NEWS新着情報

一帯一路構想の恩恵大、ムーディーズ指摘

2019/05/07

米大手格付け会社ムーディーズ・インベスターズ・サービスは、カンボジアにとって中国の広域経済圏構想「一帯一路」の恩恵は大きいとする見解を明らかにした。クメール・タイムズ(電子版)が3日伝えた。

ムーディーズは東南アジアと南アジア、中央アジアの12カ国について、一帯一路に伴う長期の経済的利益と短中期の安定性リスクを分析。一帯一路の恩恵が大きい国として、カンボジアとパキスタン、モンゴル、カザフスタンを挙げた。

ムーディーズは、一帯一路の経済貢献を評価する一方、経済ファンダメンタルズ(基礎的条件)が脆弱(ぜいじゃく)で政策の実効性が低い国では、巨額投資がマクロ経済の安定性を揺るがすリスクになると指摘。「中国からの多額の融資が債務返済や国際収支の悪化につながりかねない」と説明している。

ムーディーズは、カンボジアの政府債務の格付けを投機的水準である「B2」、2019年見通しを「安定的」で据え置いている。

【NNA ASIA】

世界で大流行中!連休の海外旅行で「はしか」にかかったらどうする?

2019/05/07

麻しん(はしか)が世界で大流行している。旅行者が増える大型連休は特に注意が必要だ。麻しんは感染力が非常に強く、簡単に人から人に感染する。主な症状は感染後、約2週間後に発熱、咳、鼻汁、結膜充血、発疹が現れる。手洗い、マスクのみで予防が難しいため、予防接種が最も有効な予防法と言われている。海外渡航先で罹患するケースも多く、東京都感染症情報センターによれば、約20%が海外で感染している可能性があるとのこと。

潜伏期間が長いため、もし帰国後に発疹、発熱などの麻しんの症状がある場合は、麻しんの疑いがあることをかかりつけの医者または医療機関に電話等で伝え、受診の要否や注意点を確認してから、その指示に従うことが重要だ。麻しんの感染力は非常に強いため、医療機関へ移動する際は、周囲への感染を防ぐためにもマスクを着用し、公共交通機関の利用を可能な限り避けるようにしたい。

麻しんについて以下、厚生労働省HPに掲載されている感染症情報をもとに紹介する

麻しんとは?

麻しんは、麻しんウイルスによって引き起こされる急性の全身感染症として知られています。

麻しんウイルスの感染経路は、空気感染、飛沫感染、接触感染で、ヒトからヒトへ感染が伝播し、その感染力は非常に強いと言われています。免疫を持っていない人が感染するとほぼ100%発症し、一度感染して発症すると一生免疫が持続すると言われています。

発生状況

麻しんは、過去の推移を見ると、平成19・20年に10~20代を中心に大きな流行がみられましたが、平成20年より5年間、中学1年相当、高校3年相当の年代に2回目の麻しんワクチン接種を受ける機会を設けたことなどで、平成21年以降10~20代の患者数は激減しました。

また平成22年11月以降のウイルス分離・検出状況については、海外由来型のみ認めており、平成19・20年に国内で大流行の原因となった遺伝子型D5は認めておりません。

平成27年3月27日、世界保健機関西太平洋地域事務局により、日本が麻しんの排除状態にあることが認定されました。かつては毎年春から初夏にかけて流行が見られていましたが、排除後は、海外からの輸入例と、輸入例からの感染事例のみを認める状況となっています。麻しんの感染症発生動向調査に基づく最新発生報告数は、定期的に国立感染症研究所ウェブサイトに掲載されます。また麻しんに関する情報は、国立感染症研究所感染症疫学センターのウェブサイトで確認することができます。

症状

感染すると約10日後に発熱や咳、鼻水といった風邪のような症状が現れます。2~3日熱が続いた後、39℃以上の高熱と発疹が出現します。肺炎、中耳炎を合併しやすく、患者1,000人に1人の割合で脳炎が発症すると言われています。死亡する割合も、先進国であっても1,000人に1人と言われています。

その他の合併症として、10万人に1人程度と頻度は高くないものの、麻しんウイルスに感染後、特に学童期に亜急性硬化性全脳炎(SSPE)と呼ばれる中枢神経疾患を発症することもあります。

ワクチンについて

麻しんは感染力が強く、空気感染もするので、手洗い、マスクのみで予防はできません。麻しんの予防接種が最も有効な予防法といえます。また、麻しんの患者さんに接触した場合、72時間以内に麻しんワクチンの接種をすることで、麻しんの発症を予防できる可能性があります。接触後5、6日以内であれば、γ-グロブリンの注射で発症を抑えることができる可能性がありますが、安易にとれる方法ではありません。詳しくは、かかりつけの医師とご相談ください。 また、定期接種の対象者だけではなく、医療・教育関係者や海外渡航を計画している成人も、麻しんの罹患歴がなく、2回の予防接種歴が明らかでない場合は予防接種を検討してください。

麻しん含有ワクチン(主に接種されているのは、麻しん風しん混合ワクチン)を接種することによって、95%程度の人が麻しんウイルスに対する免疫を獲得することができると言われています。また、2回の接種を受けることで1回の接種では免疫が付かなかった方の多くに免疫をつけることができます。2006年度から1歳児と小学校入学前1年間の小児の2回接種制度が始まり、2008年度から2012年度の5年間に限り、中学1年生と高校3年生相当年齢の人に2回目のワクチンが定期接種として導入されていました。

ワクチン接種後の反応として多く見られる症状として発熱、発疹、鼻汁、咳嗽、注射部位紅斑・腫脹などがみられます。重大な副反応として、アナフィラキシー、急性散在性脳脊髄炎(ADEM)、脳炎・脳症、けいれん、血小板減少性紫斑病ごく稀に(0.1%未満)報告されていますが、ワクチンとの因果関係が明らかでない場合も含まれています。

なお、麻しん含有ワクチンは、ニワトリの胚細胞を用いて製造されており、卵そのものを使っていないため卵アレルギーによるアレルギー反応の心配はほとんどないとされています。しかし、重度のアレルギー(アナフィラキシー反応の既往のある人など)のある方は、ワクチンに含まれるその他の成分によるアレルギー反応が生ずる可能性もあるので、接種時にかかりつけの医師に相談してください。

【DIME】

農水省、感染力あるウイルス確認

2019/04/03

r

 農林水産省は2日、中国からの旅客が持ち込んだ二つのソーセージに、アフリカ豚コレラの生きたウイルスを確認したと発表した。感染力のあるウイルスの持ち込みが分かったのは初めて。違法な畜産物の持ち込みに対し、家畜伝染病予防法に基づく告発など対応を強化する方針も明らかにした。

 生きたウイルスがいた豚肉のソーセージは今年1月25日に中部空港で発見した。上海と青島を出発した航空機で来た中国人とみられる2人がそれぞれ持ち込んだ。2人に直接の関係はなく、土産用として持ち込んだとみられる。

【共同通信】

《ブラジル》アマゾナス州=H1N1で17人死亡=予防用の薬剤探す人も急増

2019/03/12

アマゾナス州では、H1N1ウイルスによるA型インフルエンザが例年より早く流行し、少なくとも17人が死亡。消毒用のアルコールやビタミンC剤など、予防用の薬剤を買い求める人も急増中と6日付G1サイトが報じた。
 同州健康監視財団(FVS)によると、同州で確認された重症のインフルエンザ患者は301人で、69人はH1N1型ウイルス、45人は呼吸器合胞体ウイルス(SRV)に感染していた事が確認されている。残る187人については病因を解析中だ。
 同財団によると、H1N1による死者17人の内、マナウス市在住者は13人で、残りは、マナカプル市2人、パリンチンス市とイタコアチアラ市各1人だ。また、SRVによる死者4人の内、3人はマナウス市、残りの1人はボルバ市在住者だった。
 季節外れのインフルエンザ流行を受け、同州ではインフルエンザの予防接種を前倒しする事も検討されているが、手を洗うなどの基礎的な予防手段も有効だ。
 予防対策としての手洗いは石鹸と流水を使うのが最も効果的だが、70度のジェル状アルコールも殺菌効果が高い。
 また、免疫効果を高めるためのビタミンC摂取も勧められている。野菜や柑橘類を毎日食べるのが理想的だが、ビタミンCのサプリメントも効果がある。
 マナウス市内ではアルコールやビタミンC剤などの需要が高まり、薬局での売り上げは例年より35%も増えている。需要の急増に追いつけない薬局も出ているようだ。

【ニッケイ新聞】

ベトナムで豚コレラ拡大 タイ当局も警戒

2019/03/12

日本でも広く報じられているウイルスによる家畜伝染病「豚コレラ」の感染被害が、今年2月以降、東南アジアのベトナムで広がっている。昨年8月に初めて感染が見つかった北隣の中国から何らかの形でウイルスが運ばれたと見られているが正確な感染ルートも効果的な予防策も見つかっていない。陸上で国境を接するインドシナ半島の周辺諸国では不安を募らせており、同様に豚の消費量が多いタイでも農業・協同組合省畜産局が感染の伝播や汚染された豚肉の国内持ち込みを防止しようと水際対策を続けている。

【日本食糧新聞】

アパレル申洲国際、ナイキ向け工場を着工

2019/03/12

中国浙江省寧波市のアパレルメーカー、申洲国際集団は6日、カンボジアの首都プノンペン郊外にあるプノンペン経済特区(SEZ)で米ナイキ向けの新工場に着工した。クメール・タイムズ(電子版)が伝えた。

馬建栄会長は、着工式典で「中国の広域経済圏構想『一帯一路』に合わせて、カンボジアへの投資を進めている。今後も投資を拡大し、カンボジアの発展に貢献する」と説明。ナイキのマーク・グリフィー副社長は「申洲国際は当社の製品を3カ国で生産しており、最も重要な委託先の1社だ」と強調した。

申洲国際はカンボジアで2005年からナイキ製品の受託生産を手掛け、同国での投資総額は新工場も含めて1億5,000万米ドル(約167億円)に上る。カンボジアでは3,000人以上がナイキ製品の生産に従事し、欧州を中心に出荷している。

【NNA ASIA】


タイ高速鉄道:日本の国際協力銀行、EEC路線を支援検討

2019/03/12

3ff9711c0720d6d5011af6e625ca7949

日本の政策金融機関である国際協力銀行(JBIC)は今週木曜の2019年3月7日、タイ政府と、タイ高速鉄道のEEC路線などへの融資を協議しました。

報道によると、3月7日の協議には、タイ政府側はプラユット首相、ソムキット副首相が参加、日本の国際協力銀行(JBIC)は前田匡史総裁が参加して、タイの首相官邸で実施されました。

協議後、タイのソムキット副首相は「日本の国際協力銀行(JBIC)は、日中協力を背景にした、EECを含む地域への大規模な投資を支援するための資金援助をするという方針」だと語りました。

これにはタイ高速鉄道の所謂「EEC路線」を含みます。この路線はバンコクのドンムアン空港、スワンナプーム空港、ラヨーンのウタパオ空港の3つの空港を結ぶ路線で、融資の対象はこの路線の、総額2240億バーツの高速鉄道建設プロジェクトです。

協議はこの後も、引き続きタイ政府と日本の国際協力銀行(JBIC)とで実施される予定です。

プラユット首相は、タイ政府はこのタイ高速鉄道プロジェクトを支持しており、EECエリアがタイの製造業の拠点となる事を語った上で、このEECエリアでは日本が最大の投資国だと語りました。

プラユット首相は「以前から日本はタイと、タイ国内に教育機関を設立するプロジェクトでも協力しています。この教育機関や教育センターは今後EECエリアにも支部を作る事が期待されています。」と語りました。

報道されている概要は上記の通りです。

この日本の国際協力銀行(JBIC)の前田総裁との3月7日の協議については、タイ首相官邸も発表をしています。

この発表の中でタイ首相官邸は、タイ高速鉄道のEEC路線は日中協力を背景とした路線であり、このタイ高速鉄道のEEC路線への融資に日本の国際協力銀行(JBIC)が主導的役割を果たす事に感謝すること、EECはタイ製造業の中心となる事が見込まれており、日本はこのEECエリアへの最大の投資国であること、協議ではプラユット首相はタイでの人的開発についても協議をした事を発表しました。また、日本の国際協力銀行(JBIC)の前田総裁はプラユット首相へ、アセアンの議長としての役割を称賛し、日本がアセアン地域とともに、協力が推進されていく事を期待すると語ったとしています。

PJAニュースの以下の過去記事の通り、タイ高速鉄道の中で実現性が高いEEC路線も、政治主導で日中協力事業となった事で、どうなるか推移に注目が集まっていますが、日本の政策金融機関である国際協力銀行(JBIC)が前田総裁まで来泰して交渉しており、融資に前向きである事が伝えられました。



資規模も具体的に2240憶バーツとタイメディアで報道されていることから、具体的な融資額の落としどころを早く見つけたいという思いも窺えます。

一方で日本人としては、EECエリアの開発が進むのは嬉しいものの、日本の政策金融機関である国際協力銀行(JBIC)が大規模な融資をしてタイ高速鉄道のEEC路線を実現するなら、中国政府に「一帯一路」の一環だと位置付けられたままで実施するのではなく、タイと日本の協力の為のプロジェクトとして、実施して欲しいと思います。

できれば高速鉄道も中国の鉄道を輸入するのではなく、日本の高速鉄道を日本企業が導入してくれるのが良いのですが、現状の交渉内容だと、これはかなわなそうですね。

現状、このタイ高速鉄道のEEC路線は以下の過去記事の通り、タイの有力財閥であるCPグループが率いるコンソーシアムが最低価額を応札し、タイ国営鉄道(SRT)との交渉をしており、次回は3月19日に交渉の予定となっていますが、今だ折り合いがついていません。

タイ高速鉄道計画ではバンコクのドンムアン空港、スワンナプーム空港、ラヨーンのラヨーン空港の3空港を結ぶ、いわゆる「EEC路線」について注目が集まっていますが、タイ国営鉄道(SRT)は昨日、同路線についてタイ有力財閥のCPグループ率いるコンソーシアムとの協議を、3月19日に延期した事を語りました。


同コンソーシアムは最低価格で応札しましたが、タイ国営鉄道(SRT)側の要望と、内容がいまだに折り合いがつかず、協議は遅れています。CPグループのコンソーシアムとの契約がまとまらなかった場合、次に応札額を

CPグループとの交渉がまとまらなかった場合、次はBSRジョイントベンチャーが交渉に入るとしています。これはタイのバンコクのBTSなどが中心となった企業グループとなりますが、いずれにしても、日本が主導して進めるというものとはならないと見込まれます。

日本の国際協力銀行(JBIC)との交渉も続くタイの高速鉄道の今後の展開に、注目が高まります。出しているBSRジョイントベンチャーが交渉に入る見込みです。


【PJA NEWS】




中国「一帯一路」 にイタリア参加へ 米国とベルギーが懸念

2019/03/12

イタリアは3月末​にも「一帯一路」構想への参加​する可能性がある。イタリアの​ミケーレ・ジェラーチ経済復興省政務次官​は声明を表し、目前に迫った中国の習近平国家主席のイタリア訪問時に了解覚書に調印する見通し​を明らかにした。

英経済紙「フィナンシャル・タイムズ」によれば、中国主導の大規模インフラ計画​「一帯一路」​への​イタリアの​​参加の意気込みに対し、米国は批判的な反応を示し、ベルギー​も​懸念を表明している。

米国政府は、このプロジェクト​は​イタリア経済の助け​にはならず、イタリアの国際的イメージに重大な損害を与える恐れがあると主張​してい​る。米国では「一帯一路」構想は、「中国の利益のために中国が創設したイニシアチブ」と呼ばれている。

ベルギー政府の懸念は、EU諸国への直接的対外投資の​管理の​新​スキームに反映された。この​スキーム​は今年4月から実施される予定だ。

しかし、イタリア​の最近の行動を見ると、​欧州委員会と​の間に​対外投資に対する統制を調整する​意思に欠けている。イタリア政府は、中国の投資がインフラ再建の​一助となることを望んでいる。

イタリアの希望の根拠は、​中国政府による「一帯一路」構想の貿易とインフラのイニシアチブ​を​世界銀行が、アジアや欧州、アフリカ、中東の60カ国以上を陸路と海路で結び、プロジェクト参加国間の貿易を3.6%増やし、また、世界貿易も2.4%増加させると評価しているためだ。

【Sputnik日本】

古賀茂明「安倍総理の読み違いで米韓中ロが描く北朝鮮バブルから取り残される日本」

2019/03/12

今年2月末に行われた米朝首脳会談は、何の合意も共同会見もないまま終わった。どうしてこうなったのか、はっきりしたことはわからない。
ただ、北朝鮮とアメリカ双方とも、戦争を回避しようと考えるのであれば、交渉をまとめるしか道はない。日本政府は、アメリカがいい加減な妥協をしなくて良かったと思っているようだが、それは事の本質を見誤った判断である。

私は、オバマ大統領時代から、一貫して、米朝は妥協するしかないと見ている。

 日米韓だけではなく、金正恩朝鮮労働党委員長の立場に立って考えれば、そのことは明らかだ。

 はじめに、私が、2013年4月に「北朝鮮を見誤る米日」というタイトルで某週刊誌に書いたコラム記事を紹介しよう。当時としては、かなり思い切った見方だったかもしれないが、この記事から6年近く経った今日、ようやく、この基本的な構造が誰にでも理解できるようになったと思う。

北朝鮮はいつミサイルを発射するのか。誰にもわからないが、実は、それはあまり重要なことではない。

「金正恩は世界の常識を理解しない人間だから、彼の行動は合理的に予測できない。それが最大のリスクだ」という論評をよく聞く。その前提となっている世界の「常識」とは何か。平たく言えば、「国際社会を仕切るのは、基本的には戦勝国であり国連安保理における拒否権を持つ5大国(米、ロ、中、英、仏)である。5大国以外は核保有は許されず、それに反する行動をとる国は国際法違反のならず者である。ならず者には国際社会が一致して制裁を与えることにより、その国を矯正して国際秩序を守らなければならない」というものだ。この「常識」に挑戦するものは最終的には抹殺されても仕方ない。イラクのフセイン政権がその例だ。

 一方、少しだけ想像力を働かせて金正恩の思考を推測してみると別の論理が見えてくる。「北朝鮮も米国も平等に主権国家である。アメリカが核を持つ権利を有し、北朝鮮にその権利がないのは不公平だ。米国は、何の根拠もなくイラクのフセイン政権を倒した。いつ北朝鮮を攻撃してくるかわからないならず者だ。ならず者に対する正当防衛の手段として核を持つのは当然の権利だ。インド、パキスタン、イスラエルも持っている。北朝鮮に核放棄を求めるなら米国も核を放棄せよ」というのが金正恩の理屈だ。

さらに、金正恩は欧州で教育を受けて世界情勢を知っている。「このままでは北朝鮮経済は早晩行き詰まり、最後は政権の崩壊につながる。自分にとっては死を意味する。しかし、米国に対抗して通常戦力整備に際限ない資源を投入している現状では、経済成長の実現は不可能だ。何とかして米と対等な立場に立ち、米朝平和協定を結んで安定した環境下で経済改革にまい進したい。どうせ死ぬなら、最後に局面打開のために命がけの賭けに出てみよう」と考えているのではないか。

 以上が金正恩の考え方であると仮定すると、現在の北朝鮮の行動は、非常に理にかなっている。ミサイル発射も核実験もブラフではない。米国が譲歩しない限り、核実験とミサイル発射を繰り返し、最後には小型核弾頭と長距離ミサイルの開発を終了、さらに、それをイランに売却するというカードをちらつかせるだろう。米国は否が応でも北朝鮮を事実上核保有国と認めざるをえなくなる。

 現時点では、北朝鮮の作戦は極めて有効に機能している。韓国経済に打撃を与え、米韓ともに対話路線を模索する姿勢を見せ始めた。

 中国も、ある意味では過去のパラダイムに浸っていた。本気になれば北朝鮮の息の根を止めるのは容易だと思っていたが、それは、これまでの国際「常識」が前提であった。北朝鮮からの難民大量流入や北朝鮮崩壊により米国の核の傘下にある韓国と直接国境を接する事態を確実に避けながら、自爆覚悟の北朝鮮をコントロールする術はない。

 5大国が特別の権利を得たのは、戦争に勝ったからだ。つまり、それは力でもぎ取った権利だといってよい。北朝鮮はそれに公然とチャレンジしている。力でもぎ取った権利を守るには、最後は北朝鮮を力で叩き潰すしかない。事態はそこまで進んでいる。

 力で戦後の「常識」を守るのか、それとも、事実上「常識」の変更を認める交渉に入るのか。

 極東地域の支配秩序が明らかにパラダイム転換を迎えつつある。未だに声高に北朝鮮を非難するだけの日本の政治家と外務省は米国同様それに気づいていないのではないか。

以上、驚くほど現在の状況にぴったりの内容だ。

■金正恩委員長の心境を考えてみる

 今紹介した記事に書いたとおり、金正恩委員長は、北朝鮮の国家体制を守ること(それは自分がアメリカに殺されないことと同義)及び北朝鮮の経済復興を成し遂げることが自分の使命だと考えている。後者についてもう少し具体的に考えてみよう。

 北朝鮮の経済は非常に厳しい状態に置かれている。経済制裁によるところが大きいが、そうではなくても、韓国などに比べて大きく後れをとっている。最近では中国にも引き離され、中朝国境を行き来する北朝鮮人民から見れば、その落差は歴然だ。いくら鎖国政策を取っていても、少しずつ情報は広がる。これ以上困窮状態が続けば、いずれは人民蜂起という事態もあり得る。それは、国家の崩壊だけではなく、自分自身の死を意味する。金氏は、終身独裁者だ。この点は他の先進諸国のリーダーとは根本的に異なる。これから40年、あるいはそれ以上の期間、体制を維持しなければならない。アメリカから攻撃されなくても、その40年を鎖国状態のまま乗り切れることはないということは、スイスで教育を受けた金氏にはよくわかっているはずだ。だから、核・ミサイルと同じかそれ以上に経済復興が優先課題だと考えているのだ。

 先代の金正日委員長は先軍政治を掲げていた。金正恩氏もそれを引き継いだが、すぐに、これを経済復興と核・ミサイル開発の「並進路線」に転換した。さらに、昨年1月の新年の辞では、経済最優先路線を宣言し、4月の朝鮮労働党中央委員会総会で正式にそれを決定した。米側から国を守ることは、自分が生き延びるための必要条件ではあるが、十分条件ではない。経済復興という条件を満たして初めて自分の身が守られるということを理解したうえで方針転換を図ったのだ。

■「不信の溝」は米韓側にも責任

 トランプ大統領も金委員長の考え方をよく理解している。だからこそ、最近の交渉では、北朝鮮の経済発展の可能性について、ことあるごとに強調しているのだろう。非常に実利的に、金委員長に、「不信の溝」を「経済的利益」という餌によって乗り越えさせようという作戦だ。

これは非常に理にかなっているのだが、金委員長は、自国の経済発展に必要な制裁解除を得るための譲歩をする際に、命綱である核とミサイルは、体制の保証が確保されるまでは絶対に手放すことはないはずだ。最後は放棄しても良いと思っていたとしても、彼の頭の中には、体制保証を得ないうちに先に核開発を放棄して、後に政府を転覆されたリビアのカダフィ大佐の例が心に深く刻まれている。

 安倍政権は、北朝鮮は嘘つきだから信用されないのは当たり前だ、だから、信頼されたければ、まず、北朝鮮が非核化の後戻りできないステップを踏むべきで、制裁解除はそれまでは検討すらするべきではないと考えているようだが、これは完全に間違っている。

 なぜなら、この「不信の溝」を形成した責任は、北朝鮮だけでなく、アメリカ、韓国にもあるからだ。古いことはさておいても、アメリカが北朝鮮の体制崩壊を狙っていたことは、明らかだ。「斬首作戦」なる軍事作戦もあった。金氏を殺害する計画をつい最近までなかば公然と実施していたのだから、同氏から見れば、うかつに米側の言葉を信じて核とミサイルを放棄した途端に自分は殺されるかもしれないと思うのは当然だ。その不信感を生んだ責任は米韓側にある。

 さらに、トランプ大統領が信じられるとしてもそれだけでは不十分だ。ボルトン大統領補佐官ら強硬派もいるし、20年の大統領選挙でトランプ大統領が失脚すれば、次の政権がどう出るかわからない。

 それにもかかわらず、例えば、米側が、非核化の重要なステップと位置付けている核施設の包括的なリストの提供という行為を北朝鮮が実施すれば、その後交渉が決裂した時に、その施設をピンポイントで先制攻撃されてしまう。それでは、北朝鮮は、唯一のカードを失い、全く勝負にならなくなる。

 つまり、いくら金委員長に、先に非核化の後戻りできないステップを踏めと言っても、無理な話なのだ。今のままなら、決裂しても、隠してある核爆弾とミサイルで攻撃するぞという脅しが生きている。したがって、決裂するなら今のままがよいということを金委員長は考えているだろう。

逆に言えば、アメリカが、北朝鮮を攻撃したり、裏で動いて体制を崩壊させるようなことを絶対にしないという確信が持てれば、核もミサイルも必要なくなる。これが論理的帰結だ。

■「経済的損得勘定」で「信頼」までたどり着けるか

 上記のように考えると、今後の米朝交渉が成功する可能性はまだ十分にあると見るべきだが、その際、核・ミサイル廃棄には時間がかかることをよく理解することがカギとなる。

 これを理解すれば、北朝鮮が核とミサイルの開発を止めることを最低条件としつつ、その後は、体制保証と経済的利益について、米側が段階的譲歩を繰り返し、北朝鮮もそれに見合った形で段階的譲歩を重ね、それによって、徐々に相互の信頼関係を構築するしかないという結論になるだろう。

 逆にこれに反対するなら、それ以外の良い方法を示すことが必要だ。おそらく、戦争覚悟の単純圧力路線しかないということになるのではないだろうか。

 これまでのところ、両者の間の信頼を少しずつ高めるのに大きな役割を果たしてきたのが韓国の文在寅(ムン・ジェイン)大統領だということも忘れてはならない。韓国にもまた、米朝間で戦争が起きたら最大の被害者になるのは自分たちだという危機感がある。その思いの切実さは、我々日本人には想像することもできないことなのではないだろうか。

■ 段階的相互譲歩作戦は日本にも大きな利益

 日本の好景気は戦後最長になったようだと政府は言っていたが、直近の景気動向指数によれば、景気後退局面に入ったのではないかという状況になっている。米中貿易戦争は一時的小康状態になる可能性は高いが、その本質は米中の覇権争いであり、抜本的解決は見込めない。一方、蜜月関係が演出されている日米間では、「TAG(物品貿易協定)」だと偽った日米通商交渉が、これから本格化し、安倍トランプ選挙互助会の暗黙の了解に従って、夏の参議院選挙後には、厳しい譲歩を迫られることになるだろう。自動車関税25%引き上げや為替介入条項という話が出て来るかもしれないし、世界貿易がさらに縮小する事態も十分にあり得る。

アベノミクスが順調に見えたのは、世界経済の好調を背景に日本の輸出が増え、企業収益が大幅に改善していたからだ。その頼みの綱である外需が頭打ちになれば、アベノミクスはたちどころに変調を来す。しかも、将来有望な産業も企業も全く育っていない。

 一方、米朝交渉が段階的相互譲歩のシナリオで進めば、北朝鮮への経済支援が段階的に可能になる。

 ここから先は、昨年6月18日の当コラムでも紹介したが、北朝鮮のGDPは日本円で1.8兆円(2016年)ほどに過ぎないものの、国民の教育水準は低くなく、12万平方キロの国土に約2500万人の人口を抱えている。周辺に日本、韓国、中国東北地方、ロシア極東地域が広がり、米朝和解で地政学上のリスクがなくなった後は、この国は“北東アジアの新しい経済フロンティア”となり得る。現に、それを見越して、韓国では、大手企業がこぞって、一昨年あたりから、対北朝鮮投資に向けて本格的な準備を進めている。アメリカのGEなどが北朝鮮詣でをはじめたというニュースも報じられた。中国でも、北朝鮮国境地帯の丹東では、北朝鮮バブルで不動産価格が高騰し、経済も絶好調だ。ロシアも中国への投資拡大を狙って動いている。

 投資の神様と言われる米投資家のジム・ロジャーズ氏は、南北朝鮮が統合すれば、日本は太刀打ちできないという予想をつい最近出した。

■日本の最大リスクは安倍総理

 そんな北アジア情勢の中で完全に「蚊帳の外」状態の日本はどうすべきなのか。

 実は、02年の日朝平壌宣言で、日本は北朝鮮に経済協力を約束している。この考え方を推し進めて行けば、日本の出番があるかもしれない。
18年4月の南北首脳会談で署名された「板門店宣言」では、ソウルから平壌を経由して中朝国境に至る「京義線」の他に、ロシア国境から朝鮮半島東部沿岸を縦断する「東海線」について、鉄道と道路の高度化を目指すと書いてある。その東海線をシベリア鉄道、さらには日韓海底トンネルを建設して九州と連結すれば、日本から朝鮮半島・ロシアを経由してヨーロッパにつながる壮大なユーラシア横断鉄路が完成する。中国の一帯一路構想と並ぶプロジェクトになるかもしれない。新幹線を売り込むことも可能だ。

北朝鮮の電力インフラの整備に乗り出し、そのついでにモンゴルで太陽光発電した電力を日本に送る巨大な送電網=アジアスーパーグリッドの建設構想推進の主役になってもいいだろう。日本のソフトバンクグループはこの構想に深くかかわっている。

 早い段階から北朝鮮と経済協力の構想を話し合うなかで相互間に信頼が生まれれば、決して容易ではないが、拉致問題の早期全面解決も視野に入るかもしれない。

 しかし、ここで最大のネックになるのが安倍総理だ。表面的には、金委員長との直接対話に乗り出すと言っているが、はっきり言って、1年遅かった。昨春以降、韓国に続きアメリカが融和路線に切り替えた時にすぐに路線転換すべきだったが、ひたすら北朝鮮に敵対するだけの姿勢を貫き、完全に道を間違えたのだ。

 安倍総理のせいで、北朝鮮は日本に対して並々ならぬ敵意を抱いている。それを帳消しにしてもらうのは大変だ。しかも、頼みのトランプ大統領は「対北経済協力資金は日韓が拠出する」と公言している。日本の国民は、安倍総理のおかげで、おそらく数千億円単位あるいはそれを超える負担をさせられることになるだろう。下手をすれば、資金供与だけを求められ、経済プロジェクトに関与できないということにもなりかねない。

 もう手遅れかもしれないが、 安倍総理は、脇役として、南北米三者の努力を側面からサポートすることに汗をかくべきだ。それ以外に汚名返上の道はないだろう。

【アエラドット朝日新聞出版】






自衛隊員のメンタルもやられた豚コレラ「5万頭殺処分」の壮絶現場

2019/03/12

豚やイノシシにかかる家畜伝染病「豚コレラ」が当初発生地だった岐阜県以外にも飛び火し、5府県に拡大した。1月までは岐阜県内にとどまっていたが、2月に入り愛知県の養豚場にも拡大し、子豚の出荷を通して長野、滋賀の両県と大阪府にも広がっている。

事態を重く見た政府はこれ以上の感染拡大を防ぐため、感染が確認された養豚場で、自衛隊を動員し、約5万頭の豚を殺処分した。さらに、3月からの野生イノシシへのワクチンの投与を決定し、家畜豚へのこれ以上のまん延を防ぐとしている。中国など国外では別のウイルスでワクチンの開発されていない「アフリカ豚コレラ(ASF)」の感染拡大も進んでおり、政府は水際対策を徹底する方針だ。

「飛び火」の原因

豚コレラは、豚の高熱や食欲不振などの症状を引き起こす病気で、感染力が強く致死率も高い(人間には感染しない)。国内では昨年9月、岐阜県で26年ぶりに感染が確認されたことは2月6日の記事「感染拡大か…恐怖の『豚コレラ』が日本全土を襲う危険性」でも報じた。

豚コレラウイルスは、身体接触や排泄物などを介して感染するが、感染が発見された場合、発生農場の豚を全頭殺処分するのが基本対策となる。

豚コレラが愛知県に飛び火したのは2月6日で、豊田市の養豚場で発見された。岐阜県内の感染拡大は野生イノシシによるものだとの分析が有力だが、岐阜県内で感染が確認された養豚場と豊田市の養豚場とは30km以上離れている。

その上、自動車メーカー大手トヨタのお膝元の住宅地にある養豚場での感染だけに、野生イノシシが家畜豚に直接接触したとは考えにくいため、感染ルートの究明が待たれていた。

農水省の専門家による現地調査の結果、豊田市の養豚場に出入りする車両を消毒する際、専用の長靴と作業着に着替える場所が出入り口付近にあり、ウイルスが侵入しやすい環境にあったことがわかった。

同省によると、感染イノシシが発生した地域を通った車が泥や糞に入ったウイルスを運び、養豚場に入った可能性があるという。

岐阜県などこれまで感染が確認された農場でも、出入りする人や車の消毒が不徹底なケースがあったため、同省は必ず専用の長靴を使うなど、衛生管理の徹底を養豚農家に呼び掛けている。

なぜ「子豚の出荷」が行われたのか

豊田市の養豚場をめぐっては、感染拡大の原因となった「子豚の出荷」に対する。愛知県の対応について批判が上がった。

豊田市の養豚場は、2月4日時点で「食欲不振などの症状が出た」と県に連絡していた。しかし県は、「豚コレラの典型症状がない」との理由で別の疾患を疑い、遺伝子検査などを翌日5日に後回しにした。そして県が出荷自粛を求めなかったため、養豚場は豚を長野県に出荷した。

国の防疫指針では、通常以上の頻度で症状が出た場合、すぐに都道府県が生産者に出荷自粛を求めるとしている。長野県側は愛知県に抗議したが、愛知県の大村秀章知事は「体調に異変のある豚は出荷していない」と反論。「感染が疑わしい段階での出荷自粛は難しい」とする同県の対応への検証が求められる状況になった。

断末魔の叫びを聞き続け…

さらに、殺処分の応援にかり出された自衛隊員のメンタルケアも課題となっている。

感染が確認された5府県のうち、自治体のみでは対応できないと判断した愛知、岐阜、長野の3県は自衛隊に応援を要請した。3000人を超える隊員が駆けつけたが、慣れない任務に苦しむ隊員も少なくなかった。

「自衛隊の活動内容は豚舎内での豚の追い込み、殺処分した豚の埋却地への運搬と処理、養豚場の消毒支援です。このうち豚の追い込みは、獣医師が薬品の注射や電気ショックで豚を殺すときに押さえる役目。断末魔の叫びを聞き続けた隊員の中には、メンタルに変調をきたす人もいたようです」(農水省関係者)

自衛隊は東日本大震災の対応に当たった際には、多数の遺体を収容した隊員のメンタルケアとして、一日の活動を終えた後で、隊員同士で苦しみを共有する時間を設けた。今回も同様の時間をとり、カウンセリングの専門家による治療体制も整えて活動にあたった。

 

豚にワクチン接種できない事情

農水省は3月から、野生イノシシに対するワクチン接種を実施することを決めた。ワクチン入りのエサを食べさせて体内に抗体を作り、イノシシを介した感染経路の封じ込めを図る。イノシシに限らず野生動物にワクチンを接種するのは国内で初めての試みとなる。

愛知県からの感染豚が同県内に出荷された事例を除けば、2月19日に岐阜県で約3週間ぶりの発生が確認されたことから、野生イノシシが感染源となっている可能性を考慮し判断した。

一方で、野生イノシシではなく家畜豚へのワクチン接種については、農水省は慎重な姿勢を取っており、まだ実施されていない。

仮にワクチンを接種すれば、日本は国際ルールが定める「清浄国」でなくなり、多くの国が日本からの豚肉輸入を制限するのは避けられない。農水省関係者は「取引は二国間で決めるため、全く輸出がなくなるというわけではないが、輸出できる自治体が限定されたり、国全体でも一定期間輸出できなくなる可能性が出てくる」と警戒する。

豚コレラのワクチンは、過去には全国で接種され感染予防に貢献していた時代もあったが、ワクチンの費用や手間など養豚農家の負担が大きいため、1996年から11年かけてワクチンに頼らず「清浄国」としての地位を勝ち取った経緯がある。

養豚業界に詳しい農林族の自民議員は「ここまで苦労して獲得したものを軽率な判断で手放すのは、業界の衰退にもつながる。接種をしない前提で対策を考えるしかない」と話し、吉川貴盛農水相も「ワクチンは最終手段」と消極的な考えを示している。

しかしながら、発生地周辺の養豚農家からはワクチン接種を望む声が根強い。

愛知県と隣接する静岡県の養豚協会は、2月15日に吉川農水相に対して、ワクチン接種の実施を要請した。

同協会の中嶋克巳会長は「愛知県内の養豚農家と同じ飼料会社と取引のある静岡県の業者も多く、明日は我が身だ。殺処分ともなれば農家は再起不能になる。補償金をもらっても穴埋め仕切れない。ワクチンは最後の手段だというが、今こそ最後の場面だ」と訴える。

豚コレラは3月に入ってから7日に11例目が発生したものの、新たな自治体に飛び火したわけではない。このまま岐阜県などで封じ込められればワクチン接種の必要はなくなる。

先の自民議員は「感染が確認されたのが、岐阜や愛知など主要な養豚県でないのが不幸中の幸いだ。殺処分の頭数も全国の家畜豚の約0.2%にとどまっており、目立った影響はない。ただ、もし鹿児島や宮崎などの主要自治体に感染が飛び火すれば、豚価の高騰にもつながる非常事態にもなる。そうなれば、ワクチン接種も選択肢として出てこざるを得ない」と話す。

 

より恐ろしい「アフリカ豚コレラ」とは何か

一方、アジアではアフリカ豚コレラ(ASF)の感染が拡大している。昨年夏から確認されていた中国とモンゴルだけでなく、今年2月にはベトナムでも感染が確認された。

ASFの殺傷力は極めて高く、感染した豚の致死率はほぼ100%。日本国内に持ち込まれた場合、ワクチンがないため、殺処分による対処しかできない。ウイルスの環境耐性も高く、感染した豚やイノシシの排泄物の中で約1年半と長期間生存できる。

ASFは観光客の手荷物として持ち込まれる非加熱のソーセージなど、豚肉の加工品から侵入するため、水際で食い止めるのが最善策となる。農水省は昨年8月から空港や港の防疫体制を強化しており、今年3月8日までの時点で、15件没収した。

これらの食品は、ベトナムからの1件を除き、全て上海など中国発の便から持ち込まれており、同省は2月前半の春節期間中は特に警戒を強めていた。現在のところ、日本国内では感染は確認されていない。

農水省関係者は「正直、完全にウイルスの侵入を止められているかと言われれば、100%そうだとは言い切れないのが怖いところです。全ての乗客の手荷物を詳しく見ることは、空港や港の業務キャパの面から言って事実上不可能ですし、プライバシー保護の観点からも問題視されかねません。探知犬などで最大限に対応するしかやりようがないのが実情です」と頭を抱える。

また、先の自民党議員は「豚コレラで家畜豚へのワクチン接種に慎重なのは、ASF対策も考えてのことです。『ワクチンを接種したから安心』という考えに養豚家が染まってしまったら、防疫対策が確実に甘くなる。ワクチンに頼らないというのはそういうメリットもあります。ただ、ASFは豚コレラとは全くレベルが違う脅威になりますから、確実に止めないと危ないですね」と警戒感を隠さない。

「台湾モデル」を参考にすべきか?

与野党では、ASF対策について、台湾を参考にしようとする議論が盛り上がっている。

台湾ではASF侵入を防ぐ対策として、今年1月からASFの中国などの感染地域から豚肉製品を持ち込んだ時点で台湾人、外国人のどちらにも初回20万台湾ドル(約72万円)の罰金を科している。その場で支払わなかった場合は入国拒否し、罰金の支払いが完了しないかぎり、最長5年は入国を拒否し続けるという厳しい制度を採用している。

 

台湾政府は、昨年に中国でASFが発生して以来、情報提供を中国政府に求め続けていた。しかし回答が得られなかったため、蔡英文総統は元日の新年談話で「この防疫で協力できないなら、何が『中台は一つの家族』なのか」と非難した。2月2日になってようやく回答が届いたが、感染規模は台湾側の推定値をはるかに下回っており、実態を正確に反映しているか疑われたという。

台湾では1997年に口蹄疫が発生した際、家畜豚を大量に殺処分した経緯があり、蔡総統は「魯肉飯(ルーローハン)を守ろう」というスローガンを掲げて国民に呼び掛けている。

蘇貞昌行政院長(首相相当)も2月4日、自らのフェイスブックでアフリカ豚コレラについての動画を公開し、中国政府に「防疫の強化と感染状況の情報提供」を求めた。さらに、蘇氏は「中国の習近平国家主席と似ている」として風刺に使われているディズニーキャラクターの「くまのプーさん」のぬいぐるみを手にしながら、「隣人は助け合うべきで、傷つけ合うべきではない」と訴え、中国への不信感もにじませた。

台湾では中国福建省の対岸にある金門島に、ASFに感染した豚の死体が漂着する事態が発生しており、台湾側は中国側から流れ着いたとみて不満を募らせている。一方の中国は「(台湾が)ASFを政治利用している」と反発し、対立を引き起こしている。

日本では自民党の会合において、「抑止力がなければ(海外の人は)いくらでも持ち込んでくる」など豚加工品持ち込みの厳罰化を求める声が高まっており、国民民主党でも台湾の制度を踏まえて議員立法を目指す動きが出ている。

ただ、台湾レベルの厳罰化を行えば、インバウンド観光への影響は必至だ。

防疫体制に詳しい農水省関係者は「政府は2020年までに4000万人の訪日外国人客の達成を目標にしていますが、その多くが中国人です。台湾と中国との歴史的な関係を無視して、台湾のような制度をそのまま日本が適用すれば、反日ナショナリズムをあおりかねない。現実的には罰金上限を現在の100万円から引き上げるくらいで、防疫対策を強化するしかありません」と頭を抱える。

豚コレラへの対応は長期化の様相を呈しており、終息への道は見えない。養豚農家の地道な衛生管理への努力や、野生イノシシのワクチン接種の効果が期待される。政府はASFについても防疫対策の強化を引き続き進めていく方針だ。

【現代ビジネス】

岩手で鳥インフル陽性 シーズン初、野生オオハクチョウ

2019/03/11

 環境省は8日、紫波町で回収した野生のオオハクチョウの死骸を簡易検査した結果、鳥インフルエンザウイルスの陽性反応が出たと発表した。北海道大で確定検査し、1週間程度で結果が判明する見込み。渡り鳥が日本に飛来する時期は10月から翌年5月で、野鳥から陽性反応が出たのは今シーズン初めて。

 環境省によると、町内の沼でオオハクチョウが死んでいるのを住民が見つけて県に通報した。回収地点の半径10キロ圏内を監視重点区域に指定。県職員らが巡回し、死骸や衰弱した個体の有無を調べる。

 岩手県内には、オオハクチョウやコハクチョウの越冬地があり、環境省は警戒を強めている。

【岩手日報】



【2019年第9週】インフルエンザ患者数、全都道府県で前週と比べ減少

2019/03/11

201903081809_1
201903081809_2
201903081809_3
 国立感染症研究所が3月8日に更新したインフルエンザの流行マップによると、2019年第9週(2月25~3月3日)の定点当たりの報告数は5.93。前週の8.99から3.06ポイント減少した。

 都道府県別の定点当たり報告数は高い順に以下の通り。福島県(12.43)、山形県(11.87)、新潟県(10.97)、青森県(10.43)、沖縄県(9.72)、石川県(9.56)、岩手県(9.31)、宮城県(9.03)、長野県(8.98)、宮崎県(8.75)。

  感染症発生動向調査の定点報告では、前週まで警報レベルにあった島嶼部でも報告数が減少。都内全域で警報レベルを脱した。
【BCN+R】

米中、通商協議の一環で鶏肉の解禁を協議-関係者

2019/03/04

トランプ米政権が中国との通商関係を一変させる合意に向けて進展していると言いはやす中で、中国は鶏肉について妥協を求めている様子だ。

  交渉内容が非公開であることから匿名で語った関係者によると、中国は4年ぶりに米国産鶏肉に対し国内市場を再び開放する見返りとして、米国に中国製鶏肉製品の解禁を求めている。月内にも成立する可能性があるとされる通商合意に向け、鶏足、もも、手羽先が議論に上っているという。

鶏肉問題は最近表面化し、2月23日にパーデュー農務長官が牛肉、コメ、トウモロコシ、エタノールなどと並んで鶏肉も議論されているコモディティーだと認めた。

  中国は2015年に鳥インフルエンザの流行を受けて米国産鶏肉の輸入を禁止した。一方、米国は現在、米国内か特定の第三国で食肉処理された鶏肉を使った調理済み製品についてのみ中国に米国への輸出を認めている。関係者によると、中国は国内産鶏肉の調理製品の輸出許可を求めている。

  米農務省(USDA)にコメントを要請したところ通商代表部(USTR)に回答を求めるよう返答され、USTRからは今のところ応答がない。中国商務省はファクスでのコメント要請に応じていない。

【ブルームバーグ】


豚コレラ、瑞浪の養豚場で5800頭殺処分終了

2019/02/22

 岐阜県は21日未明、家畜伝染病「豚コレラ」の感染が判明した同県瑞浪市の養豚場が飼育していた全約5800頭の殺処分を終えた。約8キロ離れた土地への埋却や施設の消毒などを続ける。

 県が災害派遣を要請した陸上自衛隊第10師団(司令部・名古屋市守山区)は同日午前、撤収した。

 感染した豚から検出されたウイルスは、国の遺伝子解析で、県内で発生した1~6例目と同じだったことが分かった。県は、この養豚場が14日に豚を仕入れた同県海津市の養豚場と、海津市の養豚場の出荷先だった同県揖斐川町の別の養豚場の豚を検査したが、いずれも陰性だった。

【中日新聞】


「日本から豚がいなくなる」も…なぜワクチン打たず? 豚コレラ拡大の悲痛の中で苦悩する政府

2019/02/22

00426880HDK

豚コレラの拡大は1府4県に

現在、感染が広がり、大きな問題となっている家畜伝染病「豚コレラ」。豚やイノシシが感染する病気で、唾液・涙・糞を通じて感染が拡大する。感染した豚肉を食べても人体に影響はないが、強い感染力とともに、豚の致死率は極めて高く、治療法は見つかっていない。日本では1992年を最後に発生していなかったが、去年9月に岐阜県の養豚農家で26年ぶりに発生した。豚の殺処分を行うなど封じ込め策を行ったものの、岐阜県内での拡大は止まらず、隣県の愛知に飛び火すると、そこから大阪、滋賀、長野でも確認され、1府4県にまで一気に拡大している。

政府も2月6日、急遽、豚コレラ関係閣僚会議を開催し、拡大防止への対応を協議した。
また自民党においても、7日に鳥インフルエンザ等家畜防疫対策本部を開催。感染した養豚場等の施設を選挙区に持つ議員から悲痛な声が相次いだ。江藤拓対策本部長は、「今までとはステージが違う」と危機感を示した上で、政府・党一丸となって収束を図ることを訴えた。早急な感染経路の解明と生産現場の防疫対応が求められている。

感染源は?なぜ飛び火?

豚コレラの感染経路は、海外から侵入したウイルスに、野生のイノシシが感染し、農場の豚に伝搬したとの見方が有力だ。しかしながら、今回愛知県の発生地域は山麓から30km以上離れた市街地であり、野生イノシシの侵入防止対策等に注力していた生産現場には衝撃が走った。人、飼料、機械、車両等を感染媒体として被害が拡大した可能性もあり、愛知県では畜産関係車両のみならず、一般車両も含めた消毒作業を講じている。いずれにしても、その感染源は未だ不明の状況で、終わりの見えない状況に不安は限界に達している。

更に深刻なのは、養豚場で飼育されていた子豚に感染が疑われる症状が出ていたにも関わらず、大阪や長野の農場に出荷し、感染を広げてしまったことだ。豚の異変に関する通報から遺伝子検査、出荷の自粛措置への一連の判断が迅速かつ適正だったのか。その検証が求められる。また、一部の農場で、法律に定められた衛生管理基準を守らず、感染拡大を許したケースも見られ、人災とも言える事案も発生している。

「早くワクチンを・・・」生産者の悲痛な声

こうした中で焦点となっているのは、ワクチンの使用を行うか否かだ。

飼育されている豚に豚コレラのワクチンを打てば、体の中に抗体ができるため、ウイルスの感染は防げることになる。今回豚コレラの発生した地域、及びその周辺で感染の脅威に接している地域の養豚農家からは、「一刻も早くワクチンを打って感染拡大を止めてくれ!」との切実な声が挙がる。

所管する農水省の吉川大臣は「飼養衛生管理の徹底によって、豚コレラの蔓延防止ができない場合の最終手段であると考えている」として、慎重な考えを示し、ワクチン接種の判断は下していない。それは一体なぜなのか?

1887年(明治20年)の日本で最初の発生以降、豚コレラは国内各地で甚大な被害をもたらしてきた。しかし1969年に有効で安全なワクチンが実用化され、組織的なワクチン接種を推進したことで、発生は激減。1992年の熊本県での発生を最後に国内での発生がないことから、他の養豚先進国と同様にワクチンを用いない防疫体制の確立を目指し、徐々にワクチン接種を中止した。そして最後の感染確認から15年後、ワクチン接種の全面中止から1年後の2007年に、国際獣疫事務局(OIE)の規約に従い日本は「豚コレラ清浄国」となった経緯がある。この世界的なお墨付きによって、日本産豚肉を輸出する道が開けることになった。

こうして「豚コレラ汚染国」脱却に長い年月と労力を要したにも関わらず、今回ワクチン接種に踏み切れば、再度「汚染国」に逆戻りすることになり、自民党関係者からも「ここまで積み上げたステータスを全て捨て去ることになる」との悩ましい声が漏れてくる。

19日に自民党で開催された、養豚農業振興議員連盟の会合でも「ワクチン接種」を求める声が出席者から挙がったが、一方で仮に野生のイノシシが媒介となっているならば、管理している豚と違ってどう対応できるのといった懸念の声も挙がった。

また、ワクチンの接種をしたとしても、ウイルスの侵入防止ができない可能性や、接種により新たな豚コレラ感染の発見を遅らせるとの指摘もある。さらには「ワクチンを接種された」豚への新たな風評被害を生み出すことも想定される難しい状況も背景にある。

安倍政権の基幹政策に影響が?

「自由貿易圏の拡大は安倍政権の一つの大きなレガシー(成果)だ」。2月4日の衆議院予算委員会で、小泉進次郎議員はそう現政権を持ち上げた。TPP発効、日EU・EPA発行等は、JAグループを中心とする農家の激しい抵抗もある中、安倍政権が進めてき経済政策の柱である。“攻める農業“、農林水産物の輸出促進は、先日の自民党大会における総裁演説においても安倍首相自身が強く訴えている。

今年2019年は農林水産物・食品の輸出額1兆円の目標年でもある。昨年末の速報値は9000億円を超え、目標達成が視野に入った。畜産物も当然その対象であり、「これからが輸出拡大のチャンスなのに…」との声も聞こえる。悲痛な声を挙げる生産者と、ワクチン接種で汚染国になることのデメリットの狭間で、政府は苦しい立場に立たされているのだ。

決断の時は迫るが、今できることは

自民党や公明党、野党側からもこの件に関しては農林水産省に申し入れが行われているが、急ぐべきことは感染ルート並びに感染拡大原因の徹底究明と、これ以上の感染拡大をどう防ぐかだろう。

隣の中国では豚コレラとは別の「アフリカ豚コレラ」という、ワクチンが存在しない伝染病も確認されている。こうした脅威も迫る中、中国からの肉製品等の持ち込み防止等水際対策の強化が求められる。

徹底した衛生管理基準の順守、早期の通報等、関係自治体との連携強化により、政府は感染拡大を食い止めるためのあらゆる措置を講じなければならない。そうした対策の徹底をした上でも、さらに感染が拡大したとなれば、政府がワクチン接種を「最終判断」するタイミングとなるだろう。

ある自民党関係者は「このままいけば日本から豚がいなくなるかもしれない。それだけは避けなければ」と述べ、このまま感染拡大が続けば「判断」を下す日が近いと、現状を嘆いていた。

【FNN PRIME】

インフルエンザ 1週間の推定患者数は約47万人と3週間連続して減少。流行は落ち着きつつあるが、今しばらくは注意が必要

2019/02/22

薬局サーベイランスによると、2019/2/11~2/17(2019年第7週)のインフルエンザの推定患者数は、約47万人と、前週の値(約102万人)よりも減少し、3週間連続しての減少となりました。また、週明けの2月19日の推定患者数は約9万1千人と前週の値(約13万9千人)を下回っており、インフルエンザの患者数は今後更に減少していくものと予想されます。

◆都道府県別情報
 各都道府県別の第7週の人口1万人当たりの1週間の推定受診者数をみると秋田県、福井県、北海道、栃木県、大分県、の順となっており、2週間連続して47都道府県全てで前週よりも減少が見られました。

◆年齢群別情報
 2018/9/3~9/9(2018年第36週)から2019/2/11~2/17(2019年第7週)までの累積の推定患者数は10,917,543であり、2018年10月1日現在の人口統計を元にした累積罹患率は8.62%でした。年齢群別での累積罹患率は5~9歳(28.72%)、10~14歳(21.17%)、0~4歳(20.30%)、15~19歳(11.26%)、30~39歳(9.07%)、20~29歳(8.52%)、40~49歳(8.00%)、50~59歳(6.51%)の順となっていて、例年と比べると成人層の罹患率が高い状態が続いています。

◆ウイルスの型
 国立感染症研究所感染症疫学センターの病原微生物情報
によると、今シーズンこれまでのインフルエンザ患者由来検体から検出されたインフルエンザウイルス(2,485検体解析)は、A/H1pdm が54.8%と多く、次いでA/H3(A香港)亜型43.6%、B型1.5%の順となっている一方、1月に入ってからはA/H3(A香港)亜型の検出数が半数以上を占めています。

 2/11~2/17(2019年第7週)のインフルエンザの推定患者数は約47万人と3週間連続して減少がみられていて、今後もこの減少傾向が継続していくものと予想されます。インフルエンザの流行は落ち着きつつありますが、今しばらくはまだ流行の推移について注意が必要です。

【Yahoo! ニュース】


インフルエンザ、なぜ2回かかる? 流行過ぎても注意

2019/02/20

気になる感染症について、がん・感染症センター都立駒込病院感染症科部長の今村顕史さんに聞く本連載。今回は1月の「インフル、検査陰性でも油断禁物 症状あればマスクを」に続き、「インフルエンザ」を取り上げる。現在は流行のピークを過ぎたものの、例年は春先まで流行が続く。また、今季は「A型に2回かかった」という人がいるが、今後のB型の動向によっては、3回かかる可能性もある。そんな複数回かかるケースはなぜなのか。近年の流行の動向を交えて解説してもらった。

【ココがポイント!】
●インフルエンザシーズンは春先まで続く。流行のピークを越えても油断は禁物
●季節性インフルエンザには「A型」と「B型」があり、A型の流行のあとにB型が増えるのが近年の典型的なパターン
●同じ型でもウイルスによって種類が異なり、近年はA型2種類のいずれかが流行の中心だったが、昨シーズンと今シーズンは2種類のA型とも出ている。そのため、1シーズンにA型に2回かかるケースがある
●今後、B型が増えてくる場合は、A型に2回かかった人でも3回目にかかる可能性がある
●インフルエンザは夏に発生することもあるので、動向に注意しておく


■A型インフルに2回かかることがあるのはなぜ?

――今シーズン(2018~2019年)は、1月21日から27日にかけての1週間でインフルエンザの推計患者数が全国で220万人を超え、1999年度以降で過去最多を記録しました。現在は流行のピークを越えたようですが、このまま収束に向かうのでしょうか。

全国約5000の定点医療機関から報告されるインフルエンザの患者数は、1月21~27日の1週間で1医療機関当たり57.09人と過去最多となりましたが、それ以降は減少傾向にあります。しかし、全体としては減少傾向にあっても、身近に感染者が出た場合には、感染が広がるリスクがあります。

また、季節性のインフルエンザには「A型」と「B型」があります。現在はA型が流行の中心となっていますが、近年はA型の流行のあと、B型が増えてきて、春先まで流行が続く傾向が見られます。今シーズンは今のところ、B型は例年ほどには発生していないようですが、今後も引き続き注意が必要です。

――今シーズンはA型インフルエンザに2回かかったという人が散見されます。昨シーズン(2017~2018年)はA型とB型にかかる人が多かったことが話題になりました。昨シーズンのように、違う型のインフルエンザにかかるのは分かるのですが、同じ型のインフルエンザに2回かかってしまうのはなぜでしょうか。

一般の医療機関で行われているインフルエンザの迅速検査では、「A型」か「B型」かしか分かりませんが、同じ型でもウイルスによって種類が異なります。

今シーズンは2018年末までは「AH1pdm09(2009年に新型インフルエンザとして流行した型)」が流行の中心でしたが、2019年に入ってからは「AH3(いわゆる香港型)」が増えてきています。そのため、「AH1pdm09」と「AH3」の両方にかかるケースもあり得るのです。

ちなみに、B型は人にしか感染しませんが、A型は人だけでなく、鳥や豚にも感染するため、変異して新型インフルエンザとなることがあります。

「AH1pdm09」も、2009年に大流行した当初は「豚インフルエンザ」と呼ばれた新型インフルエンザでした。それまでのA型は、「AH3」と「AH1(いわゆるソ連型)」が流行を繰り返していたのですが、「AH1pdm09」の大流行以降は「AH1」の流行はほとんど見られなくなり、「AH1pdm09」が季節性インフルエンザとなりました。

近年は「AH1pdm09」と「AH3」が交互に流行する傾向にあります。2012~2013年のシーズンは「AH3」、2013~2014年は「AH1pdm09」、2014~2015年は「AH3」、2015~2016年は「AH1pdm09」、2016~2017年は「AH3」が流行の中心で、追ってB型が春先まで増えるというのが典型的なパターンでした。ですから、1シーズンにA型に2回かかる人はまれで、A型とB型にかかる人はいたのです。

しかし、2017~2018年の昨シーズンはそれまでの数年と違ったパターンで、シーズン当初からB型が流行し始め、ほぼ同時期に「AH1pdm09」、次いで「AH3」が増えました。このため、昨シーズンは同時期にA型とB型にかかる人が多く、そこに話題が集中しました。ですが、昨シーズンも今シーズンと同様に、「AH1pdm09」と「AH3」の両方のA型が出ていたので、実は1シーズンに3回かかる可能性がありました。

今シーズンは現時点では「AH1pdm09」と「AH3」が出ているので、A型に2回かかるケースが注目されていますが、今後B型が増えてきた場合には、すでにA型に1回もしくは2回かかった人でも、2回目、3回目にかかる可能性があります。また、今はまだかかっていない人も、これからかかるリスクはあります。

■夏にインフルが流行するケースもある

――流行のピークは過ぎても、春先までは注意が必要なのですね。

A型のあとにB型が流行するパターンの場合は、春先まで流行が続きますが、一概に「春先まで」とは言い切れなくなってきています。例えば、現在は季節性インフルエンザとなっている「AH1pdm09」は、2009年の夏に流行が始まりました。

東南アジアでは年間を通してインフルエンザが発生していますし、日本でも沖縄では夏にも発生する傾向が見られます。また、日本とは季節が逆になる南半球では、日本の夏がインフルエンザのシーズンになるので、来日する人が増えれば、インフルエンザが持ち込まれて夏でも小さな流行を起こす可能性はあります。2020年の夏に開催される東京オリンピック・パラリンピックの時期には、特に注意が必要でしょう。

いずれにしても、まだかかっていない人だけでなく、すでにかかった人も、流行のピークを過ぎたからといって気を緩めずに、手洗いなどを徹底するとともに、必要に応じて国立感染症研究所のホームページ(https://www.niid.go.jp/niid/ja/)などで情報を確認してほしいと思います。

【日本経済新聞】

はしか、関西中心に患者急増…厚労省が注意喚起

2019/02/20

227363

 麻しん(はしか)の患者が、関西を中心に増加している。国立感染症研究所によると、2月6日までに全国19都道府県で148人の感染が報告されており、過去10年で最多ペース。2019年2月18日には、厚生労働省が全国の自治体に注意を呼び掛ける文書を通知した。

 麻しん(はしか)は、空気感染を主たる感染経路とする感染力が非常に強いウイルス感染症。感染すると約10日後に発熱や咳、鼻水といった風邪のような症状が現れ、2~3日熱が続いたあと、39度以上の高熱と発疹が出現する。

 肺炎や中耳炎を合併しやすく、1,000人に1人の割合で脳炎を発症し、死亡することもあるとされるが、事前に予防接種を受けることで予防が可能。日本では近年、予防接種などで患者数は激減しているが、海外で感染した患者を発端に国内で感染が拡大する事例が散見されている。

 国立感染症研究所の感染症発生動向調査によると、第5週(2019年1月28日~2月3日)の麻しん報告数は29人。このうち、大阪府が半数の15人を占めている。第1週(2018年12月31日~2019年1月6日)から第5週までの累積報告数は148人。都道府県別では、三重県の49人がもっとも多く、ついで大阪府43人、愛知県14人、東京都10人と続いている。

 過去10年の感染状況をみると、第5週時点で148人という患者報告数は過去最多。過去10年でもっとも多い732人の患者が報告された2009年を上回る勢いとなっている。

 厚生労働省では、2月18日付けで都道府県や保健所設置市、特別区の衛生主管部(局)長宛に「麻しん発生報告数の増加に伴う注意喚起について(協力依頼)」と題した文書を通知。関西地方で麻しん患者が増加しており、今後、患者の移動などで広範な地域で患者発生や医療機関受診の可能性があるとし、麻しんを意識した診療や対策への協力を呼び掛けている。

【リセマム】

ベトナムから持ち込みのサンドイッチに豚コレラ、台湾で

2019/02/19

190218021155jpeg

台湾当局は15日、ベトナムのホーチミン市から台湾の台南国際空港に到着した台湾人旅客が持ち込んだ豚肉入りのサンドイッチからアフリカ豚コレラ(ASF)のウイルスを検出したことを明らかにした。

 これにより、この台湾人旅客は3万台湾元(約10万7000円)の罰金を科された。

 旅客がベトナムより持ち込んだものからASFウイルスが検出されたのは今回が初めて。検出されたASFウイルスは中国で流行しているASFウイルスとほぼ同じだ。

 これを受けて、台湾当局はASFウイルスがベトナムで流行していないことを確認できるまでベトナムからの旅客全員の手荷物について検査を行うことを決定した。中国に対しても同様の措置を適用している。

【VIET JOベトナムニュース】


マカオ政府、日本含む11カ国・地域から家禽製品の輸入制限令を解除…アジアで鳥インフル流行の15年前に発布

2019/02/19

マカオ特別行政区政府がアジアの一部地域で鳥インフルエンザが流行した15年前の2004年に発布した11ヶ国・地域を対象とした輸入制限令が2月18日で解除となった。同日付のマカオ特別行政区公報に掲載された。

 輸入制限の対象だったのは日本、韓国、ベトナム、タイ、中国本土の三つの省と台湾など。今後、これらの国・地域からのチルド及び冷凍鶏肉を含む製品の輸入が可能となる。

 制限解除の理由については、アジアにおける鳥インフルエンザ流行状況に変化が生じ、内外の検疫体制の進化したことなどを挙げ、特定の国・地域を対象とした輸入制限を設ける必要性がなくなったためとした。

【Yahoo!ニュース】