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新型コロナ 世界の感染者 2146万人超(16日午後3時)

2020/08/17

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アメリカ、ジョンズ・ホプキンス大学のまとめによりますと、新型コロナウイルスの感染が確認された人は、日本時間の16日午後3時の時点で、世界全体で2146万392人となっています。また、亡くなった人は77万1074人に上っています。

感染者の多い国

このうち感染者が最も多いのは
▽アメリカで536万1165人
▽ブラジルが331万7096人
▽インドが258万9682人
▽ロシアが91万5808人
▽南アフリカが58万3653人となっています。

死者の多い国

亡くなった人が最も多いのも
▽アメリカで16万9481人
▽ブラジルが10万7232人
▽メキシコが5万6543人、インドが4万9980人、イギリスが4万6791人となっています。

【NHK NEWS WEB】

大阪府、16日の新規感染147人 重症72人で最多更新

2020/08/17

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大阪府は16日、新型コロナウイルスの新たな感染者を147人確認したと発表した。新規感染者数は13日連続で100人超となった。重症患者は前日より2人増えて72人となり、過去最多を更新した。新たな死者はいなかった。府内では高齢者への感染の広がりなどにより、重症となる患者が増えている。

重症者数はこれまで感染拡大の「第1波」が来ていた4月19~21日の65人が最多だった。重症者用の病床確保数(188床)に対する使用率は38.3%に上昇した。

新規感染者のうち70代以上は2割。クラスター(感染者集団)が発生したとみられる大阪市や八尾市の高齢者施設の利用者で、さらに感染者が増えた。

府は20日まで、大阪・ミナミの一部の飲食店などに営業時間短縮や休業を要請し、府民には5人以上の飲み会を控えるよう求めている。府は近く対策本部会議を開き、今後の対応を決める。

16日に確認された新規感染者147人のうち、感染経路が不明なのは84人で、57%を占めた。PCR検査などを1729件(陰性確認分を除く)実施し、陽性率は8.5%。府内の累計感染者数は6845人となった。

【日本経済新聞】 

新型コロナ増えたけど…ほかの感染症が激減

2020/08/17

新型コロナウイルス感染症が広がる中、子どもがかかりやすい「夏風邪」などの病気が、例年に比べてとても少なくなっている。コロナ対策が、ほかの感染症にも効いているようだ。                                   
手足口病」や「ヘルパンギーナ」などは夏場、風邪に似た症状をひきおこすことから「夏風邪」とも呼ばれる病気だ。今年は夏になっても患者の数が目立って少ないことがわかってきた。 ■「夏風邪」いつもなら流行しているが…  国立感染症研究所によると、手足口病は毎年7月下旬ごろ流行のピークを迎えるが、今年の1医療機関あたりの報告数は、7月27日~8月2日の1週間に0・15人。大流行した昨年は10・54人で、70分の1の水準にとどまった。  この病気はエンテロウイルスの仲間がひきおこす。口の中や手足などに2~3ミリの水ぶくれのような発疹が出て、熱が出る場合もある。大人もかかるが、乳幼児の感染が多く、保育施設などで集団感染することもある。  同じくエンテロウイルスの仲間がひきおこし、突然38~40度の高熱がでる「ヘルパンギーナ」も少ない。例年1~4歳の子どもを中心に夏に流行するが、今年はやはり7月27日~8月2日の1週間に1医療機関あたり0・46人で、昨年(2・45人)の5分の1ほどだ。  そのほか、アデノウイルスが目を触った手や指、タオルを通じて感染することで起こる「流行性角結膜炎」も少ない。3月初めまでは昨年と同水準だったが、その後減り、昨年の3分の1ほどの水準で推移している。  子どもに下痢や発熱などの症状を引き起こす、ロタウイルスによる「感染性胃腸炎」は例年3~5月に流行するが、今年ほぼ流行が見られなかった。19年の4月22~28日は1医療機関あたり0・93人に対し、今年の同時期は0・01人と、約100分の1だ。  こうした患者数の減少について、名古屋大学病院の伊藤嘉規准教授(小児感染症学)は、「新型コロナウイルス感染症の影響による、子どもの環境の変化と考えるのが妥当だろう」と話す。
【朝日新聞】







  

新型コロナウイルス 抗体の急速な低下、ワクチン開発の課題に

2020/07/16

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社内システムの変更に伴いしばらくインフォ―メーションの更新をお休みいただいておりましたが、再開いたします。       
                                     株式会社セス 管理人


新型コロナウイルスに対する免疫防御は長続きしない可能性があるという新たな研究結果が発表された。専門家からは、将来の感染に備えて人々を完全に保護するワクチンを開発するのはさらに難しくなったとの見方が出ている。

 中国、ドイツ、英国などで行われた予備的な研究では、新型コロナウイルスに感染した患者は免疫システムによる防御の一部として抗体をつくることがわかったが、これは数カ月しか持続しないようだ。

 「新型コロナウイルスに感染したほとんどの人は抗体を作るが、これは急速に衰えていくことが多く、感染後数カ月で免疫がほとんどなくなることを示唆している」と、英インペリアル・カレッジ・ロンドンのダニエル・アルトマン教授(免疫学)は述べている。

 このことは、新型コロナウイルスワクチンの開発者と、将来のパンデミックから人々を守るためにワクチンを展開しようとしている公衆衛生当局にとって、大きな問題を提起していると専門家は言う。

 英リーズ大医学部のスティーブン・グリフィン准教授は「(パンデミックをコントロールするために)ワクチンに過度に依存するのは賢明ではないということだ」と話す。ワクチンが真に効果を発揮するには「より強力で持続的な防御をもたらす必要があるだろう。あるいは、ワクチンを定期的に投与することも必要になるかもしれない。このことは、決して些細なことではない」と言う。

 現在、世界で100を超える研究機関や企業が新型コロナウイルスに対するワクチンの開発を目指しており、少なくとも17のワクチンがすでにヒトでの有効性を検証するための試験に入っている。

 「AZD1222」として知られる英アストラゼネカの新型コロナウイルスワクチンは、豚を使った前臨床試験で、1回投与よりも2回投与のほうが高い抗体反応が得られることが示された。しかし、ヒトでの試験では今のところ、免疫応答が十分に強力で、かつ長期間持続することを示すデータはない。

 ブースターショット

英オックスフォード大の微生物学の客員教授で、以前は仏サノフィパスツールに勤務していたジェフリー・アーノルド氏は、データが不足している理由の1つは単に時間の問題だと述べている。新型コロナウイルスワクチンの開発はかなりのスピードで進められており、開発が始まってからまだ6カ月も経っていない。これは、ワクチンの効果の持続性を検証するのに十分な長さではない。

 アーノルド氏やほかのワクチン・免疫学の専門家は、新型コロナウイルスに自然に感染した人で免疫が衰えることが、必ずしもワクチンによる免疫応答と同じとは限らないと指摘する。「ワクチンはもちろん、ウイルスに直接感染するわけではない。ワクチンの理想的な目標は、自然に感染するよりも強力な免疫応答を引き出すことだ」とアーノルド氏は話す。

 グリフィン氏は、使用可能なワクチンが開発された場合の1つのアプローチとして、定期的にブースター注射を行うことや、2つ以上のタイプのワクチンを組み合わせて接種することを、当局は考慮する必要があると言う。

 ただし、実際には大きな課題がある。「世界中の人々に1回分のワクチンを接種するのと、複数回分のワクチンを接種するのは、全く別のことだ」とグリフィン氏は語った。

 【Answers News】













全米でインフルエンザの猛威続く 死者1.4万人、感染者2600万人

2020/03/02

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(CNN) 米国でインフルエンザの猛威が続いている。米疾病対策センター(CDC)によると、今シーズンの感染者は全米で少なくとも2600万人、死者は少なくとも1万4000人に増えた。

米国立アレルギー・感染症研究所(NIAID)によると、昨年9月29日から始まった2019~20年のインフルエンザシーズンは、過去10年で最悪級の状況が予想される。これまでに少なくとも25万人が、インフルエンザによる合併症のために入院した。猛威が続く中、この数はさらに増える見通しだ。

今シーズンのインフルエンザで死亡した1万4000人のうち、少なくとも92人は子どもだった。CDCが今週まとめた報告書によれば、インフルエンザはほぼ全地域に拡大し、48州とプエルトリコで猛威を振るっている。

インフルエンザは2次感染が起きると危険性が増す。これは免疫系が弱っていることによるもので、細菌やウイルス感染の合併症によって症状が悪化する。慢性疾患の既往症がある人も、インフルエンザの合併症を起こす危険が大きい。合併症による肺炎、心臓や脳の炎症、臓器不全のため死に至ることもある。

インフルエンザはウイルスが毎年変異することから対応が難しい。そのシーズンに優勢なウイルスが、それまでの年より毒性が強まることもあり、それが感染者数や症状の重さに影響する。

CDCの報告書によると、今シーズンのインフルエンザは、ウイルスが極端に変化する抗原不連続変異を起こしている兆候は見られない。ただ、直近では2009年のH1N1ウイルスにこの変化が起き、人々に免疫がなかったことからパンデミック(世界的な大流行)を引き起こした。

【CNN】

中国へマスクの支援物資送付を断念

2020/03/02

新潟県加茂市は、友好都市の中国・ツーポー市への支援物資としてサージカルマスクを送るため手続きを進めてきたが、2月17日付けでツーポー市人民政府外事弁公室から「中国法律と規制及び赤十字協会などの機関の海外から寄付の受け入れ関連規則」によりマスクを受け入れられないと連絡があり、加茂市は送付を断念した。

ツーポー市人民政府外事弁公室からの文書の翻訳

ツーポー市人民政府外事弁公室からの文書では、ツーポー市に対する加茂市民の理解と支持に感謝したうえで、できるだけ早く受け入 れようとしたが、加茂市が寄付しようとしている医療用マスクは製品の生産番号、有効期間と製品品質検査報告書などの手続きに必要な関連資料がないため、海外からの寄付の受け入れ関連規則で赤十字協会などの機関は受け入れることができまないとしている。

「これに対して残念の意を申し上げます」とし、「加茂市はこの大事な時に、寄付の意を表し、これは友情の証」と評し、「両市の友好関係と協力をよりよく発展できるよう心から祈っております」と締めくくっている。

一方、三条市が2月4日に友好都市の湖北省鄂州市と重慶市巴南区に発送した支援物資の医療用マスクや医療用防護セットは、少なくとも巴南区には無事に到着している。

【ニュースタンク】

世界の鳥類に拡大 人への感染に警戒

2020/02/20

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これまで4回にわたり、人のインフルエンザウイルスと鳥インフルエンザウイルスの関連性について、主として新型インフルエンザウイルスの出現に鳥インフルエンザウイルスがどのように関与してくるのかという角度から取りあげてきました。

その中で、すべてのインフルエンザウイルスの祖先は鳥インフルエンザウイルスであることを紹介しました。鳥インフルエンザウイルス粒子の表面に存在するスパイクは、人のインフルエンザウイルスと異なり、HA(H)は16種類、NA(N)は9種類知られており、鳥インフルエンザウイルスは、人のインフルエンザウイルスと異なり多種類存在していることも紹介しました。

今回は鳥インフルエンザについて、主として「病」を中心に紹介してみたいと思います。

鳥インフルエンザとはどのような疾病か?

鳥インフルエンザは、鳥インフルエンザウイルス感染による鶏、シチメンチョウ、ウズラなどの家禽(かきん)類、アヒルやガチョウなどの水禽(すいきん)類を含む、すべての鳥類の疾病の総称です。本病に罹患(りかん)した鳥類に発現する病勢の強さから、鳥インフルエンザは2型に大別されます。

死亡率の高い「高病原性鳥インフルエンザ」
まず、過去には家禽ペストと呼ばれ、現在では「高病原性鳥インフルエンザ」に改称された、鶏を含む多くの鳥類に激烈な病原性を示し、非常に高い死亡率(90%以上)をともなう甚急性の疾病があります。

一般にはこの疾病を鳥インフルエンザと呼称することが多いですが「家畜伝染病予防法」では、高病原性鳥インフルエンザは「家畜伝染病」(いわゆる家畜の法定伝染病)の一つに指定されています。つまり、家畜の伝染病の中で最も危険度が高く、高度に警戒され、発生した場合には国の行政機関も関与する最も重要な感染病に分類されている疾病です。

鶏が高病原性鳥インフルエンザウイルスに感染すると、多い場合には飼育中の数十%の鶏が突然急死することがあり、異変に気づきます。甚急性の場合には病変の出ない場合がありますが、一般には顔面の腫脹、肉冠と肉垂の浮腫、チアノ-ゼ、脚部の皮下出血が見られます。呼吸器症状、下痢、神経症状が発現することも稀にあります。潜伏期間は3~5日です。

ある養鶏場で飼育されている鶏が高病原性鳥インフルエンザに罹患していると診断された場合、その養鶏場およびその養鶏場に関連する養鶏場で飼育されている鶏はすべて殺処分を受け、養鶏場全体が徹底的に消毒され、病原体の完全消滅が図られねばならないのです。その過酷な業務は、可能であれば当該養鶏場自身、不可能な場合にはその養鶏場を管轄する家畜衛生行政機関が実施にあたります。実際には、行政が担当しています。

軽微な「鳥インフルエンザ」
もう一つは、臨床症状が高病原性鳥インフルエンザに比べるとはるかに軽微で、死亡率(1~2%程度)の非常に低い疾病です。この場合、感染鶏が発現する臨床症状も多彩で、軽微な呼吸器症状、下痢、産卵低下、神経症状等が単独または混合して出現します。鶏群の飼育形態および環境、鶏種、性、日齢が違えば病勢もかなり違います。不顕性感染例も決して少なくありません。病性鑑定の非常に困難な疾病ということができます。

家畜伝染病予防法では、この疾病が「鳥インフルエンザ」と呼称されます。本病は、家畜伝染病(いわゆる家畜の法定伝染病)よりも一段低いレベルの届出伝染病に指定されています。ただし、鳥インフルエンザ程度の軽微な病勢であっても、HA亜型が5あるいは7のウイルス感染の場合だけは「低病原性鳥インフルエンザ」と呼称され、家畜伝染病予防法では高病原性鳥インフルエンザと同等に扱われます。

【リスク対策.com 】

レスリング 強豪の中国、北朝鮮が不参加 新型肺炎拡大で

2020/02/20

新型コロナウイルスの感染拡大の影響が広がる中、18日からニューデリーで行われているレスリングのアジア選手権には強豪の中国と北朝鮮が不参加となった。日本は東京五輪を前にアジアのライバルとの力関係を測る機会と位置づけていたが、肩すかしを受けた格好だ。身体接触が避けられない競技だけに影響は今後も続くとみられ、五輪の代表争いにも影を落としている。

日本レスリング協会によると、中国はインド政府がビザの発給を行わなかったため参加が不可能となった。代表チームは全選手・役員が陰性であることを示して発給を求めたが、認められなかったという。北朝鮮はビザの発給は受けたものの、インドへの唯一の経由地が北京であることから自ら参加を見送った。

 これに対し日本は五輪本番を見据え、すでに代表入りを決めている6選手全員を大会に送り込んだ。中国、北朝鮮には有力選手が多く、昨年の大会では男子グレコローマンスタイル60キロ級代表の文田健一郎(24)=ミキハウス=が2回戦で北朝鮮選手に敗北。女子57キロ級代表の川井梨紗子(25)=ジャパンビバレッジ=の最大のライバルと目されるのは中国選手だ。五輪の金メダル候補とされる2人をはじめ、両国のライバルとの対戦を望んでいた選手は多く、文田は「残念」と言葉少なだった。

 レスリングでは五輪アジア予選が3月27~29日に中国・西安で開催される予定だったが、会場変更は不可避の情勢だ。新型コロナを含めた感染症について、世界レスリング連合(UWW)は医師ら約15人からなるワーキンググループで対策を議論。発熱が認められた選手を出場させないことや、観客を含めたマスク着用の義務づけなどが新たな規定として検討されているという。

【SankeiBiz】

新型コロナウイルス 中国以外での感染 28の国と地域で693人

2020/02/17

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NHKのまとめでは、中国以外で新型コロナウイルスへの感染が確認された国と地域は28に上り、感染者は合わせて693人となっています。

中国以外の国と地域でこれまでに確認された感染者の数は、日本がクルーズ船の乗客・乗員の285人を含む338人となっています。

また、
▽シンガポールが72人
▽香港が56人
▽タイが34人
▽韓国が28人
▽マレーシアが22人
▽台湾が18人
▽ドイツとベトナムが16人
▽オーストラリアとアメリカが15人
▽フランスが11人
▽マカオが10人
▽イギリスが9人
▽UAE=アラブ首長国連邦が8人
▽カナダが5人
▽インド、フィリピン、イタリアが3人
▽ロシアとスペインが2人
▽ネパール、カンボジア、スリランカ、フィンランド、スウェーデン、ベルギー、エジプトが1人となっています。

感染者のうち、日本のほかフィリピンと香港、そしてフランスでそれぞれ1人が亡くなっています。

【NHK NEWS WEB】

新型コロナウイルスを止めるべく、米国が「抗体」の開発を急いでいる

2020/02/17

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新型コロナウイルスの感染拡大を防ぐべく、米国防総省の国防高等研究計画局(DARPA)の支援を受けた研究者たちが抗体の開発を急いでいる。機械学習とパターン認識の進歩によって開発を高速化する準備は整っているが、抗体の開発にはいくつかの大きな障壁が立ちはだかっている。

カナダのヴァンクーヴァーに本社があるバイオテクノロジー企業AbCelleraのオフィスに、医療宅配業者によって一両日中に発泡スチロールのクーラーボックスが届けられる。その箱には、米国立衛生研究所(NIH)の研究者が新型コロナウイルス感染症「COVID-19」の患者から採取した血液サンプルが、ドライアイスとともに詰められているはずだ。

この血液サンプルは、AbCelleraの研究室に運ばれることになる。そして、クレジットカードの大きさのマイクロ流体チップにセットされ、数百万個の白血球が1個ずつマイクロチャンバーに分離される。その後、それぞれの白血球は1時間ごとに撮影され、白血球が新型コロナウイルスを撃退するために生成する抗体を探し出すのだ。

「患者の血液サンプルの全細胞を数時間でチェックできます」と、AbCelleraの最高経営責任者(CEO)であるカール・ハンセンは言う。「患者1人のサンプルから、1日のスクリーニングで400の抗体をつくれるようになりました」

抗体とは、ウイルスやその他の異物を生体内から除去するために、免疫系がつくり出すたんぱく質のことだ。ワクチンは体内の免疫系を刺激して、侵入してくるウイルスに対する抗体の産生を促す。同じウイルスにまた攻撃されることがあった場合にも、この免疫力は有効になる。

ワクチンの効果は何年も続くが、その開発には長い時間がかかる。現在、COVID-19の原因ウイルスに対して使用できるワクチンはないが、ジョンソン・エンド・ジョンソンやマサチューセッツ州ケンブリッジのModernaといった製薬会社は、COVID-19のワクチンの開発に取り組んでいる。

これに対して研究者は、医師や病院職員、そして感染患者の家族など緊急に対策が必要な人がすぐに使える一時的な対策として、抗体自体の注入が役立つかどうかを研究している。

まだ症状の出ていない人に抗体を

米国防総省の国防高等研究計画局(DARPA)は、致死率が高い新型ウイルスに対する抗体を60日以内に特定・生成することを目標に、2年前に「パンデミック防止プラットフォーム(P3)」プログラムを立ち上げている。デューク大学とヴァンダービルト大学のメディカルスクールから研究者を募り、AbCelleraと製薬大手のアストラゼネカにも協力を求めた。

いま中国で猛威を振るっている新型コロナウイルスのようなアウトブレイクに備えて、P3プログラムの科学者は、SARS(重症急性呼吸器症候群)およびMERS(中東呼吸器症候群)の原因となるウイルスを使用して試験を実施した。どちらもコロナウイルス科のウイルスで、COVID-19と密接に関連している。

研究者はこの2種類のコロナウイルスの抗体を分離したあと、遺伝子コードを特定し、それを基に抗体を大量生産する。患者に直接注射することで、感染したコロナウイルスに対して即座に抵抗力を与える抗体薬を開発することが目標だ。

「わたしたちは患者の血液を採取し、抗体を特定します。これを素早く実施するのです」と、DARPAのバイオロジカルテクノロジー研究室プログラムマネージャーのエイミー・ジェンキンスは説明する。同研究室はAbCelleraの研究に4年間で3,500万ドル(約38億4,000万円)の資金を支援している。

「抗体を分離できたら、まだ症状の出ていない人にその抗体を与えることができます。抗体はワクチンと同じように感染を防ぎます。違いは、ワクチンの効果は長く持続する点です。わたしたちはワクチンほど効果が長く続かなくても、いますぐ免疫力をつけられる治療法を目指しています」

米国では入手困難な血液サンプル

すべてうまく進めば、数年は効果が続くワクチンに対して、この抗体治療による効果の持続期間は数カ月になるとジェンキンスは言う。とはいえ、研究者は動物およびヒトの臨床試験で、この抗体の安全性と有効性をテストする必要がまだある。

もちろん、抗体を使った治療法の開発は簡単ではない。そもそも、COVID-19を発症した15人の米国人患者のうち、献血に同意した人はこれまで1人しかいない(中国には数千人の感染患者がいるが、米国の研究者はいまのところ米国での研究のためにその血液サンプルを入手できていない)。

したがってAbCelleraは、DARPAおよび米疾病管理予防センター(CDC)と提携して治療法を開発しているほかの企業や学術機関とともに、貴重な米国人患者の血液サンプルほんの数滴を得るために順番待ちの状態だ。「わたしたちは血液サンプルが到着したら、すぐその場に行けるようにチームを配備しています」と、AbCelleraの研究開発責任者であるエスター・ファルコナーは言う。「サンプル入手が待ち遠しいです」

中国の科学者チームは1月31日に、コロナウイルスの表面に結合し、中和作用を発揮すると思われる抗体を発見したと発表している。この研究論文はプレプリントサーヴァー「bioRxiv(バイオアーカイヴ)」に投稿されたもので、まだほかの科学者による査読を受けていない。また大量生産され、動物またはヒトで試験された場合のこの抗体の有効性は明らかではない。

この抗体治療が有効な場合、誰が最初に治療を受けるのかという問題もある。COVID-19患者の治療を実施している特定の病院で働く医療従事者か、それとも感染が確認された人と同じ屋根の下に暮らす家族なのか(抗体は米国では、政府の公衆衛生当局によって配布されることになる可能性が高い)。

ボトルネックは抗体の生産体制

もうひとつ考えられる問題は、抗体の生産規模拡大におけるボトルネックだ。必要とするすべての人に配布できる量の抗体を製薬会社が生産できるとは考えにくいと、医療専門家は指摘する。

ネブラスカ大学医療センターの新興疾患専門家であるジェームス・ローラーは、「生産能力に限界があります」と言う。ローラーはDARPAのプログラムには関与していない。「適切な抗体の精製能力はかなり進歩しました。しかし、どのようにすれば世界的な感染症の流行に効果をもたらせるほど素早く抗体を生産できるのかという問題は、まだ残っています」

ローラーによると、米国の5,500以上の病院および医療センターの医師や看護師、医療従事者を保護するには、100万回分以上の投与量が必要になる。「数百万回分の投与量の抗体医薬品を生産するように数カ月で生産規模を拡大するのは、かなり難しいです」と、ローラーは言う。「わたしたちにはそのような短期間に治療薬や予防薬の生産を拡大する能力はありません。2年後にはそのレヴェルに到達できるかもしれません」

機械学習とパターン認識が効果を発揮する

このような障害があるなか、DARPAのプログラムに携わる医学研究者は、最先端のツールを使って細胞のスクリーニングとイメージングを進める準備は整っていると語る。この最先端のツールは近年、機械学習とパターン認識の進歩で進化している。AbCelleraのマシンは、何百万枚もの画像から新型コロナウイルスの表面に結合する完璧な抗体を発見するように訓練されている。

ヴァンダービルト大学メディカルセンターのロバート・カーナハンも、同大学独自の抗体スクリーニング技術を活用するため、米国人患者から初めて採取された血液サンプルを待っている。ヴァンダービルト大学ワクチンセンターのカーナハン研究チームは昨年、この独自抗体スクリーニング手法を使ってジカウイルスに対する新しい抗体を発見した。最初のスクリーニングテストで800の抗体を発見したあと、動物実験で20の抗体に絞り込み、最終的にそのうち1つがウイルスの感染を阻止した。カーナハンによると、このプロセスにかかった日数はわずか78日だ。

「最も効果のある抗体が必要です」と、カーナハンは言う。「それを見つけるには多くの作業が必要になります。ジカを対象にした際に、わたしたちは小さなサブセットを取り出して、それを詳しく研究することを繰り返しました。パンデミックの最中には、そんなことをしている余裕はありません」

事態は急速に進展する?

ヴァンダービルト大学のカーナハンは、新型コロナウイルスの米国人患者の血液サンプルがもうすぐ手に入ると考えている。米国人の患者が少ないため、カーナハンの同僚は中国以外の国に居住する感染患者からサンプルを入手しようとしている。ただし、共同研究プログラムを調整する国際機関がまだ存在しないため、サンプルを入手するには各国の病院管理者および公衆衛生当局に直接働きかける必要がある。

「わたしたちの誰もがサンプルを待ち望んでいます」と、カーナハンは言う。「感染患者のサンプルが手に入るようになれば、事態は急速に進展するでしょう。また安全面から考えると、サンプルが米国中を飛び回っていないのは悪いことではないと思います」

【WIRED JP】

中国では新型コロナウイルスに対抗すべく、臨床試験が次々に始まった

2020/02/17

感染が拡大している新型コロナウイルスに対抗すべく、さまざまな治療薬による治験が中国で次々に始まっている。なかでも鍵を握りそうなのは、エボラ出血熱患者に対する効果がみられた抗ウイルス薬だ。

外部との交通が遮断された中国・武漢市では、新型コロナウイルスの爆発的なアウトブレイク(集団感染)と戦う医療従事者が数週間にわたり、「COVID-19」の患者に対して可能な限りのケアを提供しようと知恵を絞っている。

患者の症状は、せきや発熱、重度の肺炎、敗血症性ショック、臓器不全にまでおよぶ。これらの症状を、酸素療法や人工呼吸器、抗生物質で治療するほか、現地の医師らは臨床試験にも着手している。

ただし、新型コロナウイルスによって引き起こされる疾患に対し、現時点で承認された治療薬はない。このため医療従事者は、ステロイドや抗体、通常ならHIVやインフルエンザの治療に用いられる医薬品まですべてを試している。だが、これらの治療は一元化して厳密に結果を追跡することなく臨機応変に行われていることから、新しい疾患に対してどの治療が効果的なのか知るのは困難な状況である。

中国の医療現場からの要請

こうしたなか、中国の研究者たちは「COVID-19」以外の感染症の治療薬を用いて、体系的な臨床試験を開始しようと先を争っている。中国では1月28日以降に科学者による臨床試験が19件登録され、少なくとも数件では患者への治療薬の投与がすでに始まっている。

早ければ4月にも初期の結果が公表される見込みといい、最もよく効く治療法に関する明確な証拠を求めている最前線の医療従事者にとって、臨床試験がスピーディーに実施されることが重要になる。確実に証拠を積み重ねることが鍵となるのだ。

「治療の効果を調査する際、患者に関するさまざまな測定値が利用できます」と、世界保健機構(WHO)で保健システム・イノヴェイション分野の事務局長補佐のマリー=ポール・キニーは、2月12日(米国時間)の記者会見で語っている。「異なる治療法を比較したい場合には、あらゆる人が同じ測定法を用いることが重要になります」

これはWHOが開催した2日間の研究フォーラムの終了時の発言である。このフォーラムは、現在のアウトブレイクにおいて最も緊急性が高い研究を見極め、優先順位をつけるため、主な資金提供者や300人以上の科学者が参加して開かれた。

このフォーラムの共同議長を務めたキニーによると、実際に参加またはヴァーチャルで参加した中国人の科学者たちからは、ふたつの緊急かつ短期的な要請があったという。ひとつは、「COVID-19」の診断に用いるより簡単な検査を作成し、医師が患者のベッドサイドで検査したり、地域のスクリーニング調査の一環として現場で実施したりできるようにすることである。

いま利用できる唯一の検査は研究室で処理する必要があるため、時間がかかる。適格とされる病院に生体試料を送らなければならないので、未処理分がすぐに蓄積される可能性があるのだ。

ふたつ目は、世界の医療界が標準化された治療計画を作成することで、これは強力なデータ収集の枠組みを備えている必要がある。つまり、最も重症な患者に対して何が効くのかを知りたいのだ。

混乱のなか一貫性のある試験を実施できるか

WHO事務局長のテドロス・アダノム・ゲブレイェススは2月12日(米国時間)、同機関が臨床試験を調整するためのマスタープランを作成中であると説明している。この枠組みは異なる治療法の研究に一貫性をもたせ、入手したデータを直接比較できるようにすることを目的としている。

ランダム化比較試験は、臨床研究における究極の判断基準である。しかし、大規模なアウトブレイクに圧倒されている医療システムでの作業の実現可能性を考慮すると、「COVID-19」を対象として協力してこれを実施するのは困難である。

「最大の問題のひとつは、臨床試験が実施されるすべての場所で同じ基準のケアを確保することです」と、ボストン大学国立新興感染症研究所で特殊病原体部門の医療ディレクターを務めるナヒド・バデリアは言う。「薬が効いているかどうかは、患者が受けるほかの治療も同じでない限り判断できません」

湖北省で48,000人以上もの感染者が発生した公衆衛生上の緊急事態では、これはさらに難しい。現地からの報告によると、患者の長い列や混雑した病棟、治療を受けられず自宅に戻される人々など、病院はギリギリの状態で運営されている。突貫工事で建設された“野戦病院”や一時的な都市封鎖によっても、依然として詰めかける患者の数は減っていない。

エボラで効果が見られた抗ウイルス薬の存在

しかし、現地の研究者にとって有利な点は、臨床試験における深い専門知識の積み重ねがあることだ。ロイター通信の報道によると、現時点で臨床試験全体の約20パーセントは中国で実施されており、5年前の10パーセントと比べて増加している。この数値には、COVID-19で最も打撃を受けた武漢市で実施中の500件近くの臨床試験が含まれる。

アウトブレイクによって、これまで治験に専門的に携わっていた医師や施設が伝染病の最前線に立たされているため、これらの研究の一部に混乱が生じている。しかし、COVID-19に効く可能性がある治療薬を試す意思のある患者にはこと欠かない。

このほど参加する患者を募集し始めたと『ニューヨーク・タイムズ』が報じたふたつの治験では、米国のバイオ製薬会社ギリアド・サイエンシズが製造する研究用の抗ウイルス薬「remdesivir(レムデシビル)」の有効性が試される。レムデシビルは、多くのウイルスがヒトの細胞内で増殖する際に使う酵素を抑制することで機能する。

この抗ウイルス薬はまだいかなる用途に対しても承認されていないが、18年のコンゴ民主共和国におけるエボラ出血熱患者に対する治験結果によると、安全のようだ。これは新型コロナウイルスに感染した人に対する最初の臨床試験であるが、中国の科学者らは2月に入ってから、「SARS-nCoV-2」(「COVID-19」を引き起こすウイルス)の霊長類の細胞への感染を防ぐ上でレムデシビルの有効性が証明されたと報告している

始まったレムデシビルによる治験

中日友好医院の医療チームが実施しているふたつの治験では、レムデシビルとプラセボ(偽薬)を比較する。ひとつの治験には、重度の症状がある患者を登録し、もうひとつの治験には軽度から中等度の症状の患者を登録する。ギリアドは最大500人の参加者を治療するために十分な量の薬を提供したと、同社の広報担当者は説明している。

最近のエボラ出血熱のアウトブレイク後、ギリアドはレムデシビルを備蓄している。今回のふたつの治験に利用しているほか、人道的使用の要請があれば薬を提供すると、広報担当者は述べている。現時点で同社が開示しているのは、米国で「COVID-19」の患者1名(ワシントン州在住の35歳男性)を治療したことだけである。

これまでに100人以上の患者が登録され、さらに660人以上が追加される(すべての参加者にレムデシビルが投与されるわけではなく、一部はプラセボを投与される)予定である。「このことは、中国の資源能力と現地の医療スタッフの献身的な働きをよく物語っています」と、米国立アレルギー・感染症研究所で特別臨床研究部門の医療ディレクターを務めるリチャード・T・デイヴィーは言う。

デイヴィーは2018年、エボラ出血熱患者にレムデシビルの治験を行う研究者チームの陣頭指揮をとった経験がある。このときの臨床試験は紛争地域で実施され、治験に慣れていない医療環境だった。それに比べると、中国はすみやかに行動する上ではるかにいい環境にあると彼は指摘する。「中国には感染症の専門家や、これまで臨床試験を実施したことがあるたくさんの人がいます。わたしたちは何を支援すればいいのか、人々の要請を待っている状態です」

供給体制の確立が課題に

このように素早く参加者が募集されたことで、中国での治験結果は早ければ4月に公表される見込みだ。とはいえ、レムデシビルの有効性が証明された際に、依然として薬を必要としているであろう数千人の患者を治療できる十分な量のレムデシビルをギリアドが保有しているかどうかは、定かでない。

ギリアドの広報担当者によると、同社は可能な限りすみやかに利用可能な供給量を増やす措置を講じているという。それには、レムデシビルの製剤の種類を増やす、複数の地域で新しい生産パートナーと協議を開始する、内部生産能力を増強するといった手段が含まれる。

「将来の潜在的なニーズを見越して、可能な限りすみやかに利用可能な供給を増やすため、製造スケジュールを加速しています」と、ギリアドの広報担当者は説明する。「わたしたちは、レムデシビルがCOVID-19の患者にとって有効かつ安全な治療薬であるという結果が判明する前に、増産体制に入っています」

疑わしいアプローチもあとを経たない

研究者らはレムデシビルのほかにも、別の治験で抗ウイルス薬の「ロピナビル」や「リトナビル」を患者に投与している。これらはHIVの治療薬として承認されており、ジェネリック製剤が開発されている。これらの薬も、ウイルスがヒトの細胞内で増殖するために使う酵素を抑制することによって機能する。

まもなく中国では、すでに承認されている抗インフルエンザ薬「オセルタミビル」や「アルビドール」の有効性を調査する治験が開始される予定だ。これらの薬は、ウイルスが宿主の細胞表面から侵入して増殖する機能を阻害することにより、インフルエンザを治療する。

治験登録にはまた、ホルモンや幹細胞、ヴィタミンCの注入など一般的とは言えない、ことによると疑わしいアプローチも多数含まれている。そして残念なことにアウトブレイクにおいては、試せるものは何でも試してみたいと必死になる患者があとを絶たないのである。

【WIRED JP】


【札幌市西区手稲区】新型コロナウィルス、北海道内で2人目の感染者が確認(2020/2/14)

2020/02/17

2020年2月14日夜、北海道内で新型コロナウィルスの2例目の感染者が確認されたというニュースが飛び込んできました。

感染が確認されたのは、北海道内に住む50代の日本国籍の男性。
1月31日に全身の倦怠感を訴え、医療機関を受診したところ肺炎の疑いがあり、検査の結果、2月14日に新型コロナウィルスに感染されていることがわかりました。
男性は海外への渡航歴は無く、現在集中治療室に入院し、重篤な状態だということです。
TVニュースでは、14日夜に鈴木直道・北海道知事をはじめ、道の関係者が対応を協議している様子が報道されました。

プライバシーの観点や、混乱を防ぐためでしょうか?
北海道の発表では、国籍は明らかにせず、北海道内の50代男性とだけ発表しています。
厚生労働省の会見では、「日本国籍の北海道在住50代男性」とされています。

北海道内といっても、広い北海道・・一体どこなのでしょうか?
札幌なのか、他の観光地なのか・・空港や港がある町なのか、現在のところ全くわかっていません。

【号外NET】

米国株見通し:中国のウィルス感染に懸念再燃、景況感悪化も嫌気

2020/02/11

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グローベックス米株式先物市場で、S&P500先物とナスダック100先物は軟調、NYダウ先物は32ドル安で推移している。NY原油先物は大きく下げ、米株式市場はアジア株安などが波及し本日は売り先行となりそうだ。


1月22日はまちまち。ハイテク株が買われ、S&Pは小幅高となった。また、この日発表された住宅関連指標は底堅い内容となり、関連セクターに買いを引き付けた。ただ、中国で感染が拡大する新型コロナウィルスに対する過度な懸念は弱まったが、前日の国際通貨基金(IMF)の世界経済見通しの下方修正などネガティブな要因が残り、リスク選好の動きを抑えた。


本日は、中国当局がウィルス感染の被害状況を公表したのを受け、再び警戒感が広がり株買いは弱まりそうだ。本日発表される先週分新規失業保険申請件数、景気先行指数は前回から悪化が見込まれ、前週までのリスクオンのムードは縮小する見通し。

【まぐまぐニュース】


「新型コロナウィルスの感染力、MERSより高くSARSより低い」

2020/02/11


 中国当局が、湖北省都の武漢で発生した「新型コロナウィルス(2019-nCoV)感染症」について「感染の危険性が非常に高い」と警告した中、疾病管理本部は今回の感染病の人同士の感染力を重症急性呼吸器症候群(SARS)と中東呼吸器症候群(MERS)の中間段階と見て、地域社会への感染を予防するための処置に乗り出した。

 疾病管理本部の関係者は22日、中国当局の発表について「前回の発表に比べ、感染症の拡大の危険性が高いという意味と見られるが、感染が確認された患者の感染経路など、疫学調査の内容を公開しておらず、感染力がどの程度なのかは明らかではない」としながらも、「専門家たちは、新型コロナウィルスの感染力がMERSよりは高く、SARSよりは低いと見ている」と述べた。

 SARSの場合、患者が咳やくしゃみをしたり、話す際に空気中に排出される飛沫を通じて地域社会へと感染が広がり、MERSは大方が病院内または家族間感染など、密接な接触により感染が拡大した。MERSはSARSより感染力が弱いと評価されたが、2015年、韓国はMERS患者1人から多数の人がウイルスに感染する「スーパー・スプレッディング現象(super-spreading event)」を経験した。このような現象は患者個人の問題によるものではなく、混雑度が高く、空気の循環が悪い環境、患者が排出するウイルスの量など多くの要素が重なった際に現われる可能性が高いと専門家たちは説明する。2015年に発生したMERSは病院内感染で大量に発生した。

 パク・ヘギョン疾病管理本部危機対応生物テロ課長は、「MERS事態の時に比べ、医療機関の感染管理レベルが改善された。(状況に応じて)徹底した備えのため、応急医学会や地域応急医療センターと対応策を協議する」とし、「感染症の大量拡散を防ぐためには、空港の検疫だけでは限界がある。呼吸器症状が現れた患者は必ずマスクをつけ、咳が出る際にはマナーを守る一方、医療機関では呼吸器症状患者と一般患者と分離するなど選別診療の努力が必要だ」と述べた。同日、疾病管理本部は、呼吸器症状の患者が救急室に入る前に海外渡航歴の確認▽一般患者と分離診療▽医療人感染予防の心得の遵守など、MERSの拡大予防と同レベルの対策を施行すると発表した。

 中国人観光客などの往来が多い仁川(インチョン)空港も非常検疫体制に入った。仁川空港公社は、中国の武漢からの航空便が入ってくる場合、専用ゲートを設置し、利用客を全数調査して、個別に体温を測るなど防疫対策を強化した。仁川空港の関係者は「体温センサーによる監視はもちろん、検疫官が危険地域(武漢)からの入国客を個別確認している。出国客にも注意事項を案内している」と述べた。同日入国したある航空会社の乗務員は「機内で持続的に新型コロナウィルス関連の案内放送を流しており、検疫官が待機しながら感染が疑われる場合は先に降りるように措置している」と説明した。空港の入国ゲートや出国ゲート近くの海外感染病予防広報センターでは、マスクと共に新型コロナウィルスの案内文を配っていた。

 一方、同日、国内で新型コロナウィルスの患者と接触した44人のうち、感染症に似たような症状を示した3人に対する検査の結果、感染していないことが確認された。

【ハンギョレ】 

武漢の新型肺炎もSARSも流行の始まりは同じ…… 写真で見る、中国の生鮮市場とは

2020/02/11

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中国で感染が拡大している新型肺炎と、2003年に流行したSARS(重症急性呼吸器症候群)には共通点が2つある。どちらもコロナウイルスが原因で、生鮮市場から始まっている。

露店がひしめき合い、狭い通路を作っているこうした市場 —— ケージに入った大量の鶏を売る店のすぐそばには肉をカットするカウンターがあり、お腹をすかせた犬がそれをうらやましそうに見ていたり、新鮮な食用ウサギや魚、エビといったシーフードを売る店などが並んでいる —— では、地元住民や観光客が新鮮な肉や魚、農産物を購入している。

生鮮市場では人間と、生きているまたは死んでいる動物 —— 犬、鶏、豚、ヘビ、ジャコウネコなど —— がコンスタントかつ密に接触する。これが動物から人間へ、ウイルスをうつりやすくしている。

1月22日、中国・湖北省武漢の当局は、生鮮市場での生きた動物の販売を禁止した。新型コロナウイルスの発生源とされる華南海産物市場は1月1日に閉鎖された。これまでに約550人が新型コロナウイルスに感染し、17人が死亡している。

非営利組織「EcoHealth Alliance」の自然保護活動家で病気の生態学に詳しいケビン・オリバル(Kevin Olival)氏は、「こうした不自然な状況で動物たちを集めると、人間の病気が出てくるリスクがある」とナショナルジオグラフィックに語った。「ストレスの多い、悪条件の下に置いていると、動物たちがウイルスによって病気になる可能性を高めかねない」とオリバル氏は言う。

コロナウイルスは、初めは動物から人間に感染する。SARSの場合、そのウイルスの起源はコウモリだった。ウイルスはコウモリから他の動物に伝染し、それが人間にうつった。

【ビジネスインサイダージャパン】

米国株反落、米国で感染例確認-国債上昇

2020/01/22

S&P500種は前営業日比0.3%安の3320.79。ダウ工業株30種平均は152.06ドル(0.5%)安の29196.04ドル。ナスダック総合指数は0.2%低下した。リスクオフのムードで米国債は上昇。ニューヨーク時間午後4時59分現在、10年債利回りは5ベーシスポイント(bp、1bp=0.01%)低下の1.77%。

  中国発のウイルス感染の拡大は、2003年の重症急性呼吸器症候群(SARS)発生を一部の市場参加者に想起させた。ただ、今回の事態は今のところSARSほど深刻ではない。米国株が先週、最高値を更新する中で買いを入れていた投資家にとってこの問題は、いったん休止して世界の経済成長や企業利益を再検討する口実となった。

  ウェルズ・ファーゴ・インベストメント・インスティチュートのシニアグローバル市場ストラテジスト、サミーア・サマナ氏は「現在のような状況の大半は抑え込みが可能であることを歴史は教えている」と指摘。「消費者の行動が変わり始めるほど大きな問題になるかどうかを注視していく」と述べた。

  ニューヨーク原油先物相場は小幅安。リビアとイラクの供給障害への懸念が強まり、それまでの下げをほぼ埋める展開。ただ、中国発の新型ウイルス感染拡大問題が投資家心理への重しとなり、引けにかけて再び下げた。ニューヨーク商業取引所(NYMEX)のウェスト・テキサス・インターミディエート(WTI)先物2月限は、20セント(0.3%)安の1バレル=58.34ドル。ロンドンICEの北海ブレント3月限は61セント(0.9%)安の64.59ドル。

パラジウムのスポット相場は昨年4月以来の大幅安。ニューヨーク時間午後2時10分現在は6.3%安の1オンス=2384.61ドルと、14営業日ぶりのマイナスとなっている。中国発の新型ウイルスによる感染拡大を受け、工業用金属の最大消費国である中国の経済成長に対する懸念が強まった。銅先物も売られた。ニューヨーク商品取引所(COMEX)の金先物2月限は0.2%安の1オンス=1557.90ドル。

【ブルームバーグ】

ベトナム保健省、新型コロナウイルスによる肺炎予防で注意喚起

2020/01/22

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南中部沿岸地方ダナン市ダナン国際空港で14日に中国・武漢市から到着した中国人観光客2人が発熱しているのが発見されたことを受け、ベトナム保健省は2人の現在の状態と感染症予防のための注意事項を発表した。

 保健省によると、ダナン国際空港で発熱が見られた2人はダナン総合病院に入院し、隔離・監視された。その後、2人のうち1人は退院。残る1人は引き続き入院中だが、経過は良好で詳しい検査結果を待っているという。不明熱の診断で、インフルエンザ疑いとして治療を受けている。

 保健省は、武漢市で発生している新型コロナウイルスによる肺炎とダナン市での発熱観光客発見の事例を受けて対策会議を開き、感染症予防のための注意事項を発表した。現時点では過度に心配することなく、注意事項を守りつつ状況を見守るよう呼び掛けている。

【VIETJOベトナムニュース】

新型コロナウイルスの感染拡大に備え、企業がすべきこと

2020/01/22

中国・武漢で発生した新型コロナウイルスの感染拡大が止まらない。WHO西太平洋地域事務所(マニラ)も21日、ついにツイッターで「持続的な人から人への感染があるとみられる」と発表した。日本でも感染者が発生しており、東京2020大会を間近に控えて、今後さらなる感染拡大も懸念される。企業の総務や人事、BCP(事業継続計画)担当者らが今考えておくべき対策をまとめた。

1、感染地域や、感染拡大など情報収集

・外務省海外安全ホームページ

 https://www.anzen.mofa.go.jp/info/pcspotinfo_2020C013.html

・【感染症危険情報】中国における新型コロナウイルスの発生

https://www.anzen.mofa.go.jp/info/pchazardspecificinfo_2020T011.html

・厚生労働省

https://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/0000164708_00001.html

・国立感染省研究所 

 https://www.niid.go.jp/niid/ja/diseases/ka/corona-virus.html

・CDC アメリカ疾病予防管理センター(英語)

 https://www.cdc.gov/coronavirus/2019-nCoV/summary.html

・WHO 世界保健機関(英語)

 https://www.who.int/health-topics/coronavirus

・その他、信頼できるメディア

2、従業員への注意喚起・教育

・特に海外(武漢など)への渡航者、海外(武漢など)現地従業員

 感染予防、感染時の対応(下記参照)

・海外ではあらかじめ受診医療機関なども検討

・不要不急の外出自粛

・在宅勤務の検討

3、海外出張(武漢など)の自粛・禁止、駐在員の帰国、などの検討

4、感染予防の徹底(手洗い、マスク着用)

5、感染疑い者が出た場合の対応の検討

・武漢市から帰国し、咳や発熱等の症状がある場合には、必ずマスクなどを着用し、事前に医療機関に連絡したうえで受診。武漢市の滞在歴があることを申告

・会社への報告ルール

・風評対策、広報対応、など

6、感染者が出た場合の対応の検討

・顧客が感染した(していた)場合の対応:感染拡大の防止(濃厚接触者への対応)、事業継続の方策、風評対策、メディア対応

・社員が感染した場合の対応:感染拡大の防止(濃厚接触者への対応)、事業継続の方策、風評対策、メディア対応

・社員の家族が感染した場合の対応:報告や自宅待機のルール化(その際の給与支払い)など

7、BCPの検証・見直し

・現状のBCPが感染症で機能するかの検証、訓練・演習

2009年の新型インフルエンザの流行時には、毎日のように状況が変化し、感染力やウイルスの毒性についても判明するまでに時間を要し、多くの企業が対応に苦慮した。当初はマスクや消毒液も売り切れ手に入らない状況になった。

あらかじめ計画を策定しておいて状況に応じて書き換えるのと、新たに計画を作るのでは全く労力が異なる。今の段階から計画の策定や備蓄、訓練など、できる対策は進めておくことが重要だ。また、今後ウイルスが変化することなども考えられるため、固定した計画を作るのではなく、まずは社員一人一人の感染予防を徹底するとともに、健康への影響が著しく大きい場合、それほどでもない場合など幅を持たせた対策を考えておくことも大切だ。

【Yahoo ! ニュース 】

新型コロナウイルスへの対応 日本国内では

2020/01/22

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新型コロナウイルスへの感染者が日本国内で初めて確認されたことを受けて、政府は、検疫所での健康状態の確認といった水際対策を徹底し、医療機関で感染が疑われる人が確認された際の検査を着実に運用するなどとした対応方針を決定しました。

政府は、21日午前、総理大臣官邸で関係閣僚会議を開き、新型コロナウイルスへの対応方針を決定しました。

それによりますと、感染のリスクが高い地域からの入国者や帰国者に対し、検疫所で健康状態を確認するなどの水際対策を徹底し、医療機関で感染が疑われる人が確認された場合には、国立感染症研究所で検査する仕組みを着実に運用するとともに、感染者との濃厚接触者の把握を徹底するとしています。

また、各国や関係機関と緊密な連携を図り、発生国での感染状況や、WHO=世界保健機関、各国の対応状況などに関する情報収集に最大限努力するとしたうえで、国民に迅速、かつ的確な情報提供を行い、安心・安全の確保に努めるとしています。

安倍総理大臣は「現時点で、持続的なヒトからヒトへの感染が確認されている状況ではないが、中国では引き続き患者数が増加しており、一層の警戒が必要だ。感染症の発生状況などの情報収集の徹底などに万全を期してほしい」と述べました。

官房長官「感染拡大防止に万全期す」

菅官房長官は、閣議のあとの記者会見で、「決定した対応方針に基づき、中国・武漢から航空機で入国する人に、健康状態を確認するための質問書を新たに配布するなど、水際対策を強化することにしている」と述べました。

そのうえで、「検疫時の症状などにかかわらず、すでに全国の医療機関で、武漢に渡航歴があり、原因が明らかでない肺炎患者を把握する仕組みを構築しており、その着実な運用を徹底するなど、感染の拡大防止に万全を期していきたい」と述べました。

厚労相 水際対策を強化

加藤厚生労働大臣は、関係閣僚会議を受けて、中国からの入国者に対して、健康確認を徹底するなど、水際対策を強化する方針を明らかにしました。

具体的には、▼中国・武漢から航空機で入国する人に対して、健康状態を把握するため、症状に関する質問票を新たに配布するほか、▼武漢に加え、上海からの航空便でも、発熱などがある場合は自己申告するよう、機内アナウンスを流すということです。

加藤大臣は、閣議のあとの記者会見で「22日、WHO=世界保健機関の緊急会合が開催されることになっており、その結果も踏まえつつ、リスクの変化に応じ、関係各所と連携しながら対策の強化を図り、万全の対応を行っていきたい」と述べました。

国交相 旅行会社への情報提供など指示

国土交通省で臨時の幹部会議が開かれ、赤羽国土交通大臣が旅行会社への情報提供や水際対策の徹底などを指示しました。

中国の湖北省武漢を中心に、新型コロナウイルスによるとみられる肺炎の感染が広がっていて、日本国内でも先週、感染が明らかになっています。

これを受けて国土交通省は21日午前、臨時の幹部会議を開き、この中で赤羽国土交通大臣が「厚生労働省など関係省庁と緊密に連携して、新型コロナウイルスへの対応に万全を期すように」と述べました。

そのうえで、さらなる感染拡大に備え、▽旅行会社や航空会社に迅速に情報提供を行うことや、▽空港や港湾施設での検疫が円滑に行われるように水際対策の徹底に必要な支援を行うことなどを関係部署に指示しました。

中国からの旅行者は959万人

日本政府観光局によりますと、去年1年間に日本を訪れた旅行者は推計値で中国が最も多く、959万4300人にのぼり、前の年と比べて14.5%増えています。

このうち、去年の旧正月「春節」の連休期間が含まれる2月は72万3600人と全体のおよそ8%を占めました。

観光庁によりますと、ことしは中国路線の冬ダイヤが増便されていることなどから、今月24日から30日までの春節にあわせた大型連休では、日本を訪れる観光客などが増えることが予想されるということです。

武漢との直行便がある関西空港では…

関西空港では、新型のコロナウイルスによるものとみられる肺炎の感染が広がっている中国の武漢との直行便が毎日就航しています。

21日午後4時前にも武漢から直行便が到着し、乗客の多くはマスクを着用していました。

このうち、武漢出身の留学生の女性は、「武漢ではなるべく人混みに行かないようにしていました。母からマスクをするようにと言われたのでマスクをしています。早く解決策ができるよう期待しています」と話していました。

今週末から中国の旧正月、春節の休暇が始まり、関西空港では中国からの観光客が1年で最も多い時期となるのを前に、南海電鉄の関西空港の駅では新型肺炎の感染拡大を防ぐためとして、20日から駅員全員にマスクの着用を義務づけました。

駅の改札やホームでは乗客の誘導などにあたる駅員が、全員マスクをつけて業務に当たる様子が見られました。

この駅では、駅員が自身の身を守るとともに乗客に感染が広がらないようにと、独自で対応を決めたということで、当面、マスクをつけての業務を続けるということです。

新千歳空港では

中国で新型のコロナウイルスによるとみられる肺炎の感染が広がっていることを受けて、新千歳空港では、武漢に滞在した人で熱などの症状がある場合は申し出るよう呼びかけるなど警戒を強めています。

新千歳空港には、北京や上海など中国の10の都市との直行便があり、空港の検疫所の検査場には、武漢に滞在した人で熱などの症状がある場合は申し出るよう呼びかけるポスターを掲示しています。

また、入国者全員に対して日頃から行っている、体の表面の温度を調べるサーモグラフィーによる検査で熱がある人が見つかった場合は、問診で武漢に滞在したかを確認することにしています。

上海から観光で訪れた30歳の中国人の女性は、「上海ではまだ大きな騒ぎにはなっていなかったが、個人的に少し怖いので、マスクの着用や手洗いはしている」と話していました。

厚生労働省小樽検疫所千歳空港検疫所支所の鈴木尚文検疫調整官は、「これから中国では春節を迎え、新千歳空港にも中国各地から多くの人が来る見込みだ。より一層、警戒を強めたい」と話していました。

国内のホテルも予防に乗り出す

札幌市内のホテルでは先週から予防対策に乗り出しています。

客室数340室余りで海外からの宿泊客も多く訪れるJRタワーホテル日航札幌では、宿泊客が触れるエレベーターのボタンや客室のドアノブは、すべてアルコール消毒を徹底する対策を始めました。

さらに、発熱があるなど感染が疑われる宿泊客には、38度以上の熱があるかどうかや、現在の健康状態、感染した患者が確認された地域を訪れたことがあるかを尋ねる英語を併記した質問票も新たに作成しました。

このほか、新型肺炎の感染者が確認された場合に備え、マスクや消毒液が入ったホテル内の救急セットをさらに性能がよいものに取り替えることを検討しているということです。

JRタワーホテル日航札幌の中村正彦マーケティング部長は「安心して泊まってもらえるように対策を始めている。十分注意して、万全の体制でお迎えできるようにしている」と話しています。
【NHK WEB NEWS】

中国の新型ウイルス、4人目の死者確認 ヒトからヒトへの感染も

2020/01/22

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中国・武漢で多発している新型コロナウイルスによる肺炎について、武漢市当局は21日、新たに89歳の男性が死亡したと発表した。死者は合わせて4人となった。さらに中国当局は、ウイルスがヒトからヒトに感染する可能性があると確認した。

武漢市によると、89歳男性は市内に住んでいたという。また中国政府の国家衛生健康委員会は20日、広東省での2件のケースがヒトからヒトへの感染例だったと明らかにした。

武漢市の衛生健康委員会はさらに、市内で少なくとも15人の医療従事者がコロナウイルスに感染し、1人が重体だと明らかにした。

これまでに感染者は200人を超え、先週末で3倍に増加した。武漢から大都市へと広がっており、これまでに北京と上海、広東省深圳で患者が確認されている。

国外では日本のほか、タイと韓国でも感染者が確認された。

中国では今週から春節(旧正月)休暇で何百万人もの人が移動するため、ウイルスがさらに拡散する危険が懸念されている。

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ウイルスについてわかっていること

  • 2019-nCoVと命名されたこのウイルスは、これまで人間の体内では確認されたことのない新型のコロナウイルス
  • コロナウイルスは多くの種類があるが、人間への感染が確認されているのは6種類。今回のウイルスが7種類目になる可能性がある
  • 動物が発生源の可能性が高い一方、ヒトからヒトへの感染も一部、確認されている
  • 感染した場合、熱、せき、呼吸が浅くなる、呼吸困難などの症状が出る
  • 当局は、家畜に「直接」触れない、肉や卵はしっかり加熱調理する、インフルエンザや風邪のような症状の人には近付かないなどの予防策を推奨している

(出典:世界保健機関)

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このウイルスは武漢の市場から感染が始まったとみられているが、当局は感染の原因をまだ確定していない。

今回の新型ウイルスは、遺伝子の特徴から、これまで人間への感染が確認されたどのウイルスよりも重症急性呼吸器症候群(SARS)ウイルスに似ているとされる。

2002年には中国で8098人がSARSに感染し、うち774人が死亡した。

北京市も20日、5人の感染を確認したと発表。上海は同日、武漢から来た56歳の女性が感染したと明らかにした。

香港に近い深圳では、武漢の親戚を訪ねた66歳の男性が発症したと、当局が発表した。中国国営メディアは、広東省では他にも14人の感染が確認されていると伝えている。

中国国外で確認された4人(タイ2人、日本1人、韓国1人)も、武漢出身か、武漢を訪問していた。

イギリスの複数の専門家はBBCに、感染者数は当局の発表を大きく上回る可能性があると指摘。1700人に上る可能性もあるとしている。

世界保健機関(WHO)は、20日時点では渡航や貿易の禁止は奨励しないとしたものの、アウトブレイク(大流行)に備えるよう各国に呼びかけている。

すでに東京やシンガポール、香港の空港では、武漢からの渡航者に対しスクリーニング検査を行っている。アメリカ当局も、サンフランシスとロサンゼルス、ニューヨークの空港で同様の検査をすると発表した。

さらにオーストラリアでも、武漢―シドニー便の乗客に対して検査を行うことが決まった。オーストラリアに来る観光客数の1位は中国人で、昨年は100万人以上が訪れている。

中国当局は何と?

中国政府は2002~2003年にかけてのSARS流行で、その実態を隠していたことを大きく批判されていた。そのため、今回の新型ウイルスに対する対応に注目が集まっている。

習近平国家主席は20日、初めて公の場で新型ウイルスの流行について言及し、ウイルスは「断固として封じ込めなくてはならない」と述べた。

中国外務省は、当局は「感染について時宜にかなった情報を提供して」おり、「あらゆる関係者と協力していく」としている。

また新華社通信によると、国家衛生健康委員会はこの日、中国国内で確認された感染のうち2例が、ヒトからヒトへの感染だったことを認めた。

同委員会は当初、ヒトからヒトへの感染はなく、武漢の生鮮食品市場にいた家畜から広まったとしていた。

ヒト-ヒト感染についてはWHOも、「限定的に近接的な接触によって発生している」と指摘。「さらに感染が特定され、分析が進むことで、この病気の深刻さや感染パターンが明確になるだろう」としている。

また、中国での感染者増加は、これまで以上に調査と試験に力を入れた結果、発症者数が急増したためだと説明した。

春節による影響は?

中国は今週末から春節に入り、23日からは多くの中国人が1週間の休暇を取る。

春節の間は何百万人もの人が家族を訪問するために国内を移動するため、当局が新型ウイルスの流行を正しくモニタリングできないのではないかとの懸念がある。

内陸部に位置する武漢は、こうした移動のハブとなっている。武漢当局はここ1週間、空港や鉄道駅、バスの停留所などに体温モニターを設置し、発熱している人がいないか確認している。

熱がある人はその場で登録され、マスクを着けた上で病院に連れて行かれる。

当局によると、現在は武漢市から離れる人全てをスクリーニングの対象にしているという。

一方、北京駅では、マスクをしている旅行者もいるものの、新型ウイルスを心配する人たちは少ない様子。内モンゴル自治区から北京を訪れたヤン・リーさん(28)はAFP通信の取材に対し、「ニュースを見ても、ほとんど心配していない。いつものマスクを着ける以外には予防していない」と話した。

しかし中国語のソーシャルメディア上では、新型ウイルスの流行がトレンドとなっており、危機感を抱く人が多い。

ある微博(ウェイボー)ユーザーは、「武漢に行きながら感染を自覚していない人が、いったい何人いるだろう」と懸念を示した。

【BBC ニュース】