、国の遺伝子解析で、県内で発生した1~6例目と同じだったことが分かった。県は、この養豚場が14日に豚を仕入れた同県海津市の養豚場と、海津市の養豚場の出荷先だった同県揖斐川町の別の養豚場の豚を検査したが、いずれも陰性だった。

【中日新聞】


「日本から豚がいなくなる」も…なぜワクチン打たず? 豚コレラ拡大の悲痛の中で苦悩する政府

2019/02/22

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豚コレラの拡大は1府4県に

現在、感染が広がり、大きな問題となっている家畜伝染病「豚コレラ」。豚やイノシシが感染する病気で、唾液・涙・糞を通じて感染が拡大する。感染した豚肉を食べても人体に影響はないが、強い感染力とともに、豚の致死率は極めて高く、治療法は見つかっていない。日本では1992年を最後に発生していなかったが、去年9月に岐阜県の養豚農家で26年ぶりに発生した。豚の殺処分を行うなど封じ込め策を行ったものの、岐阜県内での拡大は止まらず、隣県の愛知に飛び火すると、そこから大阪、滋賀、長野でも確認され、1府4県にまで一気に拡大している。

政府も2月6日、急遽、豚コレラ関係閣僚会議を開催し、拡大防止への対応を協議した。
また自民党においても、7日に鳥インフルエンザ等家畜防疫対策本部を開催。感染した養豚場等の施設を選挙区に持つ議員から悲痛な声が相次いだ。江藤拓対策本部長は、「今までとはステージが違う」と危機感を示した上で、政府・党一丸となって収束を図ることを訴えた。早急な感染経路の解明と生産現場の防疫対応が求められている。

感染源は?なぜ飛び火?

豚コレラの感染経路は、海外から侵入したウイルスに、野生のイノシシが感染し、農場の豚に伝搬したとの見方が有力だ。しかしながら、今回愛知県の発生地域は山麓から30km以上離れた市街地であり、野生イノシシの侵入防止対策等に注力していた生産現場には衝撃が走った。人、飼料、機械、車両等を感染媒体として被害が拡大した可能性もあり、愛知県では畜産関係車両のみならず、一般車両も含めた消毒作業を講じている。いずれにしても、その感染源は未だ不明の状況で、終わりの見えない状況に不安は限界に達している。

更に深刻なのは、養豚場で飼育されていた子豚に感染が疑われる症状が出ていたにも関わらず、大阪や長野の農場に出荷し、感染を広げてしまったことだ。豚の異変に関する通報から遺伝子検査、出荷の自粛措置への一連の判断が迅速かつ適正だったのか。その検証が求められる。また、一部の農場で、法律に定められた衛生管理基準を守らず、感染拡大を許したケースも見られ、人災とも言える事案も発生している。

「早くワクチンを・・・」生産者の悲痛な声

こうした中で焦点となっているのは、ワクチンの使用を行うか否かだ。

飼育されている豚に豚コレラのワクチンを打てば、体の中に抗体ができるため、ウイルスの感染は防げることになる。今回豚コレラの発生した地域、及びその周辺で感染の脅威に接している地域の養豚農家からは、「一刻も早くワクチンを打って感染拡大を止めてくれ!」との切実な声が挙がる。

所管する農水省の吉川大臣は「飼養衛生管理の徹底によって、豚コレラの蔓延防止ができない場合の最終手段であると考えている」として、慎重な考えを示し、ワクチン接種の判断は下していない。それは一体なぜなのか?

1887年(明治20年)の日本で最初の発生以降、豚コレラは国内各地で甚大な被害をもたらしてきた。しかし1969年に有効で安全なワクチンが実用化され、組織的なワクチン接種を推進したことで、発生は激減。1992年の熊本県での発生を最後に国内での発生がないことから、他の養豚先進国と同様にワクチンを用いない防疫体制の確立を目指し、徐々にワクチン接種を中止した。そして最後の感染確認から15年後、ワクチン接種の全面中止から1年後の2007年に、国際獣疫事務局(OIE)の規約に従い日本は「豚コレラ清浄国」となった経緯がある。この世界的なお墨付きによって、日本産豚肉を輸出する道が開けることになった。

こうして「豚コレラ汚染国」脱却に長い年月と労力を要したにも関わらず、今回ワクチン接種に踏み切れば、再度「汚染国」に逆戻りすることになり、自民党関係者からも「ここまで積み上げたステータスを全て捨て去ることになる」との悩ましい声が漏れてくる。

19日に自民党で開催された、養豚農業振興議員連盟の会合でも「ワクチン接種」を求める声が出席者から挙がったが、一方で仮に野生のイノシシが媒介となっているならば、管理している豚と違ってどう対応できるのといった懸念の声も挙がった。

また、ワクチンの接種をしたとしても、ウイルスの侵入防止ができない可能性や、接種により新たな豚コレラ感染の発見を遅らせるとの指摘もある。さらには「ワクチンを接種された」豚への新たな風評被害を生み出すことも想定される難しい状況も背景にある。

安倍政権の基幹政策に影響が?

「自由貿易圏の拡大は安倍政権の一つの大きなレガシー(成果)だ」。2月4日の衆議院予算委員会で、小泉進次郎議員はそう現政権を持ち上げた。TPP発効、日EU・EPA発行等は、JAグループを中心とする農家の激しい抵抗もある中、安倍政権が進めてき経済政策の柱である。“攻める農業“、農林水産物の輸出促進は、先日の自民党大会における総裁演説においても安倍首相自身が強く訴えている。

今年2019年は農林水産物・食品の輸出額1兆円の目標年でもある。昨年末の速報値は9000億円を超え、目標達成が視野に入った。畜産物も当然その対象であり、「これからが輸出拡大のチャンスなのに…」との声も聞こえる。悲痛な声を挙げる生産者と、ワクチン接種で汚染国になることのデメリットの狭間で、政府は苦しい立場に立たされているのだ。

決断の時は迫るが、今できることは

自民党や公明党、野党側からもこの件に関しては農林水産省に申し入れが行われているが、急ぐべきことは感染ルート並びに感染拡大原因の徹底究明と、これ以上の感染拡大をどう防ぐかだろう。

隣の中国では豚コレラとは別の「アフリカ豚コレラ」という、ワクチンが存在しない伝染病も確認されている。こうした脅威も迫る中、中国からの肉製品等の持ち込み防止等水際対策の強化が求められる。

徹底した衛生管理基準の順守、早期の通報等、関係自治体との連携強化により、政府は感染拡大を食い止めるためのあらゆる措置を講じなければならない。そうした対策の徹底をした上でも、さらに感染が拡大したとなれば、政府がワクチン接種を「最終判断」するタイミングとなるだろう。

ある自民党関係者は「このままいけば日本から豚がいなくなるかもしれない。それだけは避けなければ」と述べ、このまま感染拡大が続けば「判断」を下す日が近いと、現状を嘆いていた。

【FNN PRIME】

インフルエンザ 1週間の推定患者数は約47万人と3週間連続して減少。流行は落ち着きつつあるが、今しばらくは注意が必要

2019/02/22

薬局サーベイランスによると、2019/2/11~2/17(2019年第7週)のインフルエンザの推定患者数は、約47万人と、前週の値(約102万人)よりも減少し、3週間連続しての減少となりました。また、週明けの2月19日の推定患者数は約9万1千人と前週の値(約13万9千人)を下回っており、インフルエンザの患者数は今後更に減少していくものと予想されます。

◆都道府県別情報
 各都道府県別の第7週の人口1万人当たりの1週間の推定受診者数をみると秋田県、福井県、北海道、栃木県、大分県、の順となっており、2週間連続して47都道府県全てで前週よりも減少が見られました。

◆年齢群別情報
 2018/9/3~9/9(2018年第36週)から2019/2/11~2/17(2019年第7週)までの累積の推定患者数は10,917,543であり、2018年10月1日現在の人口統計を元にした累積罹患率は8.62%でした。年齢群別での累積罹患率は5~9歳(28.72%)、10~14歳(21.17%)、0~4歳(20.30%)、15~19歳(11.26%)、30~39歳(9.07%)、20~29歳(8.52%)、40~49歳(8.00%)、50~59歳(6.51%)の順となっていて、例年と比べると成人層の罹患率が高い状態が続いています。

◆ウイルスの型
 国立感染症研究所感染症疫学センターの病原微生物情報
によると、今シーズンこれまでのインフルエンザ患者由来検体から検出されたインフルエンザウイルス(2,485検体解析)は、A/H1pdm が54.8%と多く、次いでA/H3(A香港)亜型43.6%、B型1.5%の順となっている一方、1月に入ってからはA/H3(A香港)亜型の検出数が半数以上を占めています。

 2/11~2/17(2019年第7週)のインフルエンザの推定患者数は約47万人と3週間連続して減少がみられていて、今後もこの減少傾向が継続していくものと予想されます。インフルエンザの流行は落ち着きつつありますが、今しばらくはまだ流行の推移について注意が必要です。

【Yahoo! ニュース】


インフルエンザ、なぜ2回かかる? 流行過ぎても注意

2019/02/20

気になる感染症について、がん・感染症センター都立駒込病院感染症科部長の今村顕史さんに聞く本連載。今回は1月の「インフル、検査陰性でも油断禁物 症状あればマスクを」に続き、「インフルエンザ」を取り上げる。現在は流行のピークを過ぎたものの、例年は春先まで流行が続く。また、今季は「A型に2回かかった」という人がいるが、今後のB型の動向によっては、3回かかる可能性もある。そんな複数回かかるケースはなぜなのか。近年の流行の動向を交えて解説してもらった。

【ココがポイント!】
●インフルエンザシーズンは春先まで続く。流行のピークを越えても油断は禁物
●季節性インフルエンザには「A型」と「B型」があり、A型の流行のあとにB型が増えるのが近年の典型的なパターン
●同じ型でもウイルスによって種類が異なり、近年はA型2種類のいずれかが流行の中心だったが、昨シーズンと今シーズンは2種類のA型とも出ている。そのため、1シーズンにA型に2回かかるケースがある
●今後、B型が増えてくる場合は、A型に2回かかった人でも3回目にかかる可能性がある
●インフルエンザは夏に発生することもあるので、動向に注意しておく


■A型インフルに2回かかることがあるのはなぜ?

――今シーズン(2018~2019年)は、1月21日から27日にかけての1週間でインフルエンザの推計患者数が全国で220万人を超え、1999年度以降で過去最多を記録しました。現在は流行のピークを越えたようですが、このまま収束に向かうのでしょうか。

全国約5000の定点医療機関から報告されるインフルエンザの患者数は、1月21~27日の1週間で1医療機関当たり57.09人と過去最多となりましたが、それ以降は減少傾向にあります。しかし、全体としては減少傾向にあっても、身近に感染者が出た場合には、感染が広がるリスクがあります。

また、季節性のインフルエンザには「A型」と「B型」があります。現在はA型が流行の中心となっていますが、近年はA型の流行のあと、B型が増えてきて、春先まで流行が続く傾向が見られます。今シーズンは今のところ、B型は例年ほどには発生していないようですが、今後も引き続き注意が必要です。

――今シーズンはA型インフルエンザに2回かかったという人が散見されます。昨シーズン(2017~2018年)はA型とB型にかかる人が多かったことが話題になりました。昨シーズンのように、違う型のインフルエンザにかかるのは分かるのですが、同じ型のインフルエンザに2回かかってしまうのはなぜでしょうか。

一般の医療機関で行われているインフルエンザの迅速検査では、「A型」か「B型」かしか分かりませんが、同じ型でもウイルスによって種類が異なります。

今シーズンは2018年末までは「AH1pdm09(2009年に新型インフルエンザとして流行した型)」が流行の中心でしたが、2019年に入ってからは「AH3(いわゆる香港型)」が増えてきています。そのため、「AH1pdm09」と「AH3」の両方にかかるケースもあり得るのです。

ちなみに、B型は人にしか感染しませんが、A型は人だけでなく、鳥や豚にも感染するため、変異して新型インフルエンザとなることがあります。

「AH1pdm09」も、2009年に大流行した当初は「豚インフルエンザ」と呼ばれた新型インフルエンザでした。それまでのA型は、「AH3」と「AH1(いわゆるソ連型)」が流行を繰り返していたのですが、「AH1pdm09」の大流行以降は「AH1」の流行はほとんど見られなくなり、「AH1pdm09」が季節性インフルエンザとなりました。

近年は「AH1pdm09」と「AH3」が交互に流行する傾向にあります。2012~2013年のシーズンは「AH3」、2013~2014年は「AH1pdm09」、2014~2015年は「AH3」、2015~2016年は「AH1pdm09」、2016~2017年は「AH3」が流行の中心で、追ってB型が春先まで増えるというのが典型的なパターンでした。ですから、1シーズンにA型に2回かかる人はまれで、A型とB型にかかる人はいたのです。

しかし、2017~2018年の昨シーズンはそれまでの数年と違ったパターンで、シーズン当初からB型が流行し始め、ほぼ同時期に「AH1pdm09」、次いで「AH3」が増えました。このため、昨シーズンは同時期にA型とB型にかかる人が多く、そこに話題が集中しました。ですが、昨シーズンも今シーズンと同様に、「AH1pdm09」と「AH3」の両方のA型が出ていたので、実は1シーズンに3回かかる可能性がありました。

今シーズンは現時点では「AH1pdm09」と「AH3」が出ているので、A型に2回かかるケースが注目されていますが、今後B型が増えてきた場合には、すでにA型に1回もしくは2回かかった人でも、2回目、3回目にかかる可能性があります。また、今はまだかかっていない人も、これからかかるリスクはあります。

■夏にインフルが流行するケースもある

――流行のピークは過ぎても、春先までは注意が必要なのですね。

A型のあとにB型が流行するパターンの場合は、春先まで流行が続きますが、一概に「春先まで」とは言い切れなくなってきています。例えば、現在は季節性インフルエンザとなっている「AH1pdm09」は、2009年の夏に流行が始まりました。

東南アジアでは年間を通してインフルエンザが発生していますし、日本でも沖縄では夏にも発生する傾向が見られます。また、日本とは季節が逆になる南半球では、日本の夏がインフルエンザのシーズンになるので、来日する人が増えれば、インフルエンザが持ち込まれて夏でも小さな流行を起こす可能性はあります。2020年の夏に開催される東京オリンピック・パラリンピックの時期には、特に注意が必要でしょう。

いずれにしても、まだかかっていない人だけでなく、すでにかかった人も、流行のピークを過ぎたからといって気を緩めずに、手洗いなどを徹底するとともに、必要に応じて国立感染症研究所のホームページ(https://www.niid.go.jp/niid/ja/)などで情報を確認してほしいと思います。

【日本経済新聞】

はしか、関西中心に患者急増…厚労省が注意喚起

2019/02/20

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 麻しん(はしか)の患者が、関西を中心に増加している。国立感染症研究所によると、2月6日までに全国19都道府県で148人の感染が報告されており、過去10年で最多ペース。2019年2月18日には、厚生労働省が全国の自治体に注意を呼び掛ける文書を通知した。

 麻しん(はしか)は、空気感染を主たる感染経路とする感染力が非常に強いウイルス感染症。感染すると約10日後に発熱や咳、鼻水といった風邪のような症状が現れ、2~3日熱が続いたあと、39度以上の高熱と発疹が出現する。

 肺炎や中耳炎を合併しやすく、1,000人に1人の割合で脳炎を発症し、死亡することもあるとされるが、事前に予防接種を受けることで予防が可能。日本では近年、予防接種などで患者数は激減しているが、海外で感染した患者を発端に国内で感染が拡大する事例が散見されている。

 国立感染症研究所の感染症発生動向調査によると、第5週(2019年1月28日~2月3日)の麻しん報告数は29人。このうち、大阪府が半数の15人を占めている。第1週(2018年12月31日~2019年1月6日)から第5週までの累積報告数は148人。都道府県別では、三重県の49人がもっとも多く、ついで大阪府43人、愛知県14人、東京都10人と続いている。

 過去10年の感染状況をみると、第5週時点で148人という患者報告数は過去最多。過去10年でもっとも多い732人の患者が報告された2009年を上回る勢いとなっている。

 厚生労働省では、2月18日付けで都道府県や保健所設置市、特別区の衛生主管部(局)長宛に「麻しん発生報告数の増加に伴う注意喚起について(協力依頼)」と題した文書を通知。関西地方で麻しん患者が増加しており、今後、患者の移動などで広範な地域で患者発生や医療機関受診の可能性があるとし、麻しんを意識した診療や対策への協力を呼び掛けている。

【リセマム】

ベトナムから持ち込みのサンドイッチに豚コレラ、台湾で

2019/02/19

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台湾当局は15日、ベトナムのホーチミン市から台湾の台南国際空港に到着した台湾人旅客が持ち込んだ豚肉入りのサンドイッチからアフリカ豚コレラ(ASF)のウイルスを検出したことを明らかにした。

 これにより、この台湾人旅客は3万台湾元(約10万7000円)の罰金を科された。

 旅客がベトナムより持ち込んだものからASFウイルスが検出されたのは今回が初めて。検出されたASFウイルスは中国で流行しているASFウイルスとほぼ同じだ。

 これを受けて、台湾当局はASFウイルスがベトナムで流行していないことを確認できるまでベトナムからの旅客全員の手荷物について検査を行うことを決定した。中国に対しても同様の措置を適用している。

【VIET JOベトナムニュース】


マカオ政府、日本含む11カ国・地域から家禽製品の輸入制限令を解除…アジアで鳥インフル流行の15年前に発布

2019/02/19

マカオ特別行政区政府がアジアの一部地域で鳥インフルエンザが流行した15年前の2004年に発布した11ヶ国・地域を対象とした輸入制限令が2月18日で解除となった。同日付のマカオ特別行政区公報に掲載された。

 輸入制限の対象だったのは日本、韓国、ベトナム、タイ、中国本土の三つの省と台湾など。今後、これらの国・地域からのチルド及び冷凍鶏肉を含む製品の輸入が可能となる。

 制限解除の理由については、アジアにおける鳥インフルエンザ流行状況に変化が生じ、内外の検疫体制の進化したことなどを挙げ、特定の国・地域を対象とした輸入制限を設ける必要性がなくなったためとした。

【Yahoo!ニュース】

中国、冷凍餃子からアフリカ豚コレラウイルス検出 数十万頭を殺処分

2019/02/19

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中国の大手食品メーカー「三全食品(Sanquan Food)」は18日、自社製品の冷凍餃子からアフリカ豚コレラのウイルスが検出されたと発表した。

豚肉の消費量・生産量で世界1位の中国では昨年8月、初めてアフリカ豚コレラの発生が確認された。それ以降、感染拡大を阻止しようと当局が必死で対応に当たっており、豚数十万頭が殺処分されたほか、感染が確認された地域から豚を移動することを制限する措置も取られている。

 河南(Henan)省を拠点とする三全食品は声明を発表し、隣接していない2省で冷凍餃子からアフリカ豚コレラウイルスが検出されたとの最近の報道を認めた。

 声明によると感染の疑いがある製品は店舗に配送されたものの、同社は開封できないよう対策を講じ、現在当局の捜査に協力しているという。

 また確認は取れていないものの、三全食品以外の複数の企業の製品からも豚コレラウイルスが検出されたとの報道もある。

 アフリカ豚コレラはヒトに害はないが、豚が感染すると死に至る可能性があり、中国の巨大な豚肉産業の間では懸念が高まっている。

【AFPBB News】


A型インフルウイルス 紫外線LEDで抑制 髙橋教授(徳島大)ら効果確認

2019/02/19

徳島大医学部医科栄養学科の髙橋章教授(予防環境栄養学)らの研究グループは、殺菌作用のある紫外線LEDの照射でA型インフルエンザウイルスが抑制(不活化)できることを突き止めた。高病原性鳥インフルエンザにも有効で、感染予防対策として5年程度かけて実用化を目指す。

 インフルエンザウイルスは、ヒトや動物の細胞内に侵入した後、遺伝情報を担うRNA(リボ核酸)の転写と複製を繰り返すことで増殖する。

 髙橋教授らは、大腸菌やサルモネラ菌といった病原性細菌の殺菌に用いられてきた紫外線LEDに着目。A型インフルエンザウイルスを含む溶液に紫外線LEDを照射したところ、溶液に浸した培養細胞への感染力は100分の1~1000分の1に低下していた。感染すると致死率が50%近い高病原性鳥インフルエンザウイルスも同様の実験で抑え込むことに成功した。

 紫外線LEDは太陽光ほどの強さで人体への影響が少ない。従来の水銀灯のように有害な水銀が漏れ出す恐れがなく、耐久性にも優れている。鶏舎などに設置する機器を開発することで鳥インフルエンザの感染防止に役立つと期待される。

 髙橋教授は「紫外線LEDをどのように使えば効果的かをさらに検証し、早く実用化させたい」と話している。

【47NEWS】

豚肉製品にアフリカ豚コレラ=中国からの手荷物-成田と福岡

2019/02/14

農林水産省は13日、成田、福岡の各空港に1月下旬に到着した中国からの旅客が持ち込んだ豚肉製品計2品から、アフリカ豚コレラウイルスの遺伝子が検出されたと発表した。昨年10月以降、空港で同ウイルスの遺伝子が確認されたのは10品に上り、いずれも中国からの旅客手荷物。
 問題の豚肉製品は、北京から成田空港に到着した旅客が持ち込んだ豚肉の薫製と、青島から福岡空港に着いた旅客のソーセージ。成田、福岡へはそれぞれ1月24、27日に到着した。

【時事通信】


豚コレラ、同じ食肉処理場を利用 愛知での感染拡大

2019/02/14

 愛知県は13日、同県田原市の養豚場の豚から家畜伝染病豚(とん)コレラ」の陽性反応が出たと発表した。同県では6日に豊田市田原市の別の養豚場で豚コレラ感染が確認されており、県内で3カ所目となる。県は13日午後、この養豚場で飼育する約1180頭の殺処分を始める。農林水産省は同日、疫学調査チームを派遣して感染経路を調査する。

県によると12日午後2時15分ごろ、この養豚場が飼育する豚に紫斑や死亡などがみられると県東部家畜保健衛生所に連絡があった。13日午前4時40分ごろ、県の検査で豚コレラウイルスの陽性反応が出た。

 6日に感染が確認された田原市の養豚場とは5キロほど離れているが、同じ食肉処理場を利用していたという。県は13日、今回の養豚場から半径3キロ圏を移動制限区域とし、半径10キロ圏を搬出制限区域とする。県の担当者は記者団に「養豚産地であり、何とか早く食い止めたい」と話した。

【朝日新聞】

豚コレラの感染拡大 防疫態勢の甘さが招いた

2019/02/12

家畜伝染病「豚(とん)コレラ」の感染が5府県に拡大した。昨年9月以降、岐阜県内で発生が続き、国と県が拡大防止に取り組んでいたが、愛知、長野、大阪、滋賀の4府県でも新たに感染が確認された。

 防疫態勢に甘さがあったと言わざるを得ない。関係機関は、感染ルートの解明や養豚場の衛生管理の徹底を急ぐ必要がある。

 豚コレラはウイルス感染で起きる豚とイノシシの病気で、致死率が高い。治療法はなく、感染が確認された養豚場の豚は殺処分される。国内での発生は1992年以来だ。

 ただし、ヒトには感染せず、感染した豚の肉を食べても問題はない。

 岐阜と愛知では、豚を診た獣医師らがすぐには豚コレラを疑わず、初動が遅れた。愛知の養豚場では、豚の体調の異変を認識しながら出荷が続けられ、感染を広げてしまった。

 豚コレラの初期症状は発熱や食欲不振などで、他の病気と区別しにくいとされる。だとしても、愛知の事例は理解に苦しむ。隣の岐阜で豚コレラが発生したことに県や農家が危機感を持っていれば、もっと迅速な対応ができたのではないか。

 畜舎に入る時は専用の靴や衣服に替える。野生動物が畜舎に出入りしないようにする。出入りする車両は十分に消毒する。防疫対策の基本だが、感染が起きた施設では徹底されていなかった可能性がある。

 岐阜の感染は、ウイルスを含む食品を海外旅行者が持ち込み、それを食べた野生のイノシシを経由して広がったとみられている。

 全国の畜産農家は、今回の感染を人ごととせず、対策の基本を着実に実施してもらいたい。他の感染症の防止にもつながる。

 豚コレラの感染予防にはワクチンの投与が有効だが、農水省は否定的だ。使用すると、国際機関が認定する豚コレラの「清浄国」から長く外れ、輸出などに影響が出るためだ。

 しかし、感染が拡大するようなら、検討が迫られることになろう。

 中国では、豚コレラより致死率が高い「アフリカ豚コレラ」が流行している。治療法もワクチンもない。

 昨年10月以降、中国からの旅客が持ち込もうとした豚肉製品から、このウイルスが相次いで検出された。水際対策の強化も欠かせない。

【毎日新聞】


すべての豚の殺処分、あすまでずれ込む 豚コレラ問題で東大阪市の養豚場

2019/02/12

 東大阪市の養豚場で「豚コレラ」の感染が疑われている問題で、大阪府は飼育されているすべての豚の殺処分を9日までに終わらせる予定でしたが、10日までずれ込むことになりました。

 東大阪市の養豚場では愛知県の養豚場から出荷された子豚6頭が「豚コレラ」に感染していることが疑われています。大阪府は当初、養豚場内にいる737頭のすべての豚の殺処分を8日と9日の2日間で終わらる予定でした。しかし、殺処分した豚を運び入れウイルスを死滅させる作業を行う堺市の産廃処理場で機械の設置などに手間取り、9日までに終わらせることができなくなったということです。

 大阪府は、10日にすべての豚の殺処分を終わらせ、堺市の産廃処理場に運び入れたいとしています。焼却処分を含めすべての処理が完了するまで1週間程度かかる見通しだということです。

【毎日放送】


愛知県、107養豚場に搬出制限 豚コレラ対策で

2019/02/12

愛知県は10日、県内107カ所の養豚場に対し、施設外への豚の搬出を制限すると発表した。車や人などを介し、豚コレラウイルスが持ち込まれた可能性があるため。豚コレラの感染が確認された豊田市と田原市の養豚場が1月以降、豚肉を出荷したのと同じ日に同じ食肉処理場に出荷していた養豚場が対象で既に搬出しないように通知した。

搬出を制限する期間は食肉処理場に出荷した日から28日間。豚が死んだ頭数、出荷頭数のほか、豚コレラに感染した疑いがある場合には家畜保健衛生所に報告することも求めた。搬出の前の日に豚の体温を計測するなどで健康状態を確認し、家畜保健衛生所の許可がでれば豚を出荷できるという。

107カ所は県内の養豚場の約4割に相当し、飼育頭数は合計で約16万頭と、県内のほぼ半分を占める。

愛知県は同日、田原市の養豚場で豚や飼料などの埋却や施設の消毒といった防疫作業が完了したと発表した。豊田市では12日に完了する見込み。

【日本経済新聞】

くしゃみの「しぶき」は2メートル飛ぶ。

2019/02/12

インフルエンザが、過去最悪レベルの猛威を振るっています。年度末に入り、受験シーズン真っ最中でもあるこの時期、インフルエンザどころか風邪も絶対ひきたくない人が多いでしょう。【ダイヤモンド・オンライン】

そこで本記事では、『ヒルナンデス!』『世界一受けたい授業』などのテレビ番組で紹介され話題を呼び、大重版が決まった書籍『一流の人はなぜ風邪をひかないのか?』から、インフルエンザ予防効果の高い「マスクの着用法」をご紹介します。(構成:今野良介)

1回のくしゃみで「しぶき」はこんなに飛んでいる

インフルエンザの主要な感染経路は「飛沫感染」だと言われます。

飛沫感染とは、病原体を含んだ患者のせきやくしゃみなどで飛散した体液の粒子を吸い込んだりして、他人の粘膜に付着することで感染することです。

そこでまず、厚生労働省が発表しているYouTube動画をご覧ください。1分で観れます。(https://www.youtube.com/watch?v=9Mkb4TMT_Cc)

(※上記リンクが見られない場合、「マスク着用の重要性」でYouTube検索をかけてみてください)

 

1回のくしゃみで出る「しぶき」はどれくらい飛ぶのかが、視覚的にわかると思います。

インフルエンザの患者によって放出されるウイルス量は、1回のせきで約10万個、1回のくしゃみで約200万個というデータもあります。

厚生労働省の動画にある通り、しぶきが「2メートル」飛ぶとすれば、たとえば満員電車や職場内で目の前にいる罹患者がせきやくしゃみをすれば、明らかに自分の顔にしぶきが届き、ウイルスのシャワーをまともに浴びてしまう距離です。

まず、あなた自身のせきやくしゃみによるウイルスの飛散をできるだけ防ぐために、マスク、ハンカチやティッシュ、上着のヒジの裏側などで、しぶきが飛ぶのを抑えるようにしましょう。

そして、感染を防ぐための方法としては、誰もがすぐに思いつく方法が「マスクをすること」ではないでしょうか。

しかし、「正しいマスクの着け方」を知っている人は、案外少ないようです。

市販の使い捨てマスクを1日で使い切る

どうしてもインフルエンザにかかりたくない人が少しでも感染リスクを減らすために、マスク使用に関して厳守すべき3つのポイントをお伝えします。

[1]ワイヤー型のマスクで鼻と頬の隙間をなくす
[2]こまめに捨てて、取り替える
[3]マスクの表面を絶対に触らない

順番に説明します。

 

[1]ワイヤー型のマスクで鼻と頬の隙間をなくす

まず、マスクの機能を発揮するためには、フィット感が生命線です。

サイズや形状が合っていなかったり、顔とマスクの間に隙間があると、フィルターを通さずに病原菌が入ってくるため、ウイルスを遮断できなくなります。

街中で、鼻を出したままマスクを着用している人を見かけますが、論外です。ワイヤー型のマスクで鼻や頬との隙間を埋め、必ず顔に密着させてください。

 

[2]こまめに捨てて、取り替える

薬局やコンビニエンスストアで、5~7枚くらい入った使い捨てマスクを買って使用する場合、1セットを1日で使い切るくらいの頻度で、マスクを交換してください。

密室で会議をしたあと。
風邪をひいている人と話したあと。
満員電車やバスに乗って、目的地にたどり着いたあと。
病院やクリニックなど「医療機関」に行ったあと。

感染リスクの高い場所を通過するたびに、取り替えてください。もったいないと思うかもしれませんが、風邪をひく損失を考えれば安いものです。

 

[3]マスクの表面を絶対に触らない

さらに、着用したマスクの取り外し方によっても、感染リスクが左右されます。

マスク表面にウイルスが付着していると、マスクの表面を触りながら取り外したあと、そのまま自分の顔を触ってウイルスを吸入する可能性が高まります。

マスクを取り外すときは、耳ヒモの部分を持つようにしてください。さらに、手洗いを済ませたあとで、新しいマスクを着用しましょう。

「ウイルス○%カット」の表記に注意

コンビニなどで売られている市販のマスクには、規格の公的な基準がありません。

たしかに、業界団体の中に「フィルター部分がどれくらいウイルスを通すか」などを示す数値表示や、広告についての「自主基準」はあります。

しかし、国民生活センターの調査では、その広告表示と実際の機能に乖離がある製品が多数指摘されています。ある調査によれば、最も漏れが少なかった立体型の銘柄でも、平均で40%程度の病原菌の漏れがあったという報告もあります。また、マスクの性能と価格は比例しないことを示した研究もあります。

つまり、マスクは、「どれを選ぶか」よりも、「どう使うか」が重要なのです。

『一流の人はなぜ風邪をひかないのか?』では、このほか、日常生活の中で風邪・インフルエンザリスクを激減させる具体策を詳しく紹介しています。

仕事を休めないビジネスパーソンはもちろん、結婚式や旅行など重要なイベントを控えた方、受験生やその家族、妊娠中の方などは、ぜひ本書の内容を実践し、肉眼で見えない風邪ウイルスと戦う正しい方法を身につけてください。

【ダイヤモンド・オンライン】






英国で馬インフルエンザが発生、全土で競馬開催を中止

2019/02/12

英国で馬インフルエンザが発生。2月7日から全土で競馬がストップする事態となっている。

 チェシャー州マルパスを拠点とするドナルド・マケイン厩舎に所属する3頭から、馬インフルエンザの陽性反応が出たのが6日(水曜日)のことで、この段階で英国の統轄団体BHAは直ちに、翌7日にドンカスター、フォスラス、ハンティンドン、シェルムスフォードの4場で予定されていた開催の中止を決定。その後、開催中止期間を12日(火曜日)まで伸ばすことを決めた。

 マケイン厩舎からは、4日(月曜日)にウルヴァーハンプトン競馬場で、6日(水曜日)にエア競馬場とラドロウ競馬場で行われた開催に出走馬を送り込んでおり、これらの開催に出走馬があった120を超える他厩舎の所属馬全てに感染の可能性があるとして、対象となる馬全頭の検体提出を指示した。

 その後、マケイン厩舎では新たに3頭からインフルエンザの陽性反応が出た他、ニューマーケットのサイモン・クリスフォード厩舎所属馬4頭からも陽性反応が出て、感染が拡大している。

 多数の厩舎が集まるニューマーケットでは、他厩舎所属馬との接触をさけるため、感染の可能性のある厩舎所属馬の調教場への立ち入りを、正午以降とする処置を講じている。

 BHAでは、検体検査の結果をもとに、13日(水曜日)以降の競馬開催を再開するかどうかの判断を、11日(月曜日)に下すとしている。

【Yahoo! ニュース】